
パソコンの作業中に、画面が急に固まってしまう状態を「フリーズ」といいます。パソコンがフリーズを起こした時、しばしば電源ボタンを長押しする「強制シャットダウン」を繰り返しがちですが、これはパソコンにかける負荷も大きく、最悪の場合データが消えてしまう可能性もあります。
そこで、今回はWindows 10搭載のパソコンがフリーズしてしまった際の適切な対処法や注意点などを徹底解説していきます。
この記事の目次
Windows10がフリーズする症状
Windoes10がフリーズする際の症状として以下のようなものが挙げられます。
- 特定のアプリケーションのみがフリーズする
- 起動時のWindows10サービスのフリーズする
- システムのフリーズ(軽症の場合)する
- システムのフリーズ(重症の場合)する
特定のアプリケーションのみがフリーズする
多くのアプリケーションは通常通り起動できるが、特定のアプリケーションのみフリーズしてしまい、正常に起動できない現象です。
特定のアプリケーションがフリーズする時には特定のアプリケーションだけが高い優先度でCPUを独占した場合に発生します。
また、アプリケーション同士でメモリや出力装置を競合しあうことによって発生する可能性があります。
起動時にWindows10サービスがフリーズする
アプリケーションは正常に起動するが、スタートメニューやデスクトップの画面でフリーズしてしまい操作ができなくなる症状です。
Windowsでサインインして最初に表示されるアプリケーションを「シェル」と呼びます。
シェルがフリーズしてしまうと、デスクトップやスタートアップメニューが正常に起動しないため、ファイルが開けなくなるなどの症状が発生します。
システムがフリーズ(軽症の場合)する
マウスカーソルは動いているものの、すべてのアプリケーションがフリーズしてしまっているという症状があります。
子の症状が発生すると、スタートメニューやタスクバーが反応しない場合があります。
システムがフリーズ(重症の場合)する
Windows 10のすべての動作がフリーズしてしまうような重症の症状が発生してしまう可能性があります。
動作が不可能であるため、強制終了してしまいがちですが、HDDに障害が発生している場合には症状を悪化させる可能性があります。
Windows 10でフリーズする原因
Windows 10でフリーズする原因としては「ハードウェア」か「ソフトウェア」のどちらかに問題が起きていることが疑われます。
どちらかの問題について特定するためには、Windows 10に標準搭載されている診断用の「セーフモード」を使用することで、おおよその検討を付けることが出来ます。たとえば「セーフモード」でも「フリーズを起こした場合」は「ハードウェア」に、一方で「フリーズを起こさなかった場合」は「ソフトウェア」に問題がある可能性が高くなります。
ちなみに、コマンド入力でセーフモードを呼び出す際には以下の手順を踏んでください。
- 【Win】+【R】キーから[ファイル名を指定して実行]のダイアログを開く。
- [shutdown /r /o /t 0]と入力する→「再起動」
- 「オプションの選択」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「その他の修復オプションを表示」→「スタートアップ設定」→「再起動」
- 「スタートアップ設定」の画面から「4)セーフモードを有効にする」または「5)セーフモードとネットワークを有効にする」を選択する。
ハードウェアに問題が発生している場合
これは「ハードディスクの破損」「経年劣化」「熱暴走」「メモリ不足」などが原因で、たとえば、特定のアプリの操作に関係なく、フリーズが頻繁に起こる場合は、こちらを疑う必要があります。なお、このような状況でパソコンを使い続けるとハードディスクがクラッシュを起こし、保存されたデータが消失してしまう恐れがあります。
この場合、作業や通電を続けたり、個人で問題を対処しようとするのは避けてください。状態が悪化する恐れがあるため、データの要不要に応じて専門業者に依頼するようにしましょう。
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ソフトウェアに問題が発生している場合
これはパソコンのスペック不足などが原因でソフトウェアの動作に遅延が生じた状態です。たとえばソフトウェアがフリーズを起こす具体的条件としては下記の例が挙げられます。
- いくつものタブを開いている
- メモリを大量に使用するアプリケーション(動画編集ソフトなど)を使用する
- 数万行もあるExcelデータを開く
- Windowsのアップグレードに不具合がある
- 『○○○は応答していません』というエラーメッセージが表示される
いずれも特定のアプリケーションを使用中に起こりやすいとされています。
ハードウェアに問題が発生している場合の対処法
ハードウェアに問題が発生しているときは、以下の2パターンに分けて対処しましょう。
- パソコン(PC)に問題が発生している場合
- ハードディスク(HDD)に問題が発生している場合
パソコン(PC)に問題が発生している場合
パソコン側に問題が発生している場合は「パソコンのメモリが不足しています」と表示されるケースが多いです。
「パソコンのメモリが不足しています」と表示される
これは文字通り、パソコンのメモリが不足しているときに表示されます。たとえばメモリが不足している時に「複数のアプリケーションを同時に起動」したり、あるいは「プリンターやスキャナーなど周辺機器を接続」したりすると、フリーズを起こす可能性が高まります。
対処法としては「仮想メモリ」を正しく設定するか「物理メモリ」を増設して、アプリや周辺機器の「動作環境」を満たすことが推奨されます。
仮想メモリを正しく設定する手順
- スタートボタンを右クリックし、システムを選択する
- システム情報を選択しシステム詳細設定を選択する
- 設定から詳細設定のタブを選択し、変更する
物理メモリを増設する手順
- タスクマネージャーで物理増設が可能かを確認する
- PCを開いて物理的にメモリースロットを確認する
- 同じメモリークロックを準備する
- マザーボードにメモリーを差し込む
ハードディスク(HDD)に問題が発生している場合
これはPC内のハードディスクに物理的な問題が生じている状態です。主な原因としては「経年劣化」や「物理的衝撃」などが挙げられます。
症状としては、たとえば頻繁にフリーズを繰り返したり、カチカチ・カタカタと異音がするなど、明確な異常が見受けられることが多くあります。また、さらに症状が進行すると、パソコンが正常に起動・動作しなくなり、データが取り出せなくなってしまう恐れがあります。
このようなハードウェアの障害は「物理障害」と呼ばれており、復旧難易度も高いため、個人で修復することは基本的に出来ません(つまり個人で対処出来る抜本的な解決策はありません)。予防策としては「常日頃からバックアップを取っておくこと」が大切です。
もしフリーズを起こして正常に起動しなくなったパソコンから「データ復旧」を希望される方はデータ復旧会社に相談し、データ不要で「パソコン修理」を希望される方は、パソコン修理業者やパソコンの買い替えなどを検討してください。
軽症のシステムがフリーズしている場合
軽傷のシステムフリーズの場合には、マウスカーソルが動作するため、タスクマネージャーを利用して原因となっているアプリケーションを停止させます。
しかし、多くの場合には原因となっているアプリケーションが特定できないため、サインアウトして正常に起動するかどうかを確認します。
サインアウトしても問題が解決しない場合には症状が重症である可能性が高くなります。
重症のシステムがフリーズしている場合
重症の場合にはすべての動作が完全にフリーズしてしまっているため、操作によって対処を行うことができず、最終手段として強制終了することになります。
しかし、強制終了はHDDなどの記憶媒体に大きな負荷を与える動作ですので、障害が発生している場合には症状が悪化してしまう可能性があります。
一度強制終了して復旧できない場合にはなるべくそのままの状態で、データ復旧業者に依頼することをおすすめします。
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ソフトウェアに問題が発生している場合の対処法
ソフトウェアに問題が発生している場合には以下の問題が考えられます。
Windows(OS)の問題
Windows(OS)に問題が発生している場合には以下の対処をする必要があります。
Windows 10をアップグレードしたあとフリーズが頻発する場合
これは、Windows 10のアップグレードによってドライバが不具合を起こしていることなどが考えられます。
なおMicrosoftは、過去の大型アップデートで、Windows 10がフリーズを起こす可能性を実際に認めており、もしアップデートで問題が発生した場合は、新しいバージョンをアンインストールすることが推奨されます(詳細についてはMicrosoftの公式プレスリリースなどを確認してください)。
起動時のWindows 10サービスがフリーズしている場合
パソコンの起動時に、自動で動作するWindows 10のサービスは、スペックの低いパソコンの場合、負荷がかかることがあり、起動後にフリーズを起こすことがあります。
最近のWindows ではシェルのフリーズを探知し、自動で再起動を行います。自動で探知できない場合の対処法としては、タスクマネージャーからサービス管理ツールを選択し、Windows 10サービスの自動起動を停止するなどして、起動時の負荷を取り除くことが挙げられます。
タスクマネージャーでの再起動手順
- タスクマネージャーを起動し、「詳細」を選択して詳細表示モードに変更する。
- 「詳細タブ」を選択する
- 「explorer.exe」を選択し、右クリックでタスクの終了を選択する
- 確認のダイアログボックスで「プロセスの終了」を選択する
再起動は簡単にできる対処法ですが、HDDなどの記憶媒体に障害が発生している場合には大きな負荷を与える動作ですので、一度限りに控えるようにしましょう。
アプリケーションの問題
アプリケーションに問題が発生している場合には以下のような場合があるため、症状に合わせた対処が必要になります。
アプリケーションがフリーズしている場合
アプリケーションの動作に遅延が生じている場合は、しばらく待機して、それでも解消されない場合はタスクマネージャーからアプリケーションを強制終了するか再起動します。
強制終了の手順
- 【Ctrl】+【Alt】+【Del】から設定画面を開いてタスクマネージャーを起動する
- 強制終了したいアプリケーションを右クリックし、タスクの終了を選択する
ちなみに、動作環境を満たしておきながら、特定のアプリでフリーズを繰り返す際は、特定のアプリが「バグ」を起こしていたり「古いバージョン」を使用しているシチュエーションが考えられるため、最新バージョンのアプリを再インストールすることをおすすめします。
Windows10でのフリーズを対処する際の注意点
フリーズ時の注意点を紹介します。
- 個人で対処することのリスク
- 「パソコン修理」と「データ復旧」の違い
個人で対処することのリスク
フリーズが発生する要因は、ご利用のパソコン環境によって様々ですが、フリーズが一瞬で解消するような場合は、そこまで深刻な問題が生じているわけではありません。
しかし「応答なし」と頻繁に表示され、フリーズを繰り返す、いつまでもアクセスランプが消灯しないなど、明らかな異常が疑われる場合は、HDDに深刻な障害が発生している恐れがあります。このような場合、上記で紹介してきた対処法や強制シャットダウンを試すと、障害が悪化する危険性があり、データ消失やクラッシュなど、多かれ少なかれリスクも必ず伴います。
ちなみにHDDの障害原因は自己判断で特定できるものではなく、障害が併発している恐れもあるため、まずは無料の初期診断を受けるのをおすすめします。
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「パソコン修理」と「データ復旧」の違い
パソコンがフリーズを繰り返し、「大事なデータを取り出せなくなった」とお困りの方は、メーカーなどに修理依頼を出すのは避けてください。なぜなら、修理時に内蔵ハードディスクやSSDが交換されると、保存されていたデータは完全に消滅してしまうからです。以下のような手順で相談先を検討しましょう。
もし、フリーズして動作しなくなったパソコンからデータを取り出したい方は、データ復旧業者をお選びいただき、データ不要でパソコンの動作自体を改善したいという方は、メーカーや修理業者にご相談してください。
おすすめデータ復旧サービス・製品
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まとめ
ここまでwindows 10のフリーズ原因や、その対処法などを紹介してきました。
フリーズ現象は、パソコンを使用する人が一度は経験する最もごくありふれたエラーですが、正しい対処法に関しては、あまり知られていません。
また、フリーズした際にやりがちな「強制シャットダウン」は、ハードディスクの寿命を縮め、データ消失やクラッシュの原因となる恐れがあります(なお「強制シャットダウン」は最終手段であり、自己責任の上で実行してください)。つまり、実際にエラーに遭遇した時のために、正しい知識と対処法をあらかじめ身に着けておくことが何より大切になります。また、いざという時のためにデータのバックアップはこまめにとるようにしておきましょう。
Windows 10がフリーズした場合の対処法について、記事内で紹介したデジタルデータリカバリー公式サイトでもさらに詳しく紹介されています。