autorun.infとは?感染チェックと復旧手順。ウイルスに悪用される仕組みや無効化の仕方まで|サイバーセキュリティ.com

autorun.infとは?感染チェックと復旧手順。ウイルスに悪用される仕組みや無効化の仕方まで



「autorun.infって何のファイル?」「USBを差し込んだら自動起動したけど大丈夫?」——そんな疑問をお持ちではないでしょうか。autorun.infとはCD-ROMやUSBメモリを差し込んだ際に特定のプログラムを自動起動させる設定ファイルで、ウイルスに悪用されるケースも多い要注意ファイルです。本記事では役割・ウイルス悪用の仕組み・感染チェック・無効化・復旧方法まで解説します。

先に結論を言うと
autorun.inf自体はウイルスではなく正規のWindowsファイルですが、ウイルスが悪意あるプログラムを自動起動させるために書き換えて悪用することがあります。Windows 7以降ではUSBメモリの自動実行は初期状態で無効化されていますが、CD-ROMでは依然として動作するため注意が必要です——これがポイントです。

autorun.infとは

autorun.infの意味と役割

autorun.inf(オートランインフ)とは、CD-ROMやDVD・USBメモリなどのリムーバブルメディアをパソコンに接続した際に、特定のプログラムを自動的に起動させるための設定ファイルです。「autorun(自動実行)」+「inf(information=情報)」を組み合わせた名前で、自動実行に関する指示が書かれた設定ファイルであることを意味します。

Windowsはリムーバブルメディアが接続されると、ルートディレクトリ(一番上の階層)にautorun.infが存在するかを確認します。ファイルがあればその内容に従って指定されたプログラムを起動し、なければ何もしません。

autorun.infファイルの中身(書き方・コード例)

autorun.infはテキストファイルで、メモ帳などのテキストエディタで内容を確認・編集できます。基本的な書き方は以下のとおりです。

[autorun]
open=setup.exe
icon=setup.exe,1

各行の意味は以下のとおりです。

記述 意味
[autorun] 自動実行セクションの開始を示す決まり文句
open=ファイル名 自動起動するプログラムのファイル名を指定
icon=ファイル名,番号 ドライブアイコンとして表示する画像ファイルを指定
shell=動詞 右クリックメニューの既定のコマンドを定義
label=テキスト ドライブに表示される名前を指定

ウイルスに感染している場合、open= の部分にウイルス本体の実行ファイルが指定されています。たとえば以下のような記述があれば要注意です。

[autorun]
open=virus.exe
shell\open\command=virus.exe

正規の使われ方(CD-ROM・USBの自動起動)

autorun.infはもともとユーザーの利便性を高めるための正規機能です。代表的な正規の使われ方は以下のとおりです。

  • ソフトウェアのインストール用CD-ROMを挿入すると自動的にインストーラーが起動する
  • 音楽CDを挿入すると自動的に音楽プレーヤーが起動する
  • ゲームのディスクを挿入すると自動的にゲームが起動する

このようにautorun.inf自体は悪意のあるファイルではなく、Windowsが標準で備えている機能のための設定ファイルです。

autorun.infはどこに置かれている?

ルートディレクトリに配置される

autorun.infはリムーバブルメディアのルートディレクトリ(最上位の階層)に配置されます。たとえばUSBメモリのドライブレターが「E:」の場合、E:\autorun.inf という場所にファイルが存在します。ルートディレクトリ以外の場所に置かれたautorun.infはWindowsに認識されないため機能しません。

隠しファイルになっている場合がある

autorun.infは隠し属性が設定されていることが多く、エクスプローラーの標準設定では表示されません。特にウイルスが作成したautorun.infは隠しファイルとして存在することがほとんどです。

隠しファイルを表示するにはエクスプローラーの「表示」メニューから「隠しファイル」のチェックをオンにします。Windows 11の場合は「表示」→「表示」→「隠しファイル」を選択します。

autorun.infがウイルスに悪用される仕組み

USBメモリからウイルスが感染する流れ

ウイルスに感染したUSBメモリをパソコンに接続した場合、以下の流れで感染が広がります。

  1. ウイルスに感染したUSBメモリをパソコンに接続する
  2. Windowsがautorun.infを検出し、内容に従ってプログラムを自動起動する
  3. autorun.infに指定されたウイルス本体が実行される
  4. パソコンがウイルスに感染する
  5. 感染したパソコンに別のUSBメモリを接続すると、そのUSBメモリにもウイルスとautorun.infが複製される

このように感染したUSBメモリを複数のパソコンで使い回すことで、ウイルスが連鎖的に広がっていく点が特に厄介です。

autorun.inf自体はウイルスではない

重要なポイントとして、autorun.infファイル自体はウイルスではありません。ウイルスの本体は別のプログラムファイル(.exeファイルなど)であり、autorun.infはそのウイルス本体を自動起動させるための「踏み台」として悪用されます。

つまりUSBメモリにautorun.infが存在していても、それだけでウイルスに感染しているとは限りません。autorun.infの中身(open= で指定されているファイル)が怪しいプログラムかどうかを確認することが重要です。

Windows 7以降でのUSBの自動実行の仕様変更

Windows XP時代はUSBメモリのautorun.infも自動的に実行されたため、USB経由のウイルス感染が2009年頃から急増しました。しかしMicrosoftはこのセキュリティリスクに対処するため、Windows 7以降ではUSBメモリのautorun.infは初期状態で無効化されています

ただしCD-ROMやDVDでは依然としてautorun.infが機能する場合があります。また古いWindowsやセキュリティ設定を変更した環境ではUSBでも動作する可能性があるため、注意が必要です。

autorun.infがウイルスかどうか確認する方法

VirusTotalでオンラインスキャン

VirusTotalは疑わしいファイルをオンラインで無料分析できるサービスです。70種類以上のウイルス対策エンジンで一斉にスキャンし、どのエンジンで何が検出されたかを一覧表示します。

  1. VirusTotal(https://www.virustotal.com)にアクセスする
  2. 「ファイルを選択」をクリックして確認したいファイルをアップロードする
  3. スキャン結果を確認する

注意点としてVirusTotalはウイルスの分析はできても駆除はできません。また分析できるファイルサイズは最大650MBです。アップロードしたファイルはVirusTotalのデータベースに保存されることがあるため、機密情報を含むファイルのアップロードは避けましょう。

ウイルス対策ソフトでチェック

パソコンにインストールされているウイルス対策ソフトでUSBメモリをスキャンする方法です。Windowsには「Windows Defender(Microsoft Defender)」がデフォルトでインストールされています。

  1. エクスプローラーでUSBメモリのドライブを右クリックする
  2. 「Microsoft Defenderでスキャン」を選択する
  3. スキャン完了後に結果を確認する

市販のウイルス対策ソフトを使用している場合も同様に右クリックメニューからスキャンを実行できます。

ファイルの中身を直接確認する方法

autorun.infはテキストファイルのため、中身を直接確認することでウイルスかどうかの手がかりを得られます。

  1. エクスプローラーで隠しファイルを表示する設定にする
  2. USBメモリのルートディレクトリにあるautorun.infを右クリックする
  3. 「メモ帳で開く」または「プログラムから開く」→「メモ帳」を選択する
  4. open= の右側に記載されているファイル名を確認する

open=setup.exe(インストーラー)やopen=index.html(HTMLファイル)のような記述は比較的安全ですが、見覚えのない実行ファイル名や隠し属性のファイルが指定されている場合は要注意です。ただしウイルスが正規ファイルに偽装している場合もあるため、最終的にはウイルス対策ソフトでスキャンすることをおすすめします。

USBメモリやCD-ROMを差し込んでも自動実行させない方法

Shiftキーを押しながらUSBメモリやCD-ROMを差し込む

USBメモリやCD-ROMをドライブに差し込む際、キーボードのShiftキーを押しておくと、autorun.infの設定が無視されて自動再生が無効になります。この方法はUSBメモリやCD-ROMを差し込む時に毎回行う必要があり、少し不便な方法です。

コントロールパネルから自動再生を無効にする

Windows10のコントロールパネルから自動再生機能を無効にすることができます。スタートメニューから「Windows システム ツール」を選択し、コントロールパネルを開きます。

「自動再生」のアイコンをクリックします。

「すべてのメディアとデバイスで自動再生を使う」のチェックボックスを外します。

これでUSBメモリやCD-ROMを差し込んだ時の自動実行機能が無効になります。一度ここで設定をしておくと、今後はずっと自動実行機能が無効になります。

Windowsの設定から自動再生を無効にする

Windows10の設定からも自動再生機能を無効にすることができます。スタートメニューから「設定」をクリックします。

アイコンの一覧から「デバイス」をクリックします。

サイドバーから「自動再生」のメニューをクリックします。

「すべてのメディアとデバイスで自動再生を使う」をオフにします。

これでUSBメモリやCD-ROMを差し込んだ時の自動実行機能が無効になります。ここで設定することで、今後、USBメモリやCD-ROMを接続した時に自動実行機能が無効になります。

autorun.infウイルス感染からの復旧手順

もしUSBメモリ経由でウイルスに感染してしまった場合は、以下の手順で対処します。ポイントは感染が疑われる時点でネットワークから切り離すことです。

ステップ①ネットワークから切り離す

感染が疑われたらすぐにLANケーブルを抜くか、Wi-Fiをオフにしてインターネット接続を切断します。これによりウイルスが外部と通信してさらなるマルウェアをダウンロードしたり、情報を外部に送信したりするのを防ぎます。

ステップ②ウイルス対策ソフトで完全スキャン・駆除

ウイルス対策ソフトを使ってパソコン全体の完全スキャンを実行します。検出されたウイルスはすべて駆除または隔離します。スキャン中はパソコンを操作しないようにしましょう。

ステップ③autorun.infファイルを削除

ウイルス対策ソフトの駆除後、autorun.infファイルが残っている場合は手動で削除します。隠しファイルの表示設定をオンにしてから、USBメモリのルートディレクトリにあるautorun.infを削除します。

ステップ④USBメモリをスキャンまたはフォーマット

感染したパソコンに接続されていたUSBメモリにもウイルスが感染している可能性があります。ウイルス対策ソフトでUSBメモリを完全スキャンして駆除するか、重要なデータがない場合はフォーマット(初期化)することをおすすめします。フォーマットの方が確実に感染を除去できます。

ステップ⑤再接続後に再スキャンで確認

インターネットに再接続した後、ウイルス対策ソフトのウイルス定義ファイルを最新に更新してから再度完全スキャンを実施します。ウイルスが検出されなければ復旧完了です。

USBメモリ内にautorun.infを作らせない予防策

同名フォルダを事前に作成する方法

USBメモリの中に「autorun.inf」という名前のフォルダ(ファイルではなくフォルダ)をあらかじめ作成しておく方法です。同じ名前のフォルダが存在するとウイルスがautorun.infという名前のファイルを作成できなくなるため、感染の予防になります。

  1. USBメモリをパソコンに接続する
  2. エクスプローラーでUSBメモリのルートディレクトリを開く
  3. 右クリック→「新規作成」→「フォルダー」を選択する
  4. フォルダ名を「autorun.inf」と入力してEnterを押す

この方法の限界と注意点

この方法はあくまでも予防策の一つです。近年のウイルスはこの対策を上回る手法でautorun.infを作成するケースもあります。完全な対策ではなく補助的な手段として考え、ウイルス対策ソフトの導入・OS・ソフトウェアの最新化・自動再生の無効化などと組み合わせて使いましょう。

よくある質問(FAQ)

autorun.infを削除しても大丈夫?

USBメモリやCD-ROMに含まれるautorun.infを削除しても、基本的に問題ありません。autorun.infはあくまでも自動起動の設定ファイルのため、削除してもUSBメモリ内のデータが失われることはなく、手動でファイルを開くことは引き続き可能です。ただしソフトウェアのインストール用メディアの場合、autorun.infを削除すると自動起動しなくなります。

autorun.infが勝手に復活する場合は?

autorun.infを削除してもすぐに復活する場合、ウイルスがまだパソコン内またはUSBメモリ内に残っている可能性が高いです。ウイルス対策ソフトで完全スキャンを実施し、ウイルス本体を駆除してください。それでも復活する場合はUSBメモリのフォーマットと、パソコンのウイルス対策ソフトによる完全スキャンを改めて実施することをおすすめします。

MacでもAutorun.infは動作する?

macOSではautorun.infは機能しません。autorun.infはWindowsに固有の機能であり、Macはautorun.infを認識・実行しない仕組みになっています。ただしMacに接続したUSBメモリがWindows用のウイルスに感染している場合、そのUSBメモリを介して別のWindowsパソコンに感染が広がる可能性はあります。

まとめ

autorun.infとはCD-ROMやUSBメモリ接続時に特定のプログラムを自動起動させる設定ファイルで、ファイル自体はウイルスではありません。ウイルスがautorun.infを書き換えてウイルス本体を自動起動させるように悪用するケースがあります。Windows 7以降ではUSBの自動実行は初期無効ですが、設定から自動再生をオフにすることが最も確実な予防策です。

感染時はネットワーク切断→スキャン・駆除→autorun.inf削除→USBフォーマット→再スキャンの順で対処しましょう。

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