画像:ジェネシス・イーシーより
2017年8月29日、ECサイトのストア構築などを手掛けるジェネシス・イーシー株式会社は、外部からの不正アクセスにより情報漏洩があったことを公表しました。
報告によると、事件発覚のきっかけとなったのは2017年5月9日。同社が展開するストア構築サービス「Genesis-EC」を利用したショッピングサイト及び決済代行会社の指摘により発覚したとのことです。
同社は5月18日にカード決済の利用停止を講じた上で、第三者機関と連携して対策を実施しているものの、既に一部で不正利用等の被害が発生し始めており、波紋を呼ぶことは避けられそうもありません。
最大で1万4,039件のクレジットカード情報の可能性
同報告によると、漏えいの対象となったカード情報は最大で9,458件。2017年3月23日~5月18日の期間に、同社が構築した1部のECサイトでカード決済を行った利用者が対象です。
また、これとは別に2009年3月以前のカード利用者の個人情報にも流出の可能性があることを示唆。こちらは最大4,581件であるとのことです。両者を合計すると想定される最大の被害規模は実に1万4,039件に上ります。
なお、漏洩したカード情報の内訳には、「クレジットカード番号、有効期限、セキュリティコード」といったセンシティブ情報が含まれており、既に一部のカードで不正被害が確認されています。
際立つ対策・発表の遅れ、“不誠実”との声も上がる
今回の事件で最も注目したい部分は、なんと言っても「発表・対応の遅れ」です。
カード情報流出の可能性は2017年5月9日に指摘されているにもかかわらず、「Genesis-EC」を導入した全ショッピングサイトのカード利用停止が実施されたのは18日。5月22日にようやく第三者調査機関へ依頼と、その足取りの重さは際立ちます。
同社は発表が遅れた理由を「混乱の拡大の懸念や第三者機関、カード会社との連携が成立してから」と説明しているものの、同社の提供するサービスの性質や漏洩情報がカード情報であることを考慮すると、少なくとも、情報漏洩が指摘された5月9日時点での第三者調査機関への調査依頼は必要だったとの指摘も上がっています。
同社は現在専用の相談窓口を開設し、対応を行っています。
<参照>
不正アクセスによるカード情報流出に関するお知らせとお詫び/ジェネシス・イーシー株式会社