コンピューターウイルスとは、インターネット上に存在する「マルウェア」の一種で、他のファイルに寄生して増殖し、ユーザーの意図に反する動作をさせるべき不正な指令を出す厄介なもの。

新しいウイルスが日々作られていると言われているので、その対策をどのようにやって良いかわからないうちは不安に思う方も多いかと思いますが、しっかりとこの記事に書かれた対策を行えば大丈夫!

この記事ではコンピューターウイルスとはどのようなものであるのか。その種類や主な感染経路、さらにはコンピューターウイルスに感染してしまった場合の対応方法、感染しないようにする対策など解説します。

コンピューターウイルスとは?

コンピューターウイルス(以下「ウイルス」)とは、PCやスマートフォンなどの記憶媒体を持つコンピューターに侵入し、内部のファイルに寄生・改変し、増殖してしまうプログラムを指しています。

マルウェアとどう違うの?

最近、ウイルスと同じようなニュアンスでマルウェアという単語が使われています。マルウェアとはウイルスやワームトロイの木馬等をまとめた用語であり、厳密に言うとマルウェア=ウイルスではありません。
ウイルスはマルウェアの1種だと理解すると、わかりやすいのではないでしょうか。

大まかにマルウェアの分類イメージとしては下記のようになります。
マルウェアの分類(ウイルス・ワーム・トロイの木馬)

マルウェアの特徴を分類すると下表のようになります。

存在方法 自己増殖
ウイルス 他のファイルに寄生 する
ワーム 単体で存在可能 する
トロイの木馬 無害ファイルになりすまし しない

ウイルスはワームやトロイの木馬と似た存在ではありますが、内部に寄生できるファイルが無ければ増殖できない点で性質が異なります。

  • ウイルス
    他のファイルに寄生して増殖する。
  • ワーム
    ウイルスのように寄生はせず、単独で増殖する。
  • トロイの木馬
    他のアプリに偽装して侵入した後に、内部で展開する

公的な定義は?

公的な資料として整理されているもので、JIS X0008「情報処理用語-セキュリティ」では、

自分自身の複写、又は自分自身を変更した複写を他のプログラムに組み込むことによって繁殖し、感染したプログラムを起動すると実行されるプログラム。
備考:
ウイルスには被害や迷惑を与えるものが多く,あらかじめ決められた日付などの事象によって起動されることがある。

とされています。

参考JIS X 0008:2001 情報処理用語−セキュリティ

また、「コンピュータウイルス対策基準」(通商産業省告示)による定義は次のとおりとなっています。

第三者のプログラムやデータベースに対して意図的に何らかの被害を及ぼすように作られたプログラムであり、 次の機能を一つ以上有するもの。

  • 自己伝染機能 自らの機能によって他のプログラムに自らを複製又はシステム機能を利用して自らを他のシステムに複製することにより、 他のシステムに伝染する機能
  • 潜伏機能 発病するための特定時刻、一定時間、処理回数等の条件を記憶させて、発病するまで症状を出さない機能
  • 発病機能 プログラム、データ等のファイルの破壊を行ったり、設計者の意図しない動作をする等の機能

参考「コンピュータウイルス対策基準」(通商産業省告示)

ウイルスの歴史

ウイルスの歴史としては、一般家庭にパソコンが普及するよりも遥か昔、1949年にアメリカ合衆国の数学者である「ジョン・フォン・ノイマン」が、講義の中で、自己複製するオートマトンの理論について言及。この内容は、ノイマン死後の1966年に発表された著書『自己増殖オートマトンの理論』に収録されていますが、理論的には、この1949年にウイルスの概念が生まれたと言われています。

その後1980年代後半にネットワークコンピューターが普及するのに合わせて、数多くのウイルスが生み出されるようになり、今日では単なる愉快犯的ウイルスから、クレジットカード番号などの個人情報を引き出して悪用するものまで、数万種のウイルスが存在していると言われています。

参考コンピュータウイルスとワームの年表[Wikipedia] 参考ウイルスの歴史[G DATA]

また、シマンテック社の発表によると、2015年の段階で「作成された新種のマルウェアの数は、亜種を含めて4億3,055万5,582件となっており、単純に計算して1日に117万件以上、新種のマルウェアが発見されている」ようです。

参考シマンテック、脅威レポート最新版を発表 - 毎日100万件以上の新種発見

また、ウイルスにはいくつかの種類が存在します。代表的なものは以下の通りです。

ウイルスの種類

上書き型ウイルス

感染元のファイルを書き換えてしまうタイプのウイルスです。元のファイルの1部を改変するだけなのでファイルサイズに大きな変化が生じず、発見し難いタイプとして数えられています。

追記型ウイルス

寄生したファイルにプログラムを書き加えるタイプのウイルスです。追記した分ファイルサイズが大きくなるため、上書き型よりも発見しやすいと言えます。

空白型ウイルス

プログラム同士の間にできた空白部分に侵入するウイルスです。元のプログラムに影響を及ぼすことなく活動するウイルスなので、上記2つよりも気が付き難く、セキュリティソフトでも駆除が困難なものとして知られています。

危険なウイルスランキング

色々なサイトでウイルスの危険性が紹介されていますが、「危険度ランキング」や「動画」などでわかりやすく説明しているサイトがあるので、紹介させていただきます。

最も危険なコンピューターウイルス10選

有名なYoutubeチャンネルの「トップランキング」さんがまとめている「最も危険なコンピューターウイルス10選」の動画です。
トロイの木馬・ワーム・ランサムウエアなど、ごちゃ混ぜですが、動画としてわかりやすく紹介されていますので、ぜひご覧ください。

悪名高い10種のコンピューターウイルス

海外情報サイトなどからの情報を整理している「カラパイア」さんでは、このようなランキングで、コンピューターウイルスの一覧が紹介されていました。

  1. Code Red [Wikipedia:Code Red]
  2. Storm Worm [Wikipedia:Storm Worm]
  3. SQL Slammer [Wikipedia:SQL Slammer]
  4. SasserとNetsky-AC [Wikipedia:Sasser、Macafee:Netsky-AC]
  5. Flashback [Wikipedia:Flashback]
  6. Agent.btz [Wikipedia:Agent.btz]
  7. LOVELETTER(別名 I LOVE YOU) [Wikipedia:LOVELETTER]
  8. Melissa [Wikipedia:Melissa]
  9. オメガのタイムボム型ウイルス
  10. Morris worm [Wikipedia:Morris worm]

たくさんの種類のウイルスがありますね。ぜひ参考にしてみてください。
参考悪名高い10種のコンピューターウイルス

ウイルスに感染するとどうなるの?

感染したウイルスの種類によって現れる症状が異なるため、一概には言えません。
ただし、最近はサイバー犯罪が巧妙化しており、以前のようなわかりやすい症状のウイルスは影を潜め、感染したことを気付かせないタイプのものが増えていますが、ウイルス症状の代表例としては下記のようなものが挙げられます。

  • ウイルスが作動して負荷がかかり、勝手にPCの電源が落ちたり再起動してしまう
  • ウイルスがセキュリティソフトを停止してしまう
  • ウイルスの影響で重要なファイルを無意味な画像ファイルに変換する(古典的)

パソコンと利用していて、上記のような症状を感じる場合は、ウイルス感染を疑ってみましょう。

ウイルスに感染を発見する方法

ウイルス感染が疑われる場合に、確認・発見する方法は、下記のようなものがあります。

一般的にユーザーがウイルスを検出するには、セキュリティソフトを使うことが素早く確認する方法として有効と言えます。

最近では、無料でスキャンできるツールなどもありますので、ぜひ参考にしてみてください。

[無料]セキュリティソフト紹介

ウイルスの確認や駆除に役立つ無料のソフトが多数ありますが、その実績等で信頼できるものを紹介いたします。
下記の2つはコストを抑えつつセキュリティを保ちたい方にオススメです。

Windows Defender


文字通りウィンドウズ用に開発された、マイクロソフト社のセキュリティソフトです。「ウィンドウズ7」以降ならどのバージョンにも対応しています。
(Windows7用は「Microsoft Security Essentials」をご利用ください。)
以前は検出率に難があるとの指摘もありましたが、現在は高性能化が進み、かなりの強固さを誇っています。

OS Windows
常駐/非常駐 常駐
定期アップデート 必要
ウイルス検知
ウイルス駆除

利用方法は下記をご覧ください。
参考サイトWindows Defender で、無料でウイルス対策
参考サイトMicrosoft Security Essentials で、無料でウイルス対策

Avast

無料のアンチウイルスソフトで有名なAvast「ウイルスやその他のマルウェアをブロック」「Wi-Fiセキュリティ」「パスワード安全維持」などに無料で対応できます。

サイトAvast

OS Windows/Mac
常駐/非常駐 常駐
定期アップデート 必要
ウイルス検知
ウイルス駆除

[無料]オンラインスキャンツールの紹介

「オンラインスキャン」の多くは、著名なセキュリティソフト企業が公開しており、非常に高い精度を誇っています。
最新のウイルスの情報も備えており安心です。そして使い方も簡単。中にはユーザー登録すら必要とせず、クリックだけでスキャンできるものも存在します。
大抵のウイルスは検出できるので、異変を感じた時はまず第一に取るべき選択です。

無料のオンラインスキャンツールを6つ紹介させていただきます。

Microsoft Sefety Scanner

Microsoft Safety Scanner は、Windows コンピューターからウイルスを検出して削除するために設計されたスキャン ツールです。ダウンロードしてスキャンを実行するだけでマルウェアを検出できます。また、検出された脅威による変更を元に戻す処理を試行できます。

サイトMicrosoft Sefety Scanner

OS Windows
常駐/非常駐 非常駐
定期アップデート 不要
ウイルス検知
ウイルス駆除

ノートンセキュリティスキャン

有名セキュリティ企業「シマンテック社」のセキュリティソフトの無料版です。非常駐型ですがスケジュール機能を使った指定時刻のスキャンに対応。
サイトノートンセキュリティスキャン

OS Windows
常駐/非常駐 非常駐
定期アップデート 不要
ウイルス検知
ウイルス駆除 ×(危険なcookieの削除可能)

トレンドマイクロオンラインスキャン


ウイルスバスターで知られる「トレンドマイクロ」のオンラインスキャンツールです。
マルウェアの検出のみに対応し、駆除することはできません。しかしながら、ダウンロード時に最新のパターンファイルを導入するので、検出率はかなりのもの。
ユーザー登録等の面倒な動作が必要ないよころも人気です。

サイトトレンドマイクロオンラインスキャン

OS Windows
常駐/非常駐 非常駐
定期アップデート 不要
ウイルス検知
ウイルス駆除 ×

カスペルスキー セキュリティ スキャン

ロシアのセキュリティソフトの老舗「カスペルスキー」のオンラインスキャンツールです。
こちらもウイルスの検出のみに対応し、駆除することはできません。

サイトカスペルスキー セキュリティ スキャン

OS Windows
常駐/非常駐 非常駐
定期アップデート 不要
ウイルス検知
ウイルス駆除 ×

Yahoo!スマホセキュリティ

日本人なら誰でも知っている、ご存知「Yahoo」のセキュリティソフトです。
スマートフォンのスキャンを実行し、不審なウイルスやアプリを検出・駆除。更に不審なサイトへのブロック機能やアクセス権限の管理機能まで搭載しています。

インターフェースは誰でも使えるほどシンプルで、しかも完全日本語で使いやすい。信頼できるアプリの1つです。

サイトYahoo!スマホセキュリティ 

OS Android
常駐/非常駐 常駐
定期アップデート 必要
ウイルス検知
ウイルス駆除

VirusTotal

VirusTotal は、疑わしいファイルや URL を分析する無料のサービスです。ウイルス、ワーム、トロイの木馬、あらゆる種類のウイルスを素早く検出できます。
パソコン上をチェックするものではなく、疑わしいと思われるファイルや、サイトのチェックが可能になります。

パソコンが感染したと思われる際には、これまで上記に整理したPC用のツールを使うと良いですが、メール等で送られてきたファイルや、サイトのチェックにはとても有効なツールです。

サイトVirusTotal

OS 全て
常駐/非常駐 非常駐
定期アップデート 不要
ウイルス検知
ウイルス駆除 ×

上記のツールを使うと、大半のウイルスは検出されるはずです。

ただし、感染したウイルスが最新のものである場合、検出機能の更新が追いつかず検知しないケースも見られます。セキュリティソフトが万能とは言えないことは、頭の片隅に置いておきましょう。

ウイルスに感染した際の駆除方法

ウイルスに感染していることがわかった場合、放置することは厳禁です。放置すると、場合によっては大変な被害を及ぼしますので、早急な対応が望まれます。
下記の4つのステップを実施しましょう。

STEP1:ネットワークから切り離す

まず、ウイルスに感染していると気づいた時点で、そのほかのパソコンへ感染を広げないためにネットワークからは切り離しておく必要があります。

STEP2:ウイルス対策ソフトウェアで駆除

セキュリティソフトで駆除することが、最も賢明な選択です。
下記に日本でも多数の導入実績があり、一度は耳にしたことがあるウイルス対策ソフト3つをランキング形式で紹介させていただきます。
ぜひ下記のうちいずれか導入をお勧めします。

ノートン

ノートンSymantec(シマンテック)社からリリースされているノートンシリーズはセキュリティ対策ソフトの定番の1つ。
主に個人向け製品で、Windows、Macのウイルス対策だけでなく、パソコンの最適化、ディスククリーンアップ、データのオンラインバックアップなども可能です。
30日無料体験版あり

カスペルスキー

カスペルスキーロシアのカスペルスキー社のセキュリティソフト。上記のノートンに比較すると日本での知名度は下がるが、性能は非常に優れている。
Windows、Mac、Android対応の総合セキュリティソフトで、ウイルス対策、危険なWebサイトへのアクセス防止、ネット決済時の保護など、パソコンやモバイル端末を安全に使うためのセキュリティを提供。
30日無料体験版あり

ウイルスバスター

ウイルスバスタートレンドマイクロ社のソフトウェアで日本で最も利用者の多い定番ソフトの1つ。
ウイルスバスターは、高い防御力と軽さを両立しながら、使いやすさと安心のサポートを提供するマルチデバイス対応セキュリティソフトです。
30日無料体験版あり

名称 大手の
信頼性
動作速度 操作性 検知能力 サポート
体制
価格
ノートン
カスペルスキー
ウィルスバスター

STEP3:ファイルなどのバックアップ

STEP2のセキュリティソフトで駆除が難しい場合は、OSの再インストールが必要になります。
出荷時の状態に戻すことになりますが、その前に必要なファイルなどバックアップにとりましょう。全てのバックアップをとっておきたいかと思います。

その際には、バックアップを取っておいても良いファイルや、そうではないファイルなど、注意点が多数ありますので、その方法は下記を参考にしてください。

■バックアップできるもの
・写真、メール文章、ワード等のソフトで作ったファイル、BGM
・インターネット等の設定

■バックアップできないもの
・ワード、エクセルなどのアプリケーションソフト

データバックアップの注意点

  • ウイルスが駆除できなかったファイルは、バックアップしない。(再度感染する可能性が増えてしまうため)
  • バックアップの際に、LANケーブルをつないでサーバやクラウドなどにバックアップしないで(感染が広がる可能性があるため)
    →USBメモリなど、外部メディアにバックアップ

STEP4:リカバリーや再インストール

Windowsのバージョンによって方法は異なりますが、Windows10の場合は内部プログラムで行えるため、ディスクを探す必要がありません。
下記の方法で行うことができますので参考にしてみてください。

Windows10のリカバリー方法
①スタートメニューを右クリック
②「設定」をクリック
③表示されるWindowsの設定画面で「更新とセキュリティ」をクリック
④「回復」をクリック
⑤PCを初期状態に戻す部分の「開始する」を選択

ウイルスに感染しないための5つの対策

ウイルス感染による被害は最悪の場合、OSの再インストールを行うことになります。
未然に防ぐ方が遥かにリスクが小さく、簡単ですよ。

OS・ソフトウェアを最新の状態にする

こちらはセキュリティを考える際に、まず最初に実施すべき項目。セキュリティ対策の第一歩です。
WindowやmacなどのOS、利用しているソフトウェアを最新の状態にしましょう。

最新の状態にすることは、新たに発見されてしまった脆弱性などを無くす事に有効です。

Windows10での更新確認方法
下記の手順で現在ご利用のWindows10が最新版か確認することが可能です。

①スタートボタンを右クリックして表示されるメニューの中の「設定」をクリック
②「更新とセキュリティ」をクリック
③表示される「更新プログラムをチェック」をクリック

不審なメールを閲覧しない

取引先や顧客を装ったメール攻撃は、感染経路としては古典的な方法です。
最近は文面が非常に巧妙化しているものの、手口そのものは変わりません。迷惑メールフォルダへのフィルタリングも精度が高くなっているものがありますので、まずは迷惑メールフォルダに振り分けられるようなメールを開かないこと、さらには知らない送信元からのメールで、金銭に関することなど興味をそそるようなメールの内容は疑ってかかった方が良いでしょう。

怪しいサイトを閲覧しない

メール攻撃同様にこちらも古典的なサイバー攻撃です。掲示板やSNSに貼られたURLの中には、マルウェアページにジャンプさせることも考えられます。
普段使うサイトでも注意が必要です。URLのチェックなどは、前のチェックツール「VirusTotal」を利用することが効果的です。

リンク先をチェックする

普段訪れるサイトが、サイバー攻撃により書き換えられている可能性もあります。「普段と違うな…?」と感じたらリンク先をチェックしてみて下さい。
また上図のように、メールの中に記載されているリンクも注意が必要です。標的型攻撃などのターゲットになっている可能性もありますので、十分注意しましょう。

セキュリティソフトを導入する

前述したように、ウイルス駆除にも利用するウイルス対策ソフトの中には、危険なサイトを通知するタイプも存在します。これらのソフトを導入することで、セキュリティはかなり向上するでしょう。
ウイルス対策ソフトウェアで駆除

まとめ

今回はマルウェアの中でも特に名度の高い、ウイルス攻撃について記載しました。
日本の情報漏洩事件はメールやURLといった古典的なサイバー攻撃によるものも多く、ちょっとした注意で防ぐことが可能です。

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