
Windows10には「スタートアップ修復」という機能があり、Windows10を正常に起動できない際に、原因となるトラブルを自動で修復しようとします。
しかし、「スタートアップ修復ではこのコンピューターを自動的に修復できません」「自動修復でPCを修復できませんでした」と表示されたり、スタートアップ修復がいつまで経っても終わらないという場合は、パソコンに深刻なトラブルが起きていることが疑われます。
そこで今回は、スタートアップ修復が失敗する原因と、その対処法について紹介していきます。
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スタートアップ修復(自動修復)とは
スタートアップ修復とは、Windowsが正常に起動できない際に、自動で修復を行う機能です。また、「システム回復オプション」から任意で実行することも可能です。
スタートアップ修復(自動修復)で出来ること
スタートアップ修復と似た機能に「セーフモード」が存在します。「セーフモード」では最小限のシステムだけで起動することで、PCに起きている障害を特定することが出来ます。
スタートアップ修復は、「セーフモード」すら起動ができない部分の修復を行います。具体的に、「MBR(マスターブートレコード)」や「起動時に必要なシステムファイル」が修復対象となります。
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スタートアップ修復(自動修復)の注意点
スタートアップ修復にはいくつか注意点があります。
- 時間がかかる
- 進行具合を把握できない
- 修復できない場合がある
- PCへ大きな負担がかかる
時間がかかる
スタートアップ修復は、決められた確認と修復を自動で行うため、非常に長い時間を要する場合があります。
しかし、スタートアップ修復を始めた場合、必ず終了するまで待ってください。後述する、進行状況を把握できないことが理由で、スタートアップ修復を中断した場合はその後のデータ復旧が困難になります。状況によっては何時間もかかることもあるため、時間や業務に余裕のある際に行ってください。
進行具合を把握できない
スタートアップ修復が完了した場合、スタートアップ修復が何を確認・修復したかを確認することが出来ます。しかし、スタートアップ修復が途中で中止された場合、途中まで何を行っていたかを確認することが出来ません。
「確認だけ行ったのか」「何か変更を行ったのか」が分からないため、前述したようにその後のデータ復旧が困難となります。
修復できない場合がある
自動修復は、健全なプログラムやデータにまで変更を加えてしまう場合があります。そのため、スタートアップ修復は健全なデータへの上書きを防止するために、明らかな障害がある場合にのみ修復を行います。
スタートアップ修復が終了した際に、何をどのように修復したのかを確認できるため、確認して下さい。「スタートアップ修復=PCの完全復旧ではない」ことを注意しましょう。
PCへ大きな負担がかかる
スタートアップ修復は、あらゆる箇所のチェックを行うため、PCや内部の記憶媒体(HDD/SSD)への負担が大きいです。
スタートアップ修復を行うことで、状態が悪化してしまう場合もあります。不安な方は、一度データ復旧の専門業者へ相談してください。
スタートアップ修復(自動修復)が表示される原因
スタートアップ修復は、パソコン(PC)が2回続けて正常に起動しなかった時に表示されます。
スタートアップ修復が表示される、もしくは失敗する原因は大きく分けて以下の2つです。ただし、スタートアップ修復で対応できるものは「ソフトウェアに起因するトラブル」のうち軽度症状のみです。ハードウェアのトラブルに対応することはできません。
ソフトウェアに起因するトラブル
ソフトウェアに起因するトラブルとして、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
- ブートセクタ(MBR)の不具合
- システムファイルの破損
- 互換性のないソフトウェアとの衝突
- ドライバの不具合
ブートセクタ(MBR)の不具合
ブートセクタとは、起動に必要なプログラムのことで、不具合が発生することによって以下のようなエラーメッセージが表示される可能性があります。
- Bootmgr is missing
- Error loading operating system
- Operating System not found
- Reboot and Select proper Boot device or Insert Boot Media in selected Boot device and press a key
エラーメッセージによって対処法は異なるため、修復作業を行う際には注意が必要です。正常に動作していないスタートアップ修復が表示される原因になる可能性があります。
システムファイルの破損
システムファイルが破損してしまった場合には、以下のような症状が発生することがあります。
- 「PCで問題が発生したため、再起動する必要があります」というエラーメッセージが表示される
- ブルースクリーンが表示される
- 動作が遅い、応答しない、フリーズする
Windowsの更新プログラムなど、ソフトウェアのインストールによってシステムファイルが破損した場合には正常に動作しなくなることが考えられます。
互換性のないソフトウェアとの衝突
「互換性のないソフトウェアが見つかりました」とエラーメッセージが表示された場合には、インストールされているソフトウェアの中で、PCの機能を妨げているものを発見した証拠です。
このエラーメッセージが原因でスタートアップ修復が表示されることがありますが、スタートアップ修復では互換性を修復することはできません。ソフトウェアを削除することを考慮してみてください。
ドライバの不具合
インストール済みのドライバが壊れてしまった場合に、スタートアップ修復の表示がされる可能性があります。これはプログラムが正常に機能せずに、PCに動作エラーが出てしまっている状態です。スタートアップ修復を実行すると、問題を引き起こしている可能性のあるドライバを自動で修復します。
しかし、Windowsの起動に関してのエラーを修復できますが、起動後のエラーの修復などは行われません。修復されない場合には「回復ドライブ」を用いて設定に加えた変更を初期状態に戻すことで正常に機能する可能性があります。
ハードウェアに起因するトラブル
ハードウェアに起因するトラブルは、個人では復旧がほとんど不可能な難易度の高いトラブルです。修復作業や電源の切り替えなどを繰り返すことによって機器の部品やデータ自体が悪化する恐れがあります。
ハードウェアには以下のようなトラブルがあります。
- メモリの不具合
- ハードディスクの破損
- パーツの経年劣化
- マザーボードや基盤のトラブル
ハードウェアのトラブルは個人作業での修復は不可能です。さらに、スタートアップ修復を含む修復作業や再起動などの動作を行えば行うほど、ハードウェアの部品に負荷がかかり、状態が悪化してしまう恐れがあります。
スタートアップ修復を促すメッセージには従わず、なるべくそのままの状態で保存しているデータを復旧するようにしましょう。
スタートアップ修復(自動修復)が失敗する際の対処法
スタートアップ修復が失敗する際は以下の方法を試して下さい。
- セーフモードで起動する
- システム復元を試す
- Windowsのバージョンを元に戻す
- パソコンを初期化する
- 専門業者へ相談する
セーフモードで起動する
「セーフモード」は以下の手順で起動します。
- 自動修復失敗後の「自動修復でPCを修復できませんでした」の画面で「詳細オプション」をクリック
- 「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「その他の修復オプションを表示」→「スタートアップ設定」→再起動
- 「スタートアップ設定」→「4)セーフモードを有効にする」または「5)セーフモードとネットワークを有効にする」を選択する
セーフモードでパソコンが起動できる場合
セーフモードでパソコンが起動できる場合は、ハードウェアの異常ではなく、Windowsやソフトウェアのトラブルが考えられます。
セーフモードで無事起動できた際は「正常に起動できない要因」を排除するため以下の対処を行いましょう。
- システムファイルのスキャンを行う
- 直近でインストールした怪しいソフトウェアはアンインストールする
セーフモードで起動できない場合
セーフモードで起動できない場合は、ハードウェアやWindowsのファイルシステムなどに深刻なトラブルが起きている可能性が考えられ、データ救出も難しい傾向にあります。
もし、後者の状況で起動・再起動を繰り返したり、やみくもに復旧作業を進めたりすると障害が悪化し、作業過程でデータを失ってしまう恐れもあります。
大切なデータを失いたくない場合は、まず通電を避けて保管し、障害のあるハードディスク/SSDなどの記憶媒体から正確にデータを取り出せる「データ復旧の専門業者」に相談・復旧依頼を行うことを推奨します。
システム復元を試す
「システムの復元」とは、パソコンのシステムを以前保存した復元ポイントにまで戻す仕組みです。なお、これはシステムの変更がWindows10の起動を妨げているときに有効となる手段で、残されたファイルやデータなどは消失するわけではありません。
「システム復元」を呼び出す際は、上記1-2の「トラブルシューティング」から「詳細オプション」に入り「システムの復元」をクリックしてください。
Windowsのバージョンを元に戻す
Windows10のアップデート以降、正常に起動しないトラブルが発生した場合は、Windowsのバージョンを戻すことで解決できる可能性があります。
再起動を繰り返すと、機器自体にも保存しているデータにも負荷がかかってしまい、最悪の場合にデータが取り出せなくなってしまうかもしれません。確実にデータを取り出したい方は、修復できない場合に作業を繰り返さず、データ復旧業者に依頼することも一つの手段です。
Windowsのバージョンを元に戻す手順
- 「詳細オプション」、「トラブルシューティング」、「詳細オプション」の順で選択する
- 「以前のビルドに戻す」を選択する
- 「以前のバージョンに戻す理由をお聞かせください」と表示されるたら該当する項目を選び、「次へ」を選択する
- 「知っておくべきこと」画面が表示されたら、内容を確認して「次へ」を選択する
- 「ロックアウトされないようにご注意ください」と表示されたら「次へ」を選択する
- 復元処理が開始され、処理が完了するとPCが再起動します
パソコンを初期化する
この方法ではデータ復旧を行うことは出来ません。バックアップを取っており「パソコンを通常どおりに動かしたい時」もしくは「初期化させても問題がない時」のみに取るべき最終手段といえます。
パソコンを初期化するには自動修復の失敗画面から「詳細オプション」に入り「このPCを初期状態に戻す」をクリックしてください。
専門業者へ相談する
これまでに紹介した方法で解決しなかった場合、自力での作業は諦め、以下のような専門業者に相談してください。
ここで、注意していただきたいのが、専門業者によってその目的が違うことです。誤った専門業者に相談してしまうと、データを二度と取り出せなくなるので、十分注意してください。
- 機器修理専門業者
- データ復旧専門業者
機器修理専門業者
使用しているパソコンの「動作」を復旧したい場合、機器修理専門業者に相談してください。
使用しているパソコンを使えるよう修理をしますが、パソコンに保存されているデータは破棄されてしまうことが多いです。「データ」の復旧を希望する際は次のデータ復旧専門業者を利用しましょう。
データ復旧専門業者
使用しているパソコンに保存されている「データ」を復旧したい場合、データ復旧専門業者に相談してください。
使用しているパソコン自体が使えるようにはなりませんが、パソコンに保存されているデータを使えるようにします。データ復旧専門業者の中には、無料で相談から見積もりまで行っている業者も存在するので、まずは、相談してください。
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まとめ
ここまでWindows10の「スタートアップ修復」に失敗する原因や、その対処法などを紹介してきました。
スタートアップ修復は失敗を繰り返すと、ストレージの寿命を縮め、データ消失やクラッシュの原因となる恐れがあります。パソコンを壊したり、大切なデータを失ったりしないためにも、正しい知識と対処法をあらかじめ身に着けておくことが何より重要となります。
また、いざという時のためにデータのバックアップはこまめにとるようにしておきましょう。