「ZIPファイルにパスワードをかけたけど、忘れてしまった!」「昔作ったZIPファイルのパスワードがわからなくて開けない!」——そんな経験はありませんか。
本記事では、自分で作った・所有しているZIPファイルのパスワードを忘れた場合に使えるパスワード解除ツールと手法を解説します。あわせて、ZIPパスワードの危険性・違法性の判断基準・脱PPAPまで初心者にもわかりやすく解説します。
この記事の目次
ZIPパスワードを強制解除する前に確認すること
ZIPパスワードの解除を試みる流れ

ツールを使う前に、まず以下を確認してください。多くの場合、ツールを使わずに解決できます。
- パスワードのヒントを書いたメモ・メールを探す:設定時にメモしていないか確認する
- よく使うパスワードを試してみる:誕生日・電話番号・名前など
- 送信者に問い合わせる:誰かから受け取ったZIPファイルの場合は、送ってきた相手に確認する
- ファイルが本当に必要か確認する:元のファイルがある場合は再圧縮するほうが早い
それでも解決しない場合に、以下のツールや手法を試してください。
ZIPパスワードを強制解除する3つの方法
パスワードを忘れたZIPファイルを開く方法は主に3つあります。それぞれの特徴と手順を解説します。

方法①:PassFab for ZIP(初心者におすすめ・有料)
最も操作が簡単で成功率が高い方法です。GUIで直感的に操作でき、GPU(グラフィックボード)を使った高速解析に対応しています。
特徴
- 操作が簡単でプログラミング知識不要
- 総当たり・辞書・マスクの3種類の解析モードに対応
- GPU加速で解析速度が大幅に向上
- 対応OS:Windows
- 価格:有料(試用版あり)
操作手順
- PassFab for ZIPの公式サイトからインストーラーをダウンロードしてインストールする
- ソフトを起動して「追加」をクリックし、解除したいZIPファイルを読み込む
- 攻撃モードを選択する(パスワードの情報に応じて選ぶ)
- 「開始」をクリックして解析を開始する
- 解析完了後に表示されたパスワードを使ってZIPファイルを開く
攻撃モードの選び方
| 攻撃モード | どんなときに使うか | 解析速度 |
|---|---|---|
| 総当たり(ブルートフォース) | パスワードが完全に不明な場合 | △ 遅い(文字数が多いほど時間がかかる) |
| 辞書攻撃 | よく使う単語をパスワードにした可能性がある場合 | ○ 比較的速い |
| マスク攻撃 | パスワードの一部(文字数・先頭文字など)がわかっている場合 | ◎ 速い |
方法②:Pika ZIP(無料・シンプル操作)
ZIPパスワード解析に特化した無料のソフトウェアです。解析したいZIPファイルをドラッグ&ドロップするだけで解析が始まります。操作は非常にシンプルですが、総当たり形式のみで解析速度はPassFab for ZIPより遅いです。パスワードが短くシンプルな場合(4文字以下など)は比較的短時間で解析できます。
方法③:John the Ripper(無料・上級者向け)
オープンソースのパスワード解析ツールで、コマンドラインで操作するため技術知識が必要です。IT専門家やエンジニア向けです。
基本的な手順
- John the RipperをGitHubからダウンロードしてインストールする
- zip2john コマンドでZIPファイルからハッシュ値を抽出する
- 辞書ファイルを用意してjohn コマンドで解析を実行する
- 検出されたパスワードを使ってZIPファイルを開く
コマンド操作に慣れていない方はPassFab for ZIPの試用版から始めるのが最も手軽です。試用版ではパスワードの先頭数文字のみ表示される制限がありますが、パスワードの概要を確認するのに役立ちます。
ツール比較表
| ツール名 | 難易度 | 費用 | 解析速度 | 対応OS | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|---|
| PassFab for ZIP | ◎ 簡単 | 有料(試用版あり) | ◎ 速い(GPU対応) | Windows | 初心者・確実に解析したい方 |
| Pika ZIP | ◎ 簡単 | 無料 | △ やや遅い | Windows | まず無料で試したい方 |
| John the Ripper | △ 難しい | 無料 | ○ 速い | Windows/Mac/Linux | ITエンジニア・技術者 |
解除できない場合はなぜか
パスワードが解除できない主な理由は「パスワードの複雑さ」です。
- パスワードが10文字以上の場合:総当たり攻撃で解析するのに数年〜数十年かかることがあります
- 英数字+記号の複雑な組み合わせ:試行する組み合わせが爆発的に増えるため、現実的な時間での解析がほぼ不可能になります
- AES-256暗号化を使用している場合:ZIPの新しい暗号化方式(AES-256)は、旧来の方式(ZipCrypto)よプレビュー (新しいタブで開く)り大幅に強固です
「パスワードは6文字だった」「先頭が数字だった」など、部分的な情報がある場合はマスク攻撃を使うと解析時間を大幅に短縮できます。PassFab for ZIPなどのツールではマスク攻撃モードを選択できます。
ZIPパスワード解除の違法性について
ZIPパスワードの解除が違法になるかどうかは、「誰が所有しているファイルか」によって決まります。
合法なケース(問題ない)
- 自分で作成・所有しているZIPファイルのパスワードを忘れた場合
- 会社の業務ファイルで、自分が管理権限を持っている場合
- 故人のパソコンから発見したファイルで、遺族として適切な手続きを経た場合
違法になる可能性があるケース(絶対にやってはいけない)
- 他人のZIPファイルを無断で解除する:不正アクセス禁止法違反・プライバシー侵害に該当する可能性がある
- 著作権で保護されたコンテンツが含まれるZIPファイルを解除する:著作権法違反になる可能性がある
- 職場の同僚や上司のファイルを無断で解除する:不正アクセス禁止法・プライバシー侵害・業務上の問題になる可能性がある
技術的に解除できたとしても、権限のないファイルを無断で開くことは法律違反になる可能性があります。「自分のファイルかどうか」を必ず確認してから解除を試みてください。
ZIPパスワードのセキュリティ上の問題(PPAP問題)
パスワード付きZIPファイルを送受信している場合は、この節を必ず読んでください。

PPAPとは何か
PPAPとは「Password付きZIPを送ります、Passwordを送ります、Aん号化(暗号化)、Protocol(手順)」の略で、パスワード付きZIPファイルをメールに添付して送り、その後別のメールでパスワードを送る手順のことです。 一見セキュアに見えますが、実はほとんど意味がありません。
PPAPが危険な3つの理由
- 同じメールアカウントが乗っ取られたら両方見られる:ZIPファイルのメールもパスワードのメールも同じアカウントに届くため、どちらか一方が漏洩すれば意味がありません
- ウイルス対策ソフトが中身をスキャンできない:暗号化されたZIPファイルはウイルス対策ソフトが中身を確認できないため、マルウェアの侵入口になります。Emotet(エモテット)などのウイルスがパスワード付きZIPで送られてくる手口が多発しています
- ZipCrypto暗号化は脆弱:ZIPの旧来の暗号化方式(ZipCrypto)は現代のコンピュータで簡単に突破できます
PPAPの代替手段
| 代替手段 | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| クラウドストレージのリンク共有 | Google Drive・OneDrive等でアクセス権限を付与したリンクを共有する | ◎ 最もおすすめ |
| セキュアなファイル転送サービス | 企業向けの暗号化転送機能を持つサービスを利用する | ◎ 企業向けに最適 |
| 電子署名サービス | 改ざん防止と安全な受け渡しを実現する | ○ 契約書など重要文書向け |
日本政府(内閣府・デジタル庁)や多くの大手企業はすでにPPAPを廃止しています。業務でパスワード付きZIPを使っている場合は、クラウドストレージへの移行を検討しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 他人から受け取ったZIPファイルのパスワードを強制解除してもいい?
基本的には推奨しません。まず送ってきた相手にパスワードを確認してください。どうしても連絡が取れない場合でも、そのファイルに対する正当な権限があるかどうかを慎重に判断してください。他人のファイルを無断で解除する行為は不正アクセス禁止法・プライバシー侵害に該当する可能性があります。
Q. Macでパスワード付きZIPファイルを解除できる?
Macでは対応ツールが限られています。PassFab for ZIPはWindows専用です。Mac環境では「John the Ripper」をターミナルから使う方法がありますが、技術知識が必要です。もしくはWindowsの仮想環境を構築してWindowsツールを使う方法もあります。
Q. スマホでZIPパスワードの強制解除はできる?
基本的には困難です。スマホはCPU性能の制約とOSのセキュリティ制限により、パスワード解析に必要な処理が非常に遅くなります。パスワードが4文字以下の極端にシンプルな場合を除き、現実的な時間での解析は難しいため、PCで作業することを強くおすすめします。
Q. ZIPファイルのパスワードが解析できたら、中のファイルが壊れることは?
解析ツールによる解除ではファイルが壊れることはありません。ただし、パスワード解析ではなく「ファイルが破損している」場合は別途修復ツールが必要です。解除できたのに中身が開けない場合は、ファイル自体が破損している可能性があります。
Q. 会社のルールでパスワード付きZIPを使っていますが、やめたほうがいい?
セキュリティの観点からはやめることをおすすめします。前述のとおりPPAPはウイルス対策ソフトが中身をスキャンできないため、マルウェアの侵入口になりやすいです。クラウドストレージへのリンク共有やセキュアなファイル転送サービスへの移行を上司やIT部門に提案してみてください。
まとめ
自分が所有するZIPファイルのパスワードを忘れた場合は、PassFab for ZIP・Pika ZIP・John the Ripperなどのツールで解析を試みることができます。初心者にはPassFab for ZIPが最もわかりやすく、GPU加速による高速解析に対応しているためおすすめです。
ただし、パスワードが10文字以上の複雑な文字列の場合は現実的な時間での解析が困難になります。 他人のファイルを無断で解除することは不正アクセス禁止法違反・プライバシー侵害に該当する可能性があるため、絶対に行わないでください。
また、業務でパスワード付きZIPを使っている場合は、ウイルス対策ソフトが中身をスキャンできないというPPAP問題があるため、クラウドストレージへの移行を検討することを強くおすすめします。






















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本記事は、自分が所有・管理するZIPファイルのパスワードを忘れた方向けの情報です。他人のZIPファイルを無断で解除する行為は不正アクセス禁止法違反・著作権法違反・プライバシー侵害に当たる可能性があり、絶対に行わないでください。