どう選ぶ?10種類のセキュアブラウザを機能や価格で比較|サイバーセキュリティ.com

どう選ぶ?10種類のセキュアブラウザを機能や価格で比較



テレワークの増加などを背景に、モバイルデバイスから社内ネットワークへ安全にアクセスする方法の一つとして、セキュアブラウザを採用する企業も増えています。

セキュリティ機能に特化し、インターネットの脅威から身を守ることを目的とした、Webブラウザ「セキュアブラウザ」を、機能や価格から比較しました。

市場でシェアを伸ばしているブラウザは?

statcounterが発表した「Browser Market Share Japan」によると、2021年6月度における、Webブラウザのマーケットシェアは次のとおりです。

ブラウザ シェア
Chrome 45.33%
Safari 36.71%
Edge 8.19%
IE 2.3%
Firefox 3.29%
Samsung Internet 1.21%
Edge Legacy 0.25%
Android 0.62%
Opera 0.53%
その他 1.56%

セキュアブラウザは、このグラフでは“その他”に分類され、ブラウザ全体では、まだまだ一般的ではないと言えます。

ただ、ビジネス用途のWebブラウザというと状況が違うようです。次にそもそもセキュアブラウザとはどのようなブラウザなのか、説明します。

セキュアブラウザとは?

紹介した市場シェアのトップ10にランクインしているブラウザは、PCやデバイスにプリインストールされていたり、初期設定に設定されていることも多く、多くの一般ユーザに馴染みのあるブラウザが大半です。

一方、セキュリティ面に視点を移すと、トップ10にランクインしていることと、セキュリティ面で強いこととは別の問題と言えます。

そこで、業務中に使用するブラウザとして、セキュリティの機能に特化したブラウザ「セキュアブラウザ」を導入する企業や組織も増えています。

セキュアブラウザとは、数々のセキュリティ機能を備え、インターネットの脅威から身を守ることに特化したブラウザです。

セキュアブラウザは、一般的なWebブラウザと同等の基本機能を持ちながら、不正アクセスや情報漏えいを防止するための機能が加えられています。

セキュアブラウザのメリットと必要性

セキュアブラウザを利用すると、次のようなことが実現します。

利用アプリケーションを制限できる

セキュアブラウザは、利用を許可するアプリケーションを制限できるため、従業員が独断で不審なアプリケーションを利用することを防げます。

端末紛失による情報流出を防ぐ

セキュアブラウザで、社外へ持ち出す端末へのデータ保存を制限すれば、端末を紛失したとしても、内部の情報は流出を避けられます。

データ管理を支援する

セキュアブラウザで、特定のアプリケーションのみを利用するように制限をかけることで、不必要なデータアクセスを抑制し、管理者によるデータ管理を効率化します。

セキュアブラウザ製品を選ぶ際の注意点

セキュアブラウザは選び方によって業務効率までも左右します。セキュアブラウザを比較するときはどのような点に注目すべきでしょうか。

アプリケーションへの対応

いくら高機能なセキュアブラウザだとしても、自社で使用したいアプリケーションが動作しないのでは意味がありません。

導入検討時に動作範囲を確認し、自社の業務が滞りなく実行できるブラウザを選択します。

機能

端末から閲覧情報を削除してデータを残さないと言っても、情報の削除タイミングは、セキュアブラウザにより異なります。

ユーザが端末の使用を止めたと同時に削除する製品もあれば、管理者が削除タイミングを設定できる製品もあり、仕様は様々です。

導入・運用価格

セキュアブラウザの価格設定は、「1ライセンスあたり月額○円~」や「100ライセンスで年額○円+初期設定費用」など、製品により異なります。

価格について検討する場合は、運用にかかるコストだけではなく、初期費用についても確認しながら検討します。

主なセキュアブラウザの種類・比較

セキュアブラウザと言っても、企業での業務に向いた製品と、セキュリティに対する意識が高い個人を対象とした製品とがあります。ここでは企業向け・個人向け問わず、セキュリティ機能を重視したブラウザを比較しながら紹介します。

Brave

引用Brave

Windows、macOS、Linux、iOS、Android版を揃えながらも無料というBrave(ブレイブ)のビジネスモデルは、非常に特徴的です。
Brave(ブレイブ)のコンセプトは「プライバシーファースト」。
広告ブロック機能が標準装備されています。
Braveは広告をブロックすると、そこに別の広告を挿入し、挿入した広告からの収益をWebサイト・Brave・広告代理店・ユーザの4者に分配します。
また、広告をブロックすることで高速化させ、Chromeの3倍、ブラウジングが速くなるとしています。

開発元Brave Software
対応OS: Windows、macOS、Linux、iOS、Android版
価格:無料

Tor Browser

引用Tor Browser

Tor Browserは、高度な匿名性を提供し、プライバシーを保護するWebブラウザです。Tor BrowserでWebサイトを閲覧する場合、匿名化ネットワークTorを経由してインターネットへ接続するため、Webサイトに通知されるのはユーザのIPアドレスではなくTorの出口サーバーのIPアドレスとなります。

開発元The Tor Project
対応OS: Windows、macOS、Linux、Android版
価格:無料

アバスト セキュア ブラウザ

引用アバスト セキュア ブラウザ

チェコのセキュリティ企業「Avast(アバスト)」が無償提供するWebブラウザが、「アバスト セキュア ブラウザ」。
Webの閲覧履歴・ブックマーク・IPアドレス・位置情報など、オンライン上での行動をすべて暗号化します。
アバスト セキュア ブラウザは、高機能なセキュアブラウザで、例えば、オンラインバンキングやオンラインショッピングの際に、Windows上に分離されたデスクトップセッションを開く、仮想バンクモード機能などが搭載されています。

開発元Avast Software
対応OS: Windows・macOS・iOS・Android
価格:無料

HENNGE Secure Browser

引用HENNGE Secure Browser

企業・ビジネス向けのサービスを展開する「HENNGE(ヘンゲ)」が提供するセキュアブラウザが、「HENNGE Secure Browser」です。
HENNGE Secure Browserは、ローカルデバイスへのデータのダウンロードや保存を防止する情報保護機能、万が一、デバイスが紛失してもログインしていたアカウントのアクセス権を削除できるデバイスセキュリティ機能、Webブラウザに表示中のテキストのコピーを禁止できる漏洩防止機能などを備えています。
主に、社外のネットワークから社内ネットワークへのアクセスする際の安全確保を目的としているサービスです。

開発元HENNGE
対応OS: Windows・macOS・iOS・Android
価格:クラウドセキュリティサービス「HENNGE One」への契約 月額400円/1ユーザ~

Firefox Quantum

引用Firefox Quantum

Firefoxの最新版が「Firefox Quantum」。
Firefox Quantumはプライバシーの保護を重視したブラウザです。
Firefox Quantum自身により、ユーザのオンライン上での活動を監視することはないと明記しています。また、サードパーティトラッキングCookieをブロックして、ユーザ自身で管理できるようにします。
なお、速度に関しても従来のFirefoxと比較し。Firefox Quantumは、2倍以上の速度を実現したとしています。

開発元Mozilla
対応OS: Windows・macOS・Linux
価格:無料

DuckDuckGo

引用DuckDuckGo

「DuckDuckGo(ダック・ダック・ゴー)」は、プライバシーブラウザアプリ兼、プライベート検索エンジンです。
ブラウザはモバイル用で、iOSとAndroidで利用できます。
DuckDuckGoは、良質な検索の実現を目指し、検索することだけを提供するブラウザです。クッキー(Cookie)などのユーザの個人情報だけでなく、検索履歴も保存しません。

開発元Duck Duck Go, Inc.
対応OS: iOS・Android
価格:無料

CACHATTO

引用CACHATTO

「CACHATTO(カチャット)」は、法人向けのリモートアクセスサービスです。
端末上の情報を削除したり、社外への情報持ち出しを防ぐ機能が搭載されています。
社内と社外の通信は外向きのHTTPS通信のみを利用。
CACHATTOアクセスポイントを通過することで、業務システムに安全にアクセスするための機能が利用できます。
サービス名称の“カチャット”は、CACHATTOサーバーを社内LANに「カチャッと」設置するだけで使用可能であるところから命名されています。

開発元e-Jan Networks
対応OS: Windows・macOS・iOS・Android
価格:参考価格(10ユーザー) 初年度278,000円~/2年目以降130,800円~

Soliton SecureBrowser

引用Soliton SecureBrowser

「Soliton SecureBrowser」は、企業向けかつWebアクセスに特化したリモートアクセス製品・サービスです。
企業内ネットワークへのリモートアクセス環境の整備・クラウドアクセスのセキュリティ強化・端末からの情報漏えいの防止を実現します。
Soliton SecureBrowserの大きな特徴は、VPN機能が内蔵されている点です。別途VPNを構築する必要がありません。

開発元Soliton Systems K.K.
対応OS: Windows・macOS・iOS・Android
価格:無料

KAITO セキュアブラウザ

引用KAITOセキュアブラウザ

KAITOセキュアブラウザは、月額330円~の安価なサービスです。Webサイトを閲覧した端末からデータを消去して、情報漏えいのリスクを低減します。KAITOセキュアブラウザが、閲覧したファイルや履歴・クッキーなどを自動で削除しますが、削除タイミングはユーザが端末の使用をやめたときです。
また、データを消去するだけではなく、閲覧していたWebサイトを閉じて、サイトが開いた状態で放置されることを防ぎます。

開発元JMA Systems
対応OS: Windows・iOS・Android
価格:月額330円~

Comodo IceDragon


引用Comodo IceDragon

米国のセキュリティベンダーCOMODO社が開発したWebブラウザが、「Comodo IceDragon」。
実際にページにアクセスする前にWebページをスキャンし、悪意があるかどうかを確認できる機能「SiteInspector」を搭載しています。
また、Comodo DNSサーバーを経由してURLをIPアドレスに変換し、安全性を向上する無料オプションが利用できます。

開発元Comodo
対応OS: Windows
価格:無料

まとめ

セキュリティの強化を目的としたWebブラウザ「セキュアブラウザ」のうち代表的なサービスを、機能や価格で比較しながら紹介してきました。

プライバシーの保護を重視した製品やデバイスの紛失による情報流出防止を重視した製品など、様々な種類があります。

自社の業務を精査した上で、最適なセキュアブラウザを選択しましょう。


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