ブラウザでWebサイトを開こうとしたら「このサイトは安全に接続できません」という警告が表示された——そんな経験はありませんか。 このエラーは「ERR_SSL_PROTOCOL_ERROR」とも呼ばれ、ブラウザとサーバー間の暗号化通信に問題が起きていることを示しています。
閲覧者側のキャッシュや日時設定が原因のこともあれば、サイト管理者側のSSL証明書の問題のこともあります。 本記事では、エラーの原因から閲覧者・管理者それぞれの対処法、スマホ(iPhone・Android)での対処、再発防止策まで、初心者にもわかりやすく解説します。
「このサイトは安全に接続できません」とは?原因と仕組み
このエラーは、ブラウザがWebサーバーとの間で安全な通信(HTTPS通信)を確立できなかった場合に表示されます。内部的には「ERR_SSL_PROTOCOL_ERROR」というエラーコードが発生しており、SSL(Secure Sockets Layer:データを暗号化してやり取りする仕組み)通信の手順に問題があることを示しています。
エラーが起きる仕組み
Webサイトに接続する際、ブラウザとサーバーは「TLSハンドシェイク(Transport Layer Security Handshake:暗号化通信を開始するための相互認証手順)」というプロセスを行います。
- 接続要求(Client Hello):ブラウザが対応可能な通信プロトコルや暗号化方式をサーバーに提示する
- 証明書提示(Server Hello):サーバーが自身のSSL証明書と選択した暗号化方式をブラウザに返す
- 鍵交換(Key Exchange):双方が共通の暗号鍵を生成し、本通信を開始する
このハンドシェイクの途中で何らかの問題が起きると、ブラウザは安全性を懸念して接続を遮断し、警告を表示します。
主な原因一覧
| 原因 | 内容 | どちら側の問題か |
|---|---|---|
| SSL証明書の期限切れ | サイトのSSL証明書が有効期限を過ぎている | サイト管理者側 |
| 旧バージョンのSSL/TLS使用 | TLS 1.0/1.1やSSL 2.0など脆弱性のある古い規格を使用している | サイト管理者側 |
| 中間証明書の設定不備 | 証明書チェーンが正しく設定されていない | サイト管理者側 |
| 端末の日時設定のズレ | PCやスマホの時刻が大幅にずれている | 閲覧者側 |
| ブラウザのキャッシュ・Cookie | 古い認証情報がエラーを引き起こしている | 閲覧者側 |
| ブラウザの拡張機能の干渉 | セキュリティ系拡張機能がSSL通信を妨害している | 閲覧者側 |
| セキュリティソフトの干渉 | SSLスキャン機能が通信を妨害している | 閲覧者側 |
| VPN・プロキシの影響 | 通信経路の設定がSSLと干渉している | 閲覧者側 |
TLSハンドシェイクとエラーが起きる仕組み

そのサイトは安全?アクセスを続けるか判断する方法
警告が出たからといって、必ずしもそのサイトが危険というわけではありません。以下の方法でサイトの安全性を確認してから、アクセスを続けるかどうか判断してください。
URLとドメイン名を確認する
URLが「https://」ではなく「http://」のみで始まっているサイトは、通信が暗号化されていません。また、正規サイトに似せた偽のドメイン名(例:amazon→amaz0n)が使われていないかを確認してください。
SSL証明書の状態を確認する
Google Chromeの場合、アドレスバーの鍵マークをクリック→「この接続は保護されています」→「証明書は有効です」と表示されれば、証明書自体は正常です。「証明書は有効ではありません」の場合はサイト側の問題です。
別のブラウザで試す
別のブラウザ(ChromeでエラーならFirefoxやEdge)で同じサイトにアクセスして問題なく開ければ、元のブラウザに問題がある可能性が高いです。
別のネットワーク・端末で試す
スマホのモバイル回線など別のネットワークから試して同じエラーが出る場合は、サイト側の問題の可能性が高くなります。
安全性の確認フロー

【閲覧者向け】PCでの対処法7ステップ
閲覧者側の設定が原因の場合、以下のステップを順番に試してください。多くのケースはStep 1〜3で解決します。

Step 1:ブラウザのキャッシュとCookieを削除する
古いキャッシュ(一時保存データ)やCookie(サイトの利用情報)がエラーの原因になることがあります。
- Google Chrome:右上「⋮」→「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」→「キャッシュされた画像とファイル」「Cookieと他のサイトデータ」にチェック→「データを削除」
- Microsoft Edge:右上「…」→「設定」→「プライバシー、検索、サービス」→「閲覧データをクリア」→削除するデータを選択→「今すぐクリア」
- Mozilla Firefox:右上「≡」→「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Cookieとサイトデータ」→「データを消去」
Step 2:端末の日時設定を確認する
SSL証明書には有効期限があり、端末の時計が大幅にずれていると「証明書が無効」と判定されます。
- Windows:「設定」→「時刻と言語」→「日付と時刻」→「自動的に時刻を設定する」をオン
- Mac:「システム設定」→「一般」→「日付と時刻」→「自動的に設定」をオン
Step 3:拡張機能を一時的に無効化する
セキュリティや広告ブロック系の拡張機能がSSL通信を妨害することがあります。シークレットモード(Chromeは Ctrl+Shift+N)でアクセスして問題なく開けた場合は、拡張機能が原因です。1つずつ無効化して原因を特定してください。
Step 4:VPN・プロキシを停止する
VPN(仮想プライベートネットワーク)を経由すると通信が変換され、SSL通信が遮断されることがあります。VPNを停止した状態で再度アクセスしてみてください。
Step 5:セキュリティソフトのSSLスキャンを確認する
ウイルス対策ソフトの「SSLスキャン(HTTPS通信の監視)」機能が証明書の書き換えを引き起こすことがあります。セキュリティソフトを一時停止してアクセスできれば原因はここです。ソフトの設定で該当サイトを除外リストに追加してから再有効化してください。
Step 6:ブラウザを最新版にアップデートする
古いブラウザは新しいSSL/TLSプロトコルに対応していないことがあります。ChromeならアドレスバーにChrome://settings/help と入力して最新バージョンを確認してください。
Step 7:OSを最新状態にアップデートする
OSが古いバージョンのままだとSSL関連のエラーが発生しやすくなります。WindowsならWindows Update、MacならソフトウェアアップデートからOSを最新状態にしてください。
【スマホ向け】iPhone・Androidでの対処法
「このサイトは安全に接続できません」の警告はスマホにも表示されます。PC版と基本的な対処法は共通ですが、操作方法が異なります。
iPhone・Android別の対処手順

iPhone(Safari)の場合
- キャッシュ・Cookie削除:「設定」→「Safari」→「履歴とWebサイトデータを消去」
- 日時設定の確認:「設定」→「一般」→「日付と時刻」→「自動設定」をオン
- 詐欺サイト警告の確認:「設定」→「Safari」→「詐欺Webサイトの警告」がオンになっているか確認
- Wi-Fiの切り替え:モバイル回線(4G/5G)に切り替えてアクセスし直す
Android(Google Chrome)の場合
- キャッシュ・Cookie削除:Chrome右上「⋮」→「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」
- 日時設定の確認:「設定」→「一般管理」→「日付と時刻」→「自動日時設定」をオン
- 常に安全な接続を使用する設定:Chrome「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「常に安全な接続を使用する」をオン
- ネットワークの切り替え:Wi-Fiからモバイル回線に切り替えてアクセスし直す
【管理者向け】Webサイト運営者がチェックすべきサーバー側の設定
サイト側の設定が原因の場合、閲覧者がいくら対処しても解決しません。以下の3点を重点的に確認してください。

TLS 1.2/1.3の設定と古いプロトコルの無効化
現在、TLS 1.0および1.1は脆弱性が認められており、主要ブラウザで接続が拒否されるのが標準となっています。サーバー設定(ApacheやNginx)でこれらを無効化し、TLS 1.2および1.3のみを有効にしてください。 Nginxの場合は nginx.conf に以下の設定が記述されているか確認してください。
SSL証明書の有効期限と中間証明書の確認
SSL証明書には有効期限があります。「SSL Labs(https://www.ssllabs.com/ssltest/)」などの無料ツールでサイトのURLを入力すると、有効期限・TLSバージョン・設定上の問題点を一覧で確認できます。また、「中間証明書(サーバー証明書の正当性を証明する階層の証明書)」が正しくインストールされているかも確認してください。
HSTS設定とサーバーログの確認
HSTS(HTTP Strict Transport Security)を有効にしている場合、設定に誤りがあるとサイト全体にアクセス不能になる可能性があります。サーバーのエラーログ(error.log)でSSLハンドシェイクに関連する警告が出ていないかも確認してください。
類似エラーコードの違いとリスクの判断基準
SSL関連のエラーは種類が多く、それぞれ原因と対処法が異なります。

エラーを再発させないための予防策
SSL証明書の自動更新を設定する
手動更新は期限切れの原因になります。「Let’s Encrypt」を利用している場合はCertbotで自動更新タスクを設定してください。有料証明書の場合も、有効期限の30〜60日前にアラートが届くよう管理体制を整えましょう。
ブラウザとOSを常に最新の状態に保つ
ブラウザ側のセキュリティ仕様は日々厳格化されており、古いTLSプロトコルへの対応が順次廃止されています。ブラウザ・OS・Webサーバーソフトウェア(OpenSSL等)は常に最新の安定版にアップデートしましょう。
定期的にSSLチェッカーツールで確認する
「SSL Labs」などの無料ツールを使って定期的にSSL設定を確認する習慣をつけましょう。証明書の有効期限・TLSバージョン・暗号スイートの設定状況を一覧で確認できます。
安全でないサイトに関連する被害事例・注意すべき手口2選
事例1:偽決済画面によるカード情報流出
たち吉オンラインショップでは、サイト内の脆弱性を悪用され、決済システムが改ざんされる被害が発生しました。攻撃者はカード情報を盗み取るための偽の入力画面を設置しており、677名のクレジットカード情報が外部に流出した可能性があります。正規サイトに見えても、警告表示や不自然な決済画面が出た場合は、カード情報を入力せず利用を中止することが重要です。
事例2:公式サイト改ざんによる情報流出
ソースネクスト株式会社では、公式サイトが不正アクセスを受け、顧客のクレジットカード情報11万2,132件や個人情報12万982件が流出した可能性が公表されています。調査では、サイトに内在していた脆弱性を利用され、決済システムが改ざんされた履歴が確認されました。公式サイトであっても、警告が表示されたり、通常と異なる画面が出たりした場合は、入力を避けて確認することが大切です。
よくある質問(FAQ)
Q. 「このサイトは安全に接続できません」と出ても、そのまま見ることはできますか?
技術的には可能です。警告画面の「詳細設定」→「〇〇へ進む(安全ではありません)」からアクセスを続行できます。ただし、クレジットカード情報やパスワードなどの個人情報を入力するサイトでは絶対に続行しないでください。通信が盗聴・改ざんされるリスクがあります。
Q. 特定のサイトだけでエラーが出る場合はどうすればいいですか?
そのサイト側の設定(SSL証明書の期限切れやTLSバージョン不一致)が原因の可能性が高いです。別の端末や別のネットワーク(スマホのモバイル回線等)からアクセスしても同じエラーが出る場合は、サイト管理者側の問題です。サイトの問い合わせフォームや公式SNSで状況を報告しましょう。
Q. スマホだけでエラーが出るのはなぜですか?
スマホの日時設定のずれ・接続しているWi-Fiの問題・ブラウザのキャッシュが原因のことが多いです。まずモバイル回線(4G/5G)に切り替えてアクセスし直してみてください。それで解消されれば、Wi-Fiのプロキシ設定やルーターの問題が原因です。
Q. セキュリティソフトを停止するのは危険ですか?
一時的な停止はリスクがあります。原因の切り分けのために短時間停止するのは有効ですが、停止したまま放置しないでください。確認後は必ず再有効化し、問題が解決した場合はソフトの設定で該当サイトを除外リストに追加することで、次回から停止せずに済みます。
Q. 自分のサイトでこのエラーが出ている場合、まず何をすればいいですか?
まずSSL証明書の有効期限を「SSL Labs」で確認してください。次にサーバーのエラーログを確認し、SSLハンドシェイクに関する警告がないかをチェックします。原因が特定できない場合は、ホスティング会社のサポートに問い合わせるのが最も早い解決策です。
まとめ
「このサイトは安全に接続できません」エラーは、ブラウザとサーバー間の暗号化通信の設定に問題があるときに表示されます。閲覧者側の原因であれば、キャッシュの削除・日時設定の確認・拡張機能の無効化・VPNの停止を順に試すことで多くのケースが解決します。
スマホの場合もモバイル回線への切り替えやキャッシュ削除が有効です。 サイト管理者側の問題であれば、SSL証明書の有効期限と中間証明書の設定・TLS 1.2/1.3への移行・サーバーログの確認を重点的に行ってください。再発防止には証明書の自動更新とSSLチェッカーによる定期的な監視が効果的です。
警告が出ているサイトに個人情報やクレジットカード情報を入力することは絶対に避け、まずはブラウザのキャッシュクリアから試してみましょう。






























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警告が出ているサイトでは、クレジットカード情報・パスワード・個人情報を絶対に入力しないでください。通信が盗聴・改ざんされるリスクがあります。「詳細設定」→「〇〇へ進む(安全ではありません)」は、危険を承知のうえでのアクセスになります。