Rustとは?メモリ安全性の仕組み・NSA推奨の理由・C/C++との違い・採用事例を徹底解説|サイバーセキュリティ.com

Rustとは?メモリ安全性の仕組み・NSA推奨の理由・C/C++との違い・採用事例を徹底解説



「C/C++のコードが原因でメモリ安全性の脆弱性が発生する」「Microsoftは、MSRCがCVEを割り当てるセキュリティ問題の約70%がメモリ安全性の問題に起因すると説明している」「NSAがRustを含むメモリ安全なプログラミング言語の利用を推奨している」——こうした背景から、システムプログラミング言語「Rust」がセキュリティ分野で注目されています。

Rust(ラスト)とは、所有権・借用・ライフタイムといった仕組みにより、safe Rustの範囲でメモリ安全性とデータ競合の防止を強く支援するシステムプログラミング言語です。ガベージコレクションを使わず、低レベル制御と高い実行性能を両立しやすい点が特徴です。

Rustは、メモリ安全性を高める有力な選択肢ですが、すべての脆弱性を自動的に防ぐわけではありません。unsafeブロック、外部Cライブラリとの連携、認証・認可の設計ミス、SQLインジェクション、XSS、設定ミスなどは、Rustを使っていても発生する可能性があります。

Rustとは?

Rust(ラスト)とは、メモリ安全性・スレッド安全性を高めながら、ガベージコレクションなしで高い実行性能を目指せるシステムプログラミング言語です。

Rustは、MozillaのGraydon Hoare氏による個人プロジェクトを出発点とし、Mozilla Researchなどで開発が進められました。2015年にRust 1.0がリリースされ、現在はRust Foundationを中心に、コミュニティと企業が開発・運営を支えています。

「安全装備付きの高性能車」のたとえ
Rustは「安全装備が標準搭載された高性能車」のようなものです。C/C++のように低レベルな制御や高い性能を目指しつつ、所有権や借用チェックによって、メモリの不正利用をコンパイル時に発見しやすくします。ただし、unsafeブロックや外部Cライブラリとの連携部分では、開発者によるレビューとテストが引き続き重要です。

Rustの基本情報

項目 内容
管理・運営 Rust Foundation、Rustプロジェクト、コミュニティ、支援企業など
安定版リリース 2015年(Rust 1.0)
ライセンス Apache License 2.0 / MIT License
主な特徴 所有権、借用、ライフタイム、パターンマッチ、ゼロコスト抽象化、強い型システム
主な用途 システムプログラミング、OS、組み込み、WebAssembly、ネットワーク、CLI、セキュリティツール、インフラ
注意点 所有権・借用・ライフタイムの学習コストが高く、unsafeやFFIの扱いには注意が必要

なぜRustがセキュリティで重要なのか

Rustがセキュリティ分野で注目される理由は、C/C++などで発生しやすいメモリ安全性の問題を、safe Rustの範囲で防ぎやすくする設計にあります。

メモリ安全性の脆弱性が引き起こす問題

Microsoftは、MSRCがCVEを割り当てるセキュリティ問題の約70%がメモリ安全性の問題に起因すると説明しています。また、GoogleもChromiumやAndroidなどの大規模ソフトウェアにおいて、メモリ安全性の問題が深刻な脆弱性の大きな割合を占めてきたことを報告しています。

メモリ安全性の問題には、以下のようなものがあります。

  • バッファオーバーフロー:配列やバッファの範囲外にデータを書き込み、隣接するメモリを破壊する
  • Use After Free(UAF):解放済みのメモリ領域にアクセスする
  • Null Pointer Dereference:NULLポインターを参照し、クラッシュやサービス停止につながる可能性がある
  • ダングリングポインター:無効なメモリアドレスを指すポインターを使ってしまう
  • データ競合:複数スレッドが同じメモリを不適切に同時読み書きする
  • 二重解放:同じメモリ領域を複数回解放してしまう


なぜC/C++でメモリ安全性の問題が起きやすいのか

C/C++では、メモリの確保・解放やポインター操作をプログラマーが細かく制御できます。これは、OS、組み込み、ドライバー、ゲームエンジン、高性能サーバーなどで大きな強みになります。

一方で、自由度が高い分、配列の境界チェック不足、解放済みメモリへのアクセス、ポインターの寿命管理ミス、複数スレッド間の競合などが発生しやすくなります。こうしたバグは、クラッシュだけでなく、任意コード実行や権限昇格、情報漏えいにつながることがあります。

Rustは、このような問題を言語仕様とコンパイラによって減らすことを目指しています。

Rustのメモリ安全性を実現する3つの仕組み

Rustの特徴を理解するうえで重要なのが、所有権、借用、ライフタイムです。これらの仕組みにより、メモリ管理と参照の安全性をコンパイル時に確認します。

①所有権(Ownership)

Rustでは、各値に「所有者」があります。所有者がスコープを外れると、その値は自動的に破棄されます。

  • 各値には基本的に1つの所有者がある
  • 所有者がスコープを外れると値が破棄される
  • 所有権の移動により、二重解放や解放済みメモリへのアクセスを防ぎやすくする

この仕組みにより、C/C++のように `free()` や `delete` を明示的に呼び出さなくても、メモリの解放タイミングをコンパイラが管理しやすくなります。

②借用(Borrowing)と参照

借用とは、所有権を移さずに値を参照する仕組みです。Rustでは、不変参照と可変参照のルールが厳密に管理されます。

  • 不変参照(&T):読み取り専用の参照。複数同時に持てる
  • 可変参照(&mut T):書き込み可能な参照。基本的に同時に1つだけ持てる
  • 不変参照と可変参照の同時利用制限:読み取り中に別の場所から書き換えるような競合を防ぐ

この仕組みにより、複数スレッドや複数箇所から同じデータを不適切に更新する問題を防ぎやすくなります。

③ライフタイム(Lifetime)

ライフタイムとは、参照が有効である期間を表す概念です。Rustのコンパイラは、参照が指している値よりも長く生き残らないかを確認します。

たとえば、関数の中で作った一時的な値への参照を、関数の外へ返してしまうと、関数終了後に無効なメモリを参照することになります。Rustはこうしたダングリング参照をコンパイル時に検出しやすくします。

所有権・借用・ライフタイムが防ぎやすくする問題

  • メモリの二重解放
  • 解放済みメモリへのアクセス(Use After Free)
  • ダングリングポインター
  • データ競合
  • 不適切な参照の長期保持

safe Rustの範囲では、こうした問題の多くをコンパイル時に検出できます。ただし、unsafeブロックや外部Cライブラリとの連携部分は、開発者による安全性確認が必要です。

RustとC/C++のセキュリティ比較

RustとC/C++は、いずれもシステムプログラミングで使われる言語ですが、メモリ管理の考え方が大きく異なります。

比較項目 C/C++ Rust
メモリ管理 手動管理が中心。malloc/free、new/delete、ポインター操作などを開発者が扱う 所有権システムにより、GCなしでメモリ解放のタイミングを管理しやすい
バッファオーバーフロー 境界チェックが不十分な場合に発生しやすい safe Rustの通常の配列・スライスアクセスでは境界チェックが行われ、範囲外アクセスはパニックとして扱われる
Use After Free 手動解放や所有関係の複雑さにより発生しやすい safe Rustでは所有権とライフタイムにより、多くの場合コンパイル時に防止される
データ競合 スレッド間で不適切な共有があると、実行時まで発見しにくい場合がある 借用チェッカーや型システムにより、safe Rustではデータ競合を防ぎやすい
NULL参照 NULLポインター参照によりクラッシュする可能性がある 値が存在しない可能性をOption型で表現し、明示的な処理を促す
パフォーマンス 低レベル制御により高性能を出しやすい GCなしで高性能を目指せる。用途によってC/C++に近い性能を出しやすい
学習コスト ポインターや手動メモリ管理の理解が必要 所有権・借用・ライフタイムの習得が必要

NSA・Google・Microsoft・CISAがメモリ安全な言語に注目する理由

NSAのガイダンス

NSAは、ソフトウェア開発者やITリーダー向けに、メモリ安全性の問題からソフトウェアを保護するためのガイダンスを公開しています。その中で、C/C++などのメモリ安全でない言語を使い続ける場合のリスクを指摘し、可能な場合はメモリ安全な言語への移行を検討するよう推奨しています。

NSAが例示するメモリ安全な言語には、Rustのほか、C#、Go、Java、Python、Swiftなども含まれます。つまり、NSAがRustだけを単独で推奨しているというより、用途に応じてメモリ安全な言語を選ぶことを推奨していると理解するのが正確です。

Googleの取り組み

Googleは、AndroidコードベースへのRust導入を進めています。Googleの報告では、Androidの脆弱性全体に占めるメモリ安全性の問題の割合が、2019年の76%から2022年の35%へ低下したとされています。

これは、メモリ安全な言語を新規コードや高リスク領域に導入することで、メモリ安全性に起因する脆弱性の割合を下げられる可能性を示す実例として注目されています。

Microsoftの取り組み

Microsoftは、MSRCがCVEを割り当てるセキュリティ問題の約70%がメモリ安全性の問題に起因すると説明しています。そのため、MicrosoftはRustを含むメモリ安全な言語や、既存のC/C++コードに対するハードニング、サンドボックス、静的解析などの取り組みを進めています。

近年では、Windows関連の一部コンポーネントにRustを導入する取り組みも紹介されています。

CISAなどの動向

CISAやNSAなどの米国・同盟国の機関は、重要なソフトウェアにおけるメモリ安全性の向上を重視しており、ソフトウェアメーカーに対してメモリ安全な言語の採用や、既存コードのハードニングを求めるガイダンスを公開しています。

特に、重要インフラ、政府機関、医療、金融、クラウド基盤など、脆弱性の影響が大きい分野では、メモリ安全性をソフトウェア調達や開発方針の一部として考えることが重要になっています。

Rustが防ぎやすくする主な脆弱性の種類

Rustは、safe Rustの範囲でメモリ安全性の問題を防ぎやすくします。ただし、すべての脆弱性を防ぐわけではありません。

脆弱性の種類 C/C++でのリスク Rustでの防御
バッファオーバーフロー 境界チェック不足により、隣接メモリの破壊や任意コード実行につながる場合がある safe Rustの通常アクセスでは境界チェックが行われ、範囲外アクセスはパニックとして扱われる
Use After Free 解放済みメモリへのアクセスにより、クラッシュ、情報漏えい、任意コード実行につながる場合がある 所有権とライフタイムにより、safe Rustでは多くの場合コンパイル時に防止される
データ競合 複数スレッドが同じデータを不適切に同時更新し、不整合やクラッシュを引き起こす 借用チェッカーや型システムにより、safe Rustではデータ競合を防ぎやすい
整数オーバーフロー サイズ計算ミスや境界チェック不足と組み合わさり、メモリ破壊につながる場合がある Rustではデバッグビルドでパニックするほか、checked_add、saturating_add、wrapping_addなど意図を明示する演算を使える。ただしリリースビルドや設定により挙動が異なるため注意が必要
NULL参照 NULLポインター参照によりクラッシュやサービス停止につながる場合がある Option型により、値が存在しない可能性を明示的に扱う

Rustの実際の採用事例

Rustは、OS、ブラウザ、クラウドインフラ、セキュリティツールなど、低レイヤーかつ安全性が重要な分野で採用が進んでいます。

OS・システムソフトウェア

  • Linuxカーネル:Rust for Linuxの取り組みにより、カーネル開発でRustを利用する動きが進んでいます
  • Windows関連コンポーネント:Microsoftが一部コンポーネントでRust導入を進めています
  • Android:GoogleがAndroidの新規コードや高リスク領域でRustなどのメモリ安全な言語の導入を進めています

セキュリティツール・インフラ

  • CloudflareHTTPプロキシ「Pingora」など、性能と安全性が重要なインフラ領域でRustが使われています
  • AWS:FirecrackerやBottlerocketなど、仮想化・コンテナ関連の一部プロジェクトでRustが使われています
  • CLI・セキュリティツール:高速なコマンドラインツール、ファジングツール、スキャナ、パーサーなどの実装でRustが使われることがあります

ブラウザ・WebAssembly

  • Firefox:MozillaのブラウザコンポーネントでRustが利用されてきました
  • WebAssembly:RustはWebAssemblyへのコンパイルに対応しており、ブラウザやサーバーレス環境での利用も進んでいます

Rustの限界と注意点

Rustはセキュリティ上のメリットが大きい言語ですが、万能ではありません。採用時には以下の点に注意が必要です。

unsafeブロックの存在

Rustには `unsafe` キーワードを使う領域があります。unsafeでは、生ポインターの参照、外部関数呼び出し、低レイヤーのメモリ操作など、safe Rustでは禁止または制限される処理を扱えます。

OS、組み込み、ドライバー、FFIなどではunsafeが必要になる場合がありますが、unsafe内の安全性はコンパイラが全面的に保証するわけではありません。unsafeの利用は最小限にし、レビュー、テスト、ファジング、静的解析を組み合わせることが重要です。

ロジックエラーは防がない

Rustが主に防ぎやすくするのは、メモリ安全性やデータ競合の問題です。以下のようなアプリケーションレベルの脆弱性は、Rustを使っていても発生します。

  • 認証・認可の設計ミス
  • SQLインジェクション
  • XSS
  • CSRF
  • 設定ミス
  • 依存ライブラリの脆弱性
  • 暗号の誤用

Rustを採用しても、セキュア設計、コードレビュー、脆弱性診断、依存関係管理、ログ監視は引き続き必要です。

学習コストの高さ

Rustの所有権、借用、ライフタイムは、C/C++やJava、Pythonなどに慣れた開発者にとって独特です。コンパイルエラーを理解しながら設計を見直す必要があり、チーム全体で習得するには一定の学習期間が必要です。

導入時は、小さなツールや新規コンポーネントから始め、既存のC/C++コードを一括で書き換えるのではなく、段階的に採用する方が現実的です。

エコシステムの成熟度

Rustのエコシステムは成長していますが、C/C++、Java、Pythonと比べると、特定分野ではライブラリや実績が少ない場合があります。特に、業務システム、組み込み、特殊なハードウェア制御、既存ベンダーSDKとの連携では、必要なライブラリが十分に成熟しているか確認が必要です。

攻撃者もRustを使うことがある

Rustは防御側にとって有用な言語ですが、攻撃者もRustを利用することがあります。Rustで書かれたマルウェアは、クロスプラットフォーム対応や解析の難しさを目的に使われることがあります。

たとえば、サイバーセキュリティ.comでは、Rustで開発されたランサムウェアとして知られるBlackCat/ALPHVや、Rust言語で書かれたQilinランサムウェアについて紹介しています。Rustを使っているから安全というわけではなく、何を作るか、どのように運用するかが重要です。


参考:Qilinランサムウェア感染時の対処法と相談先を解説|サイバーセキュリティ.com

Rustに関連して知っておきたい注意事例・実証例2選

事例1:Use After Freeやバッファオーバーフローは任意コード実行につながることがある

Rustが注目される背景には、C/C++などで発生しやすいメモリ安全性の問題があります。サイバーセキュリティ.comのUAF解説では、解放済みのメモリ領域へ再度アクセスすることで、プログラムの異常終了や任意コード実行、サービス拒否攻撃など、深刻な影響を引き起こすリスクがあると説明されています。

また、バッファオーバーフローは、配列やバッファの境界を超えてデータを書き込むことで、隣接するメモリ領域を破壊する脆弱性です。C/C++のようにメモリ管理を手動で行う言語では、こうした問題がセキュリティリスクにつながることがあります。

Rustのsafeなコードでは、所有権・借用・ライフタイム・境界チェックなどにより、Use After Free、ダングリングポインター、データ競合、範囲外アクセスの多くをコンパイル時または実行時に防ぎやすくなります。ただし、unsafeブロックやFFIを使う場合は、Rustの安全性保証の外になる部分があるため、レビューとテストが重要です。


事例2:Androidでメモリ安全な言語の採用が進み、脆弱性割合が低下

Rustの効果を示す実証例として、GoogleのAndroidにおける取り組みがあります。GoogleはAndroidでRustなどのメモリ安全な言語の導入を進め、Androidの脆弱性全体に占めるメモリ安全性の問題の割合が、2019年の76%から2022年の35%へ低下したと報告しています。

Googleは、Android 13に追加された新規コードの多くがメモリ安全な言語で書かれていることも説明しています。これは、メモリ安全な言語を新規コードや高リスクコンポーネントに導入することが、脆弱性の発生数を減らす有効な手段になり得ることを示しています。

ただし、Rustを採用すればすべての脆弱性がなくなるわけではありません。認証・認可の設計ミス、SQLインジェクション、XSS、設定ミス、依存ライブラリの脆弱性などは、言語選択とは別に対策が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q. Rustはすべてのメモリ安全性の問題を防げますか?

safe Rustの範囲では、Use After Free、二重解放、ダングリング参照、データ競合、範囲外アクセスなど、多くのメモリ安全性問題をコンパイル時または実行時に防ぎやすくなります。

ただし、unsafeブロック、外部Cライブラリとの連携、コンパイラや標準ライブラリのバグ、ロジックエラーは別です。Rustはメモリ安全性の問題を大幅に減らすための有力な手段ですが、セキュアコーディング全般の代替ではありません。

Q. C/C++のコードをすぐにRustに書き換えるべきですか?

既存の大規模なC/C++コードを一括してRustに書き換えることは、多くの場合現実的ではありません。まずは、新規コンポーネント、高リスクなパーサー、外部入力を扱う処理、ネットワーク境界に近い処理などから段階的にRustを採用する方法が現実的です。

また、既存のC/C++コードをRustから呼び出すFFIを使い、徐々にRustの領域を増やす方法もあります。ただし、FFI境界ではunsafeが必要になることが多いため、インターフェース設計とレビューが重要です。

Q. Rustの学習コストはどのくらいですか?

Rustは、所有権、借用、ライフタイムといった独自の概念があるため、学習コストは比較的高めです。特に、C/C++やJava、Pythonに慣れた開発者でも、最初はコンパイラのエラーに悩むことがあります。

一方で、コンパイラの指摘に従って設計を見直すことで、メモリ安全性や並行処理の安全性について学びやすい面もあります。小さなCLIツール、ログ処理、パーサー、ネットワークユーティリティなどから始めると導入しやすいでしょう。

Q. セキュリティ担当者がRustを学ぶ必要はありますか?

セキュリティ担当者全員がRustを書ける必要はありません。ただし、Rustがどのようにメモリ安全性を高めるのか、C/C++のメモリ安全性問題がなぜ危険なのか、unsafeやFFIにどのようなリスクがあるのかを理解しておくことは有益です。

ソフトウェア調達、セキュア開発ガイドライン、脆弱性診断、コードレビュー、SBOM、依存関係管理などの場面で、メモリ安全な言語の採用を検討する判断材料になります。

Q. RustはPythonやJavaと比べて何が違いますか?

PythonやJavaは、ガベージコレクションなどのランタイムによってメモリ管理を行う高レベル言語です。Webアプリケーション、業務システム、データ処理、スクリプトなどで広く使われています。

Rustは、ガベージコレクションなしでメモリ管理を行い、OS、組み込み、ネットワーク、インフラ、CLI、WebAssemblyなど、C/C++が使われてきた領域を主な対象にしています。低レベル制御と安全性を両立しやすい点が特徴です。

まとめ

Rustは、所有権・借用・ライフタイムといった仕組みにより、safe Rustの範囲でメモリ安全性とデータ競合の防止を強く支援するシステムプログラミング言語です。ガベージコレクションを使わず、高い実行性能と低レベル制御を両立しやすい点が特徴です。

C/C++では、バッファオーバーフロー、Use After Free、ダングリングポインター、二重解放、データ競合などのメモリ安全性問題が深刻な脆弱性につながることがあります。Microsoft、Google、NSA、CISAなどがメモリ安全な言語に注目する背景には、こうした問題が大規模ソフトウェアのセキュリティに与える影響の大きさがあります。

Rustは、Linuxカーネル、Android、Windows関連コンポーネント、Cloudflare、AWS、Firefox、WebAssemblyなど、さまざまな分野で採用が進んでいます。一方で、unsafeブロック、FFI、ロジックエラー、依存ライブラリ、学習コストといった課題もあります。

Rustを採用すればすべての脆弱性がなくなるわけではありません。しかし、新規開発や高リスクコンポーネントにおいて、メモリ安全な言語を選択することは、セキュリティ上の有効な選択肢です。セキュリティ担当者や開発チームは、Rustの安全性の仕組みと限界を理解し、既存のセキュア開発・脆弱性管理・依存関係管理と組み合わせて活用することが重要です。

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