インシデントハンドラーとは、インシデント(事故や何かしらのミスに繋がりかねない出来事)が生じた時に即座に対応する高度なセキュリティ人材のこと。あまり聞きなれない言葉ではあるが、実はセキュリティを強化したいと考える企業においては極めて重要な存在だ。
それでは、インシデントハンドラーがどのような点が重要な存在なのか、具体的にお伝えをしていく。
インシデントハンドラーの役割とは?
インシデントハンドラーとは、セキュリティを脅かすインシデント発生時(事故や何かしらのミスに繋がりかねない出来事)の分析と対処方法の検討、そして関係部署との調整を行う役割となる。
悪意のあるサイバー攻撃をする存在が企業を攻撃した際に生じるセキュリティ上の問題に対する「分析と対処」をする事が主な職務となっていて、その性質上極めて高度な専門知識と豊富な経験を要する。
具体的には、インシデントハンドラーとして必要不可欠な資格として次の2つが挙げれられる。
- ネットワークスペシャリスト(Webネットワークに関する専門家)
- 情報セキュリティスペシャリスト(情報セキュリティに関する専門家)
*どちらもIPA(独立行政法人情報処理推進機構)が認定している高度情報処理技術者試験の合格をした者で、日本の国内で最難関試験にとなる。
このようにインシデントハンドラーは情報技術による高度な人材であり、今後よりIoT(モノのインターネット化)に端を発したデジタルデバイス、例えばスマートホンをビジネスに活用していく現状を鑑みるにその役割は大きくなっていく。
地方や首都圏においてもセキュリティ人材は不足し続けている側面があるからこそ多くの企業が今後必要とする人材となるのは明白だ。
そうした現状の中でインシデントハンドラーが全うすべき役割は、企業のセキュリティを守る事とインシデント発生時に適切な対処をする事ができるようにする事だと言える。
必要なスキルとは?
前述のようにインシデントハンドラーに必要となるスキルは想像以上に高度であり、Webネットワークや情報セキュリティに関する多岐に渡る専門知識と豊富な経験のあるセキュリティ人材だ。
そしてそれは情報システムやWebサービスにおける突発的に生じるインシデントに対処する為であり、主に次の2つのインシデントに分類する事が可能となる。
- 既知のインシデント
- 未知のインシデント
前提としてインシデントハンドラーは一度起きたインシデントを再度起きないようにしておく必要があり、反対に未知のインシデントに関しても可能な限り生じないようにしておく必要がある。
こう考えていくと、インシデントが生じないようにしておく環境作りをしておく必要がある事も合わせて考えられ、起こるだろう様々なインシデントに対応するだけのスキルが求められる。
そしてセキュリティに関する問題が生じた時に、すぐさま事故対応する事が出来るだけの豊富な経験を持ち合わせている必要性も十分にある。
今後の活躍の場は?
新規に情報システムやWebサービスを運用しようとしている企業や、今後よりセキュア(安全)にシステムの保守・運用をしたいと考えている企業は是非ともいて欲しい存在となる。
なにより、多くの企業のセキュリティ担当者が気にしているだろうセキュリティの強化をしたいと考えている企業においても必須のセキュリティ人材となり得るだろう。
特に、事前にセキュリティに対する適切な防御策を入念に考えていたとしても、悪意のあるサイバー攻撃がいつ起こるのかは検討もつかない事であり、完璧な防御策を準備したとしても、それらは技術の進歩によって簡単に突破されてしまう恐れも十分にあり得る。
そうした起こりうるだろう問題が生じたとしても、その時点で適切に対処する事ができる存在であるインシデントハンドラーが存在していれば、安心してビジネスに注力する事が出来るはずだ。
多くの企業において、今後当たり前に必要だと思われる高度なセキュリティ人材がインシデントハンドラーだと認識しておくと良い。
そして、今後当たり前のようにデジタルデバイスを通じたビジネス運用が増加し続けるからこそ、セキュリティ担当者は今後こうしたセキュリティに関する専門家がいるという事を次事前に認識しているだけでも心強くなるはずだ。
まとめ
インシデントハンドラーとはインシデント時に即座に対応し、システム・ネットワーク運用者および管理者と連携しながら、生じてしまった問題を解決するための対策を行いながら、安全に問題を解決する存在となる。
インシデントとは企業においては当たり前のように生じてしまう問題であり、それらに対する適切な対処を行う事ができる対策を立てること役割を果たすインシデントハンドラーは極めて重要な存在だと言える。
今後当たり前のようにビジネスにおける情報システムの活用や運用が重要となるからこそこうしたセキュリティ人材がいるという認識をしておくだけも意味があるだろう。