アドウェアとは何か?無害と悪質の違い・感染経路・削除手順・予防策を初心者向けに解説|サイバーセキュリティ.com

アドウェアとは何か?無害と悪質の違い・感染経路・削除手順・予防策を初心者向けに解説



「突然ポップアップ広告が出まくるようになった」「インストールした覚えのないソフトが入っている」——そんな経験をお持ちではないでしょうか。アドウェアとは広告を表示して収益を得ることを目的としたソフトウェアで、無害なものから個人情報を盗む悪質なものまで種類はさまざまです。本記事では意味・種類・感染経路・被害内容・削除手順・予防策まで初心者向けにわかりやすく解説します。

先に結論を言うとオレンジ文字アドウェアがすべて危険というわけではなく「ユーザーが同意しているかどうか」が無害と悪質の境界線です。ただし悪質なアドウェアは個人情報の窃取や他のマルウェア感染の入口になるため、感染の兆候に気づいたら早急に対処することが重要です——これがポイントです。

アドウェアとは

アドウェアの意味と語源

アドウェア(Adware)とは「広告(advertisement)」と「ソフトウェア(ware)」を組み合わせた言葉で、広告を表示することで収益を得ることを目的としたソフトウェアの総称です。「広告付きソフトウェア」と呼ばれることもあります。

アドウェアは無料ソフトウェアやアプリに同梱されてユーザーのデバイスにインストールされることが多く、広告を表示する代わりにソフトウェアを無料で提供するというビジネスモデルに基づいています。すべてのアドウェアが危険というわけではなく、合法的なものから悪質なものまで幅広く存在します。

アドウェアの仕組みと収益モデル(PPC・PPV・PPI)

アドウェアが存在する理由は「お金を稼ぐため」です。アドウェアの作成者・配布者は以下の3つのモデルで広告主から収益を得ています。

PPC(クリック課金:Pay Per Click):ユーザーが広告をクリックするたびに収益が発生します。クリックを増やすために大量のポップアップを表示する悪質な手法に悪用されやすいモデルです。

PPV(表示課金:Pay Per View):広告が画面に表示されるたびに収益が発生します。ユーザーがクリックしなくても収益になるため、画面上に強制的に広告を表示し続けるアドウェアに使われます。

PPI(インストール課金:Pay Per Install):特定のソフトウェアがユーザーのデバイスにインストールされるたびに収益が発生します。フリーソフトに同梱して意図せずインストールさせる手口が典型的です。

マルウェアとの違い(比較表)

比較項目 アドウェア マルウェア
目的 広告表示による収益 システム破壊・情報窃取・金銭詐取
合法性 無害なものは合法 基本的に違法
感染時の主な被害 広告表示・パフォーマンス低下 データ破壊・情報漏洩・身代金要求
危険度 低〜中 中〜高
削除の難易度 比較的容易 困難な場合がある

ただしアドウェアの中にはマルウェアとして扱われるものも存在します。悪質なアドウェアはスパイウェアとして機能したり、他のマルウェアの感染経路になったりするため、「アドウェアだから安全」とは言い切れません。

アドウェアの種類

無害なアドウェア(合法的アドウェア)

無害なアドウェアは、広告やソフトウェアのプロモーションを表示することについてユーザーに事前に同意を求めた上で、正当な方法で広告を表示するものです。無料ゲームアプリや動画再生ソフトなどで表示される広告が代表例です。

ユーザーは広告を閲覧する代わりにソフトウェアを無料で利用できる仕組みで、法的にも問題はありません。

悪質なアドウェア

悪質なアドウェアは、ユーザーの同意なく大量の広告を表示したり、閲覧履歴や個人情報を無断で収集したりするものです。偽の警告メッセージを表示してユーザーの不安をあおり、有料のセキュリティソフトを購入させる手口も代表的な被害です。

不審なWebサイトへの誘導や別のマルウェア感染を引き起こす危険性もあるため注意が必要です。

PUP/PUA(潜在的に望ましくないプログラム)

PUP(Potentially Unwanted Program)またはPUA(Potentially Unwanted Application)とは、マルウェアほどの明確な悪意はないものの、ユーザーやシステムにとって望ましくない影響を与えるプログラムのことです。

フリーソフトに隠れて含まれており、ユーザーが気づかないままインストールされてしまうケースが多くあります。広告を強制的に表示し続けたり、脅迫的に代金を要求したりするものもあります。

ブラウザハイジャッカー

ブラウザハイジャッカーはアドウェアの中でも特に厄介な種類で、ユーザーの了承なくブラウザの設定を変更します。具体的にはホームページを見知らぬWebサイトに書き換えたり、検索エンジンを変更したり、ツールバーを強制的に追加したりします。

一度感染すると設定を元に戻してもすぐに変更され、アンインストールもしにくい構造になっているものが多い点が特徴です。

アドウェアに感染したときの兆候

PCの感染の兆候

以下の症状が見られる場合、アドウェアに感染している可能性があります。

  • ポップアップ広告が頻繁に・大量に表示される
  • ブラウザのホームページや検索エンジンが勝手に変更されている
  • インストールした覚えのない拡張機能やツールバーが追加されている
  • PCの動作速度やブラウザの表示が遅くなった
  • インターネットの接続速度が低下した
  • 閲覧しているサイトとは無関係なページにリダイレクトされる
  • 見覚えのないソフトウェアがインストールされている

スマートフォンの感染の兆候

スマートフォンでも以下の症状が出る場合はアドウェアを疑いましょう。

  • アプリの読み込みや動作が遅くなった
  • バッテリーの消耗が急に早くなった
  • データ使用量が急に増えた・通信費が高くなった
  • 画面上に大量の広告ポップアップが表示される
  • インストールした覚えのないアプリが追加されている
  • ブラウザが意図しないページにリダイレクトされる

アドウェアの主な感染経路

不正なWebサイトの閲覧

悪意のあるコードが埋め込まれたWebサイトを閲覧することでアドウェアに感染します。サイト内の不審なリンクをクリックしたりアンケートに回答したりすることでアドウェアが自動的にインストールされるケースが多く見られます。また透明化したバナーを重ねてクリックを誘う「クリックジャッキング」という手口も存在します。

フリーソフトのインストール

インターネット上で配布されている無料のソフトウェアにアドウェアが同梱されていることがあります。インストール時に内容を十分確認せず「次へ」ボタンを押し続けてしまうことで意図せずアドウェアまでインストールしてしまいます。高速・自動モードでインストールする場合も同様のリスクがあります。

ブラウザ拡張機能のインストール

ブラウザ拡張機能(アドオン)の中にアドウェアが含まれているものがあります。特に非公式サイトから拡張機能をインストールした場合にバックグラウンドでアドウェアが同時に導入されるケースがあります。ユーザーが気づかないうちに感染すると初動対応が遅れやすい点が問題です。

広告・ポップアップのクリック

Webサイトやアプリ上に表示される広告やポップアップをクリックしたことでアドウェアに感染するケースもあります。「お使いのPCはウイルスに感染しています」といった偽の警告画面が表示され、駆除ソフトのインストールを促す手口が代表的です。実際にはそのソフト自体がアドウェアです。

アドウェア感染による被害

ポップアップ広告の過剰表示

アドウェアに感染すると大量のポップアップ広告が表示されるようになります。閉じてもすぐに別のウィンドウが開いて表示され続けるため、作業やブラウジングが妨げられます。広告の中には公序良俗に反する内容のものや、クリックすると危険なサイトへ誘導されるものもあります。

システムパフォーマンスの低下

アドウェアに感染するとCPUやメモリなどのシステムリソースが消費され、動作速度が低下します。ブラウザの表示が遅くなったりデバイスがフリーズしやすくなったりするほか、インターネット通信速度の低下も引き起こします。

プライバシー侵害・情報漏洩

悪質なアドウェアはユーザーの閲覧履歴・検索履歴・オンライン上での行動データを収集します。収集された情報は広告配信に利用されるほか、第三者に販売されることもあります。偽のセキュリティソフト購入画面に誘導されてクレジットカード情報を盗まれるケースも報告されています。

他のマルウェア感染の入口になる

悪質なアドウェアの中にはトロイの木馬・ランサムウェア・スパイウェアなど危険なマルウェアをデバイスに仕込むものがあります。アドウェア自体の被害で済まず、より深刻なサイバー攻撃の入口になってしまう点が特に危険です。組織内の他のデバイスにも感染が広がる可能性もあります。

アドウェアを削除する方法

Windows PCの場合

  1. スタートメニューから「コントロールパネル」を開く
  2. 「プログラムのアンインストール」を選択する
  3. インストールした覚えのないプログラムを探して選択する
  4. 「アンインストール」をクリックして削除する
  5. PCを再起動する

ブラウザの拡張機能も確認し、不審なものは削除しましょう。Chromeの場合は設定→拡張機能から確認できます。

Macの場合

  1. Finderからアプリケーションフォルダを開く
  2. インストールした覚えのないアプリをゴミ箱に移動する
  3. ゴミ箱を空にする
  4. PCを再起動する

SafariやChromeの拡張機能も設定から確認して不審なものを削除してください。

Androidスマートフォンの場合

  1. 「設定」からアプリの一覧を開く
  2. インストールした覚えのない不審なアプリを探す
  3. 「アンインストール」を選択して削除する
  4. ブラウザの履歴とキャッシュをクリアする
  5. スマートフォンを再起動する

セーフモードで起動してからアンインストールを試みると、アドウェアの自己防衛機能を回避しやすくなります。

iPhoneの場合

  1. 「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」を開く
  2. 不審な構成プロファイルが追加されていれば削除する
  3. ホーム画面でアプリを長押しして「アプリを削除」を選択する
  4. Safariの設定から「履歴とWebサイトデータを消去」を実行する

iPhoneはAndroidよりもアドウェアの感染リスクが低いですが、脱獄(ジェイルブレイク)したデバイスは感染リスクが大幅に上がります。

セキュリティソフトを使った削除(推奨)

手動削除ではすべてのアドウェアのコンポーネントを見つけられない場合があります。信頼性の高いセキュリティソフトやアドウェア削除ツールを使ってデバイス全体をスキャンすることが最も確実な方法です。

セキュリティソフトは不審なソフトウェアやプログラムを自動的に検知して削除します。アドウェア対策機能がオンになっていることを確認してからスキャンを実行してください。手動削除とセキュリティソフトを組み合わせることでより確実に除去できます。

アドウェアに感染しないための予防策

フリーソフトのインストール時に確認事項をチェックする

フリーソフトをインストールする際は利用規約とインストール画面の確認事項を必ずよく読みましょう。チェックボックスにアドウェアの同梱インストールに関する項目がある場合はチェックを外します。「高速インストール」や「自動インストール」は避けて「カスタムインストール」や「詳細インストール」を選択することで不要なソフトウェアの同時インストールを防げます。

信頼できるサイト・公式ストアからのみダウンロードする

ソフトウェアは公式サイトや信頼性の高いダウンロードサイトからのみ入手しましょう。スマートフォンのアプリはApp StoreやGoogle Playなどの公式ストアからのみダウンロードします。非公式サイトや出所不明のソフトウェアはアドウェア・マルウェア感染のリスクが大幅に高まります。

OSやソフトウェアを常に最新に保つ

OSやブラウザ・ソフトウェアに脆弱性が存在するとアドウェアが侵入しやすくなります。更新プログラムが公開されたら速やかに適用してセキュリティパッチを当てましょう。自動更新の設定をオンにしておくと更新の漏れを防げます。

怪しい警告・ポップアップは無視してブラウザごと閉じる

導入しているセキュリティソフト以外から「ウイルスに感染しています」「スパイウェアを検知しました」といった警告が表示されても無視してください。ポップアップの「閉じる」ボタンをクリックすること自体がアドウェアのインストールトリガーになっている場合があります。ブラウザのタスクバーを右クリックして「ウィンドウを閉じる」かタスクマネージャーから強制終了するのが安全です。

アンチウイルスソフトを導入する

信頼性の高いアンチウイルスソフトを導入し定期的にシステム全体をスキャンすることでアドウェアやマルウェアの早期検出・削除につながります。アドウェア検出設定が有効になっているかどうかも確認しておきましょう。

よくある質問(FAQ)

アドウェアはウイルス?

アドウェアは技術的にはウイルスと同じカテゴリではありません。無害なアドウェアは合法的なソフトウェアです。ただし悪質なアドウェアはマルウェアの一種として扱われることがあり、スパイウェアとして機能したり他のウイルス・マルウェアの感染経路になったりするものも存在します。「アドウェア=必ずしもウイルスではないが、悪質なものはウイルスに近い」と理解しておきましょう。

スマホもアドウェアに感染する?

感染します。特にAndroidスマートフォンは感染リスクが高く、非公式ストアや野良アプリからのインストールで感染するケースが多く報告されています。iPhoneは比較的感染リスクが低いですが、脱獄(ジェイルブレイク)したデバイスや非公式ストアからのインストールは危険です。スマートフォンでも大量の広告ポップアップ・バッテリーの急激な消耗・見覚えのないアプリの追加などがアドウェア感染のサインです。

アドウェアを放置するとどうなる?

放置すると被害がどんどん拡大します。システムパフォーマンスの低下やポップアップ広告のストレスにとどまらず、個人情報・クレジットカード情報の窃取、ランサムウェアなど危険なマルウェアへの感染、組織内の他のデバイスへの感染拡大といった深刻な被害につながるリスクがあります。感染の兆候に気づいたら早急に削除対応を行いましょう。

まとめ

アドウェアとは広告表示で収益を得るソフトウェアの総称で、合法的な無害なものから個人情報を盗む悪質なものまで種類はさまざまです。無害と悪質の境界線はユーザーの同意があるかどうかです。

感染の兆候として大量のポップアップ・ブラウザ設定の勝手な変更・パフォーマンス低下などがあり、感染した場合はセキュリティソフトを使った削除が最も確実です。予防にはフリーソフトインストール時の確認・公式ストアの利用・OS更新・怪しい警告の無視が有効です。

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