ランサムウェアや個人情報漏洩など、インターネットには様々な脅威が存在します。そのような脅威から企業を守るために、ウイルス対策ソフトの導入は必要不可欠です。この記事では大企業向けと中小企業向けの2つ観点から、おすすめのウイルス対策ソフトを比較して紹介します。
ウイルス対策ソフト大企業向け3選
大企業向けのウイルス対策ソフトを3つ紹介します。ここで紹介する3つのウイルス対策ソフトは、法人向けの中でも1000台以上のコンピュータへのインストールが可能な製品です。
ESET エンドポイントプロテクション
料金 | 3,710円~(1ライセンスあたり) |
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ライセンス数 | 最低6ライセンスから、最大3,000ライセンス以上 |
対応OS | サーバー環境:Windowsサーバー、Linux、仮想環境(VMware、CITRIX) クライアント環境:Windows、Mac |
サイトhttps://eset-info.canon-its.jp/business/endpoint_protection/
新種や亜種のマルウェアを検出するために、独自のヒューリスティック検出システムを搭載しています。
またメールに含まれているフィッシングサイトのURLについては、リストやシグネチャと照合し検査することで、アクセスを抑止できます。ファイアウォール機能により、ネットワークトラフィックを監視して、指定したフィルタリングルールに基づいた制御も可能です。ポートスキャン攻撃などの脅威もブロックします。
McAfee エンドポイントセキュリティ
料金 | お問い合わせ |
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ライセンス数 | 最低1ライセンスから、最大2,000ライセンス |
対応OS | サーバー環境:Windowsサーバー クライアント環境:Windows |
サイトhttps://www.fujitsu.com/jp/group/ssl/products/mcafee-ens/
ブラックリストベースのアンチマルウェア機能に加えて、ホスト型のファイアウォール機能も備えています。未知のウイルスに対しては、機械学習を確認した検知機能が備わっています。未知のファイルの振る舞いを42のルールで一時的にブロックすることで、被害の拡大を防止します。
Webrootビジネスエンドポイントプロテクション
料金 | 2,451円〜(1ライセンスあたり) |
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ライセンス数 | 最低5ライセンスから、上限なし |
対応OS | サーバー環境:Windowsサーバー、仮想環境(VMware、CITRIX、Hyper-V) クライアント環境:Windows、Mac |
サイトhttps://www.webroot.com/jp/ja/business/smb/endpoint-protection
メールやブラウザ、URLなど複数方向からの脅威に対してリアルタイムで保護します。最先端の機械学習の技術を活用して脅威を分析してコンピュータの保護に役立てます。また他社のウイルス対策ソフトと競合しないため、既存のウイルス対策ソフトをアンインストールすることなく導入可能です。
ウイルス対策ソフト中小企業向け3選
中小企業向けのウイルス対策ソフトを3つ紹介します。ここでは最大インストール台数が999台以下の製品について紹介します。
ウイルスバスター ビジネスセキュリティ
料金 | お問い合わせ |
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ライセンス数 | 最低5ライセンスから、最大100ライセンス |
対応OS | サーバー環境:Windowsサーバー クライアント環境:Windows、Mac |
サイトhttps://www.trendmicro.com/ja_jp/small-business/worry-free-standard.html
メールやWebサイト、ファイル共有機能などを保護し、従業員のミスにより発生する脅威を未然に防止します。URLフィルタリング機能により不適切なWebサイトへのアクセスもブロック可能です。コンピュータの動作を監視し、ランサムウェアの亜種による不正な暗号化プロセスを修了させます。ネットワークにあるエンドポイントを不正なプログラムから保護し、ボットネットやC&C通信の特定とブロックも可能です。
ノートン360プレミアム
料金 | 7,980円〜(5ライセンスあたり) |
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ライセンス数 | 最低1ライセンスから、最大5ライセンスまで |
対応OS | Windows、Mac®、Android™ デバイス、iOS デバイスを保護 |
サイトhttps://jp.norton.com/products/norton-360-premium
既知のウイルスだけでなく新しい脅威からの攻撃も含めてコンピュータを保護します。仮想プライベートネットワークであるVPNにより通信を暗号化し、パスワードや銀行口座などの情報の安全性を高めプライバシーを保護します。パスワードマネージャー機能も搭載しており、パスワードやクレジットカード番号、資格情報などをオンラインで簡単かつ安全に管理できます。
カスペルスキー スモール オフィス セキュリティ
料金 | 16,280円〜(5ライセンスあたり) |
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ライセンス数 | 最低PCライセンス+モバイル5ライセンスから、最大各10ライセンスまで |
対応OS | サーバ環境:Windowsサーバ クライアント環境:Windows、Mac |
サイトhttps://www.kaspersky.co.jp/small-business-security
小規模企業向けにデザインされたウイルス対策ソフトです。業務に集中できるように設計されており、メッセージや通知による割り込みも最小限に設定されています。従業員のミスによるランサムウェア攻撃からの保護機能や、オンライン詐欺から回避できる独自のネット決済保護機能が備わっています。
ウイルス対策ソフトを選ぶ際の注意点
ウイルス対策ソフトは様々な企業が販売しているため、どの製品を選択すれば良いのか迷うこともあります。そこでウイルス対策ソフトを選ぶ時の注意点をまとめました。
性能
ウイルス対策ソフトの性能は、ソフトを選択する時に最も重視したい点です。ウイルスの検知や駆除に加えて、メールチェック機能やネットワーク通信を監視するファイアウォール機能などがあれば、他のソフトと併用することなく導入できます。
特に未知のウイルスに対する検出率は重要です。新種のウイルスが誕生してからウイルス対策ソフトが対応するまでの間の脆弱性をゼロデイ脆弱性と言います。このゼロデイ脆弱性が存在する間に、できるだけウイルスの感染を防ぐため、多くのウイルス対策ソフトが独自の機能を搭載しています。
動作の軽さ
ウイルス対策ソフトは基本的にインストールされたコンピュータに常駐して動作します。これによりリアルタイムでウイルスの検知が可能になりますが、その分、他のアプリケーションの動作に影響が発生してしまうこともあります。
コンピュータにインストールされているウイルス対策ソフトと、別のソフトとの相性でコンピュータ全体の動作が重くなってしまうこともあります。またコンピュータの性能が低い場合も動作に影響が発生することもあります。
ウイルス対策ソフトの動作の軽さは、実際にコンピュータにインストールするまでわかりません。多くのウイルス対策ソフトは体験版が用意されているため、ライセンスを購入する前に、体験版をコンピュータにインストールして、快適に動作するか確認することをおすすめします。
未知の脅威への対応スピード
新種のウイルスは毎日のように誕生しています。ウイルス対策ソフトは新種のウイルスを検知し駆除するために、パターンファイルと呼ばれるウイルス定義ファイルを更新しています。この定義ファイルの更新はできるだけ速いほうが望ましいでしょう。
しかし最近では新種のウイルスの誕生スピードが速すぎるため、定期的なウイルス定義ファイルの更新に加えて、AIなどを駆使することで新種のウイルスへの対策を行っているソフトもあります。このような方法も含めて、新種のウイルスのような未知の脅威への対応スピードが速いウイルス対策ソフトを選ぶことも重要です。
価格・インストール台数
企業内など多数のコンピュータにウイルス対策ソフトをインストールする場合には、価格やインストール台数についても考慮が必要です。一般的に同じ製品を複数のコンピュータにインストールする場合、インストール台数の数に応じて1台当たりの価格は下がります。
また新規のインストールか更新かによっても価格は異なります。更新価格の方が新規インストールよりも価格が下がるので、できるだけ同じウイルス対策ソフトを使い続ける方が、コストは低くなります。
また同じ製品でも対応可能なインストール台数の上限が決まっているケースもあります。制限されたインストール台数以上のコンピュータにウイルス対策ソフトをインストールすると、ライセンス違反と見なされることもあるため注意が必要です。
現実的に運用可能か
ウイルス対策ソフトを購入する前に、具体的に運用可能かどうか確認しておきましょう。例えば企業内で多くのコンピュータにウイルス対策ソフトをインストールした場合、ウイルス定義ファイルの更新などの理由で、ネットワークが混雑して、通常の業務に影響が発生する可能性もあります。これは個人用のウイルス対策ソフトを同一のネットワークの複数のコンピュータにインストールした時に発生しがちです。
ウイルス対策ソフトには法人向けの製品があります。法人向けの製品にはネットワーク管理者向けの機能が含まれています。例えばウイルス定義ファイルの更新を効率的に行うための機能や、複数のコンピュータにインストールした時のライセンス管理機能などが提供されています。
ウイルス対策ソフトを導入する時には、導入後にも運用可能であるかどうか、予め確認しておくことが重要です。
まとめ
もしものサイバー攻撃や従業員のミスが原因による脅威を防ぐためにも、業務で使用している全てのコンピュータにウイルス対策ソフトを導入することは、もはや当たり前となりました。
この記事では大企業向けと中小企業向けの2つに分類して、6つのウイルス対策ソフトを紹介しました。他にも様々なウイルス対策ソフトが販売されているため、自社にふさわしいソフトを選択するのに迷ってしまうかもしれません。
そのような時は、ウイルス対策ソフトを販売しているメーカーに問い合わせをし、自社のシステムやネットワーク環境に対応しているか、予め確認しておきましょう。業務で導入する際には、複数のライセンスの契約が必要になるため、慎重に検討することをおすすめします。