標的は"使い回しパスワード"!急増するパスワードリスト攻撃への対策とは|サイバーセキュリティ.com

標的は”使い回しパスワード”!急増するパスワードリスト攻撃への対策とは



「パスワードリスト攻撃」が盛んに行われています。このサイトでも多くの事件記事が公開されていますね。

他所で流出した「ID」と「パスワード」を使いまわしているサイトを探して、無差別に侵入を試みるこの攻撃。今回はこの攻撃が行われている背景と、ユーザー側の応急処置方法について述べたいと思います。

これまでは「弱いパスワード」が狙われていた

ユーザーに成りすまして不正を行う攻撃では、これまで「弱いパスワード」を試みる方式が主流でした。下記のようなものです。

  • password
  • 12345678
  • qwertyui

パスワードは定期的に変更するように推奨されていましたので、毎度毎度何桁もの意味のないパスワードは覚えきれないので、”わかりやすいパスワード”にしてしまう人が多く出る傾向にありました。そのため「弱いパスワード」と言われるものを片っ端から試して攻撃をすれば、侵入が可能となっていたのです。

近年では、”安全”と言われるパスワードは英数大小記号で”10桁以上”と言われていますので、定期的変更を強制すれば、ユーザーが余計に覚えやすいパスワードにしてしまう傾向が強まりました。そこで、定期的変更を要請しないように推奨されています。このため、パスワードの強度自体は平均すれば向上していると思われます。

攻撃者の狙いが「使い回しパスワード」へ

そこで、攻撃者は「弱いパスワード」から「使い回しパスワード」に狙いを変えました。定期的変更が強制されなくなったので、パスワードが使い回しされていれば、他のサイトでも一致する可能性が高まったからです。

どこかで流出したIDとパスワードが、ダークウェブで流通しています。それを利用すれば簡単に他のサイトに攻撃ができてしまうのです。

攻撃から身を守る応急処置とは

「サイト毎に違ったパスワードを使った方が良い」…理屈は誰でもわかるでしょう。しかし”英数大小記号で10桁のパスワードをサイト毎全部覚えて使い分ける”なんてことに自信のある人はいないでしょう。だから、わかっちゃいるけど、パスワードは変更しづらい、というのが多くの人の本音だと思います。

本当は全部別々な強固なパスワードにしてIDass管理でもすれば良いのですが、苦手意識を持つ人も多く、広く利用されるようになるのはそう簡単ではありません。とはいえ、自分が被害者になったら困りますね。なので、とりあえずの応急処置の方法を提案したいと思います。

“同じパスワードを使わないこと”を最優先にする

とりあえず、全てのサイトを違うパスワードにしてください。「そんなの無理」と思うかも知れませんが、実はそうでもありません。ある意味、使い回しをするのです。たとえば方法はこうです。

いつもの使いまわしパスワード+サイトの最初の3文字+新しく決めた文字

ほとんどのパスワードリスト攻撃は、流出した一覧を使っています。それが1文字でも違えば、被害を受けない可能性が高いのです。さらに、サイトの最初の何文字かを使えばどのサイトのパスワードか忘れません。

ただ、これだけだと簡単なプログラムで攻撃者が試すことも可能なので、新しく2~3文字を決めて、それを付ける。この方法であれば、そうパスワードを忘れたり間違えたりすることもないでしょう。そして、パスワードリスト攻撃の被害を受ける可能性は激減します。

優先してパスワードを変えるべきサイトは?

まず、「IDがメールアドレス」のサイトは真っ先に変えましょう。IDが共通になっている可能性は高いですし、流出元がメールアドレスIDで無かったとしても、連絡先としてメールアドレスも流出している可能性があるからです。

パスワードリスト攻撃において、IDがメールアドレスのサイトは高リスクです。(サイト運営者の方には、IDをメールアドレスにするのは、セキュリティ上、できれば避けていただきたいと思います)

IDがメールアドレスのサイトでは、他サイトと同じパスワードを使うのは絶対に止めましょう。

応急処置であることを忘れない

この対応をしていただけるだけで、パスワードリスト攻撃の被害に遭う確率はガクンと下がります。とはいえ、あくまで応急処置であることは忘れないでください。防御と攻撃はイタチごっこです。そのうち、この対応を乗り越える攻撃も出てくるでしょう。

自分の身は自分で守るという意識を持つことが大切です。セキュリティのトレンドには定期的に目を向けるようにしてください。


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