セキュアプリント(印刷セキュリティ)とは?その仕組みやメリットについて徹底解説

企業からの情報漏洩の報道が後を絶ちません。コンピュータで管理されている情報はインターネットなどのネットワークやサーバーからだけでなく、印刷された紙媒体から漏洩する可能性があります。そのようなリスクを回避するための手段の一つが印刷セキュリティ(セキュアプリントサービス)です。今回は印刷セキュリティの概要と導入のメリットについて詳しく紹介します。

セキュアプリントとは

セキュアプリントとは印刷機に設けられたセキュリティ機能を活用して、印刷時に発生するリスクを回避するための仕組みのことです。

社内で取り扱う情報のほとんどがコンピュータで管理されているデジタルデータです。それらの情報は電子メールやUSBメモリなど様々な手段で業務の遂行に扱われています。特にWordやExcelなどの文書ファイルはデジタルデータから印刷されることで、書類という形で使われることがあります。

印刷された書類は適切な方法で管理されるとも限らず、悪意のある第三者が不正に持ち出したり、社内の従業員が故意に外部に流出させたりすることも考えられます。

このような事態を防ぐために、セキュアプリントを導入することで、印刷物への不正なアクセスや改ざん、さらに外部への持ち出しなどのリスクを回避できます。

印刷時のセキュリティリスク

コンピュータからの文書を印刷する時には以下の3つのリスクが発生する可能性があります。

情報漏洩(外部・内部)

日本ネットワークセキュリティ協会が公開している「2018年情報セキュリティインシデントに関する調査結果~個人情報漏えい編~ (速報版)」によると、個人情報の媒体・経路別の漏えい件数のトップは132件・29.8%で「紙媒体」でした。インターネット経由からの上方漏えいは118件・26.6%で第2位です。つまり複製や改ざんが容易なデジタルデータではなく、印刷された紙媒体からの情報漏えいの件数の方が上回っています。

例えば、管理職は他の従業員の目に触れてはいけない印刷物を管理することがありますが、それをデスクの上に置きっぱなしにすることで、他の従業員に内容を読み取られてしまったり、社外へ持ち出されてしまったりすることがあります。またコンピュータと印刷機の間のネットワーク回線を盗聴されることで、印刷物のデータが盗み取られることもあります。

人為ミス

印刷機の設定ミスや操作ミスなどの人為ミスによって、セキュリティ上のリスクが発生する可能性があります。例えば印刷した紙媒体を取り忘れることで、本来、手にわたってはいけない従業員により不正に持ち出しされたり、設定ミスにより印刷してはいけないデジタルデータが印刷されてしまったりすることもあります。

印刷データが改ざんされる

悪意のある者がネットワーク上に流れる印刷データに不正アクセスして、中身を改ざんする可能性があります。印刷時には改ざんされたデータが印刷されてしまい、印刷された文書の内容が不適切なものとなってしまいます。

セキュアプリントの仕組み

セキュアプリントの機能を持つ印刷機は多くのメーカーが様々な種類のものを販売しています。機能も製品によって様々ですが、多く印刷機で搭載されている共通の仕組みについて紹介します。

印刷ログを記録する仕組み

誰が・いつ・何を印刷したのか印刷機にログを記録する機能です。

印刷に認証を必要とする仕組み

コンピュータから印刷を指示する時に、認証を要求する機能です。パスワードによる認証だけでなく、物理的なICカードを利用した認証に対応した印刷機もあります。

印刷物に透かしなどを強制挿入する仕組み

印刷時に、文書のヘッダやフッタに透かしを強制挿入する機能です。透かしが印刷されていることで、セキュリティ意識を向上させ、不正な持ち出しを心理的に抑止する効果も望めます。

セキュアプリントのメリット

セキュアプリントには以下の4つのメリットがあります。

印刷ネットワーク上の情報を盗聴される可能性を低減

業務用のパソコンからプリンターへ送信されるデータは印刷ネットワーク(社内LAN)を通じて送信されます。そのため、ネットワーク回線を監視することで、印刷データが盗聴される可能性があります。セキュアプリントの導入によりネットワーク回線や印刷データを暗号化することができ、印刷ネットワーク上の情報が盗聴される可能性を低減できます。

特定の者だけが印刷できる権限管理で、不要な印刷を避けられる

特定の者だけに印刷権限を与えることで、不要な印刷や不適切な印刷を避ける効果が期待できます。例えば印刷時に認証を要求することで、印刷できる社員を制限し、情報漏えいのリスクを低減できます。

機密情報を含む書類の社外に流出するリスクを抑制できる

社外秘を含めた機密情報を含む書類は、社外だけでなく社内で流出することでもセキュリティ上のリスクにつながります。セキュアプリントを導入することで、権限を持たない社員が機密文書を印刷してしまうリスクを防ぎ、情報が社外で流出するリスクを抑制できます。

不正な文書複製を防止できる

セキュアプリントには不正コピーガード機能を持つものがあります。これにより不正な文書複製を防止できたり、原本とコピーの区別が明確にできたりするようになります。これにより機密文書や個人情報が不正に拡散することを防げます。

一般的な複合機での設定方法

セキュアプリントは特別な印刷機だけでなく、一般的な複合機でも設定できるものがあります。設定方法としては、複合機についているタッチパネルを操作して設定する方法と、パソコンにインストールされた複合機の管理ソフト上で設定する方法の2つがあります。

セキュアプリントは通常の印刷機能とは異なるため、マニュアルやインターネット上の設定をよく理解した上で適切に設定することが重要です。

セキュアプリントの注意点

セキュアプリントを導入するということは、印刷する頻度が高い環境であると考えられます。そのためあまりにもセキュリティを強化しすぎることで、印刷時の利便性を損なう可能性があります。

また、セキュアプリントの導入により、デジタルデータとしての印刷ログは記録されますが、印刷後に誰がどの文書を持ち出したのかという点についてはログを残すことができません。複数の社員が同時に印刷を指示したことで、印刷物が混入して、悪意が無く不適切な文書が持ち出されてしまうこともあります。

またログは記録するだけでは意味がありません。定期的にログをチェックして、不適切な印刷が行われていなかったか確認することが必要です。

セキュアプリントのコスト面でも注意が必要です。自社における印刷環境や印刷量を事前に把握しておき、適切な印刷セキュリティ機能を持つ印刷機を導入することで、コストを押させることができます。

セキュアプリントの導入時には、利用者への理解と協力も必要です。どのような行為がセキュリティ上のリスクがあるのか、不用意な印刷は避ける、印刷後に文書を放置しないなどの、従業員に対するセキュリティリスクを啓蒙することで、より効果的にセキュアプリント導入の効果が得られるでしょう。

まとめ

機密情報や個人情報の漏えいは様々な理由で発生しますが、セキュアプリントの導入は紙媒体からの漏えいに効果を発揮するセキュリティ対策です。印刷時のセキュリティリスクの項目でも紹介したように、情報漏えいの原因のトップは紙媒体からの流出です。

セキュアプリントに特化した印刷機もありますが、一般的な複合機でも簡単なセキュアプリント機能を搭載しているものが数多くあります。もし印刷時のセキュリティ対策の導入を検討しているのであれば、まずは既存の印刷機の機能を確認して、必要なセキュアプリント機能が搭載されているかチェックすることから始めると良いでしょう。

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