群馬県前橋市は2020年2月19日、外部からのサイバー攻撃により同市教育委員会のデータサーバーから市内の児童約4万7,000人分の個人情報が流出した問題について、データセンターの構築などを担当していたNTT東日本を提訴する方針を明らかにしました。
問題のインシデントは2018年3月に発生したもので、前橋市教育委員会はその後の第三者調査機関による報告などから、ファイアーウォール設定の不備などについて「(NTT東日本側)責任がある」と指摘。
2019年に入ってからは、代理人を立てNTT東日本側と交渉を続けていましたが、まとまらず、同社を受託業者として「通信制限を適切に設計、設定し、不備を修正する義務を負っていた」との見方から、NTT東日本側に合計約1億7,700万円を求める考えです。
NTT東日本「責任を負うものではない」
いっぽう、NTT東日本は前橋市教委の賠償請求に対して、「責任を負うものではない」との認識を示しています。同社は前橋市教委から2019年1月~2019年9月にかけて、責任を取るよう求められ続けてきましたが、「当社が責任を負うものではなく、市の請求は理由がない」「現時点で当社から反論する予定はない」などと議論を避ける供述を繰り返してきました。
その後現在に至るまで、前橋市教委とNTT東日本の溝は埋まらず、前橋市教委は2020年2月19日に開かれた市議会教育福祉常任委員会にて提訴案を発表。2020年3月3日に予定される市議会定例会で可決されれば、提訴に踏み切るものと見られています。
参照約4万7000人の個人情報流失事件 前橋市がNTT東日本提訴へ/上毛新聞