「PCにPC App Storeというアプリが突然インストールされた」「PC App Storeを削除しようとしても消えない」「PC App Storeはウイルスなの?」——こうした悩みを抱えているWindowsユーザーは少なくありません。
PC App Storeとは、マイクロソフトの「Microsoft Store」やAppleの「App Store」とは無関係の望ましくないプログラム(PUP:Potentially Unwanted Program)です。フリーソフトのインストーラーに同梱されてインストールされたり、広告や偽の警告画面から導入を促されたりすることがあります。
本記事では、PC App Storeとは何か・主な挙動・感染経路・完全な削除方法(通常のアンインストール・残存ファイル・レジストリ・ブラウザリセット)・再感染防止策・被害事例・FAQまで徹底解説します。
PC App Storeとは?
PC App Store(PCアップストア)とは、マイクロソフトやAppleの公式アプリストアとは無関係の、望ましくないプログラム(PUP)やアドウェアとして扱われることがあるソフトウェアです。「アプリストア」という名称を使って正規のソフトウェアのように見せますが、実際には広告表示、不要なアプリの導入促進、ブラウザ設定の変更など、迷惑な挙動を示すことがあります。

PC App Storeの主な問題点
- 知らない間にインストールされることがある:フリーソフトのインストーラーに同梱され、注意深く確認しないと一緒に入ってしまう場合がある
- ポップアップ広告を表示する:ブラウザやデスクトップ上に不審な広告が表示されることがある
- ブラウザの設定を変更することがある:ホームページ・検索エンジン・新しいタブの設定が変わる場合がある
- PCの動作が重くなることがある:バックグラウンドで動作し、CPU・メモリ・通信量を消費することがある
- 閲覧データを収集する可能性がある:閲覧履歴や検索キーワードが広告配信などに利用されるおそれがある
- 別の不審なソフトへ誘導されることがある:偽のアップデート通知や警告画面を通じて、さらに別の不要なソフトの導入を促される場合がある
PC App Storeの感染経路
PC App Storeがなぜインストールされたのか、主な経路を解説します。
フリーソフトへのバンドル
最も多いのが、無料のソフトウェアに同梱されるケースです。動画変換ソフト、ダウンロードツール、PDF変換ソフト、ゲーム関連ツールなどのインストーラーに「おすすめソフト」として含まれていることがあります。
インストール時に「推奨設定」「高速インストール」を選ぶと、追加ソフトのチェックを見落とし、一緒にインストールされることがあります。「カスタムインストール」「詳細インストール」を選び、不要な追加ソフトのチェックを外すことが重要です。
不審なWebサイトからのダウンロード
「無料ダウンロード」「今すぐインストール」「最新版はこちら」などと表示する非公式のダウンロードサイトから、不審なインストーラーを入れてしまうケースがあります。公式サイトに見せかけた偽サイトや広告経由のダウンロードにも注意が必要です。
偽のアップデート通知
「ブラウザを更新してください」「セキュリティソフトが古くなっています」「重要なアップデートがあります」などの偽ポップアップをクリックし、不要なソフトをインストールしてしまうケースがあります。
フィッシングメールやSNSの不審なリンク
メールやSNSのDMに含まれる不審なリンクをクリックし、そこからインストーラーをダウンロードしてしまうケースもあります。知らない送信者から届いたリンクや添付ファイルは開かないようにしましょう。
PC App Storeを完全に削除する方法(5ステップ)

PC App Storeは、通常のアンインストールだけでは関連ファイルやブラウザ設定が残ることがあります。以下の手順を順番に実施し、削除後にブラウザ設定とセキュリティスキャンを確認してください。作業前には、重要なデータやブラウザのブックマークをバックアップしておくと安心です。
ステップ1:インターネット接続を一時的に切る
不審な広告表示や外部通信が続いている場合は、まずインターネット接続を一時的に切ります。
- 有線LANの場合:LANケーブルを抜く
- Wi-Fiの場合:Wi-Fiをオフにする
これにより、追加のソフトがダウンロードされたり、不審な通信が続いたりするリスクを一時的に下げられます。
ステップ2:通常のアンインストールを実行する
まずはWindowsの標準機能からPC App Storeをアンインストールします。
- 「スタート」を右クリックする
- Windows 11の場合は「インストールされているアプリ」を開く
- Windows 10の場合は「アプリと機能」を開く
- 一覧から「PC App Store」または類似名の不審なアプリを探す
- 「アンインストール」をクリックする
同時に、インストール日が近い不審なアプリも確認してください。特に「Search」「Download」「Manager」「Helper」「Update」「Browser」などの単語を含む見覚えのないアプリは注意が必要です。
ステップ3:セーフモードで再確認する
通常モードで削除できない場合や、削除しても再表示される場合は、セーフモードで起動して再度アンインストールを試します。
- 「スタート」→「電源」を開く
- Shiftキーを押しながら「再起動」をクリックする
- 「オプションの選択」→「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」を選択する
- 再起動後の画面で「4」または「F4」を押して「セーフモードを有効にする」を選択する
- セーフモードで起動後、再度「アプリと機能」または「インストールされているアプリ」から削除する
ステップ4:残存ファイル・フォルダを確認する
通常のアンインストール後も、関連ファイルが残っている場合があります。以下の場所を確認し、「PC App Store」「PCAppStore」などの関連フォルダがあれば削除します。
- 「Windows + R」→「%AppData%」と入力してRoamingフォルダを開く
- 「PC App Store」または「PCAppStore」という名前のフォルダがあれば削除する
- 同様に「%LocalAppData%」「%ProgramData%」「%ProgramFiles%」「%ProgramFiles(x86)%」も確認する
見覚えのないフォルダをむやみに削除すると、正常なアプリに影響することがあります。判断が難しい場合は、フォルダ名や作成日時を確認し、不安な場合は削除前にバックアップを取ってください。
ステップ5:マルウェア対策ソフトでフルスキャンを実行する
最後に、Windows セキュリティまたは信頼できるマルウェア対策ソフトでフルスキャンを実行します。
- 「設定」→「Windows セキュリティ」→「ウイルスと脅威の防止」を開く
- 「スキャンのオプション」を選択する
- 「フルスキャン」または「Microsoft Defender オフラインスキャン」を選択する
- 「今すぐスキャン」をクリックする
通常のスキャンで削除できない場合は、Microsoft Defender オフラインスキャンを実行してください。Windowsの起動前に検査できるため、常駐型の不審プログラムを検出しやすくなります。
レジストリのクリーンアップについて
PC App Storeの関連エントリがレジストリに残ることがあります。ただし、レジストリの誤った編集はWindowsの動作に深刻な影響を与える可能性があります。
レジストリの編集に慣れていない場合は、無理に手動削除せず、Windows セキュリティや信頼できるマルウェア除去ツールでの自動削除を優先してください。
手動で確認する場合は、以下の手順で慎重に行います。
- 「Windows + R」→「regedit」と入力してレジストリエディタを開く
- 作業前に「ファイル」→「エクスポート」でバックアップを取得する
- 「編集」→「検索」で「PC App Store」または「PCAppStore」を検索する
- 関連するエントリが明らかに不要なものと判断できる場合のみ削除する
- 「F3」で次のエントリを検索して確認する
ブラウザのリセット方法
PC App Storeによってブラウザのホームページ・検索エンジン・拡張機能が変更されている場合、ブラウザ設定をリセットします。
Google Chromeのリセット
- Chrome右上の「︙」→「設定」を開く
- 左メニューの「設定のリセット」を開く
- 「設定を元の既定値に戻す」をクリックする
- 「設定のリセット」をクリックして確認する
- 「拡張機能」(chrome://extensions/)を開いて不審な拡張機能を削除する
Microsoft Edgeのリセット
- Edge右上の「…」→「設定」を開く
- 左メニューの「設定のリセット」を開く
- 「設定を既定値に戻す」をクリックする
- 「リセット」をクリックして確認する
- 「拡張機能」(edge://extensions/)を開いて不審な拡張機能を削除する
Mozilla Firefoxのリセット
- Firefox右上の「≡」→「ヘルプ」を開く
- 「他のトラブルシューティング情報」を開く
- 「Firefoxをリフレッシュ」をクリックする
- 確認画面で「Firefoxをリフレッシュ」を選択する
再感染を防ぐための対策
フリーソフトのインストール時は「カスタムインストール」を選ぶ
フリーソフトをインストールする際は「推奨インストール」「高速インストール」ではなく、「カスタムインストール」「詳細インストール」を選びます。追加ソフトウェアのチェックボックスが表示される場合があるため、不要なものはすべてチェックを外してください。
インストール時に確認すべきポイント
- 「追加のソフトウェアをインストールする」などのチェックボックスを確認する
- 「同意する」ボタンの前に内容を確認する
- 「次へ」を連打しない
- 不審なツールバー・検索エンジン・最適化ソフトの追加を許可しない
ソフトウェアは公式サイトからダウンロードする
フリーソフトは必ず公式サイトからダウンロードしましょう。非公式のダウンロードサイトや広告経由のダウンロードリンクでは、インストーラーに不要なソフトが同梱されている場合があります。
偽の警告画面を信用しない
「ウイルスに感染しました」「今すぐ更新してください」「この番号に電話してください」などの警告がブラウザ上に表示された場合、サポート詐欺や偽警告の可能性があります。表示された電話番号に連絡したり、案内されたソフトをインストールしたりしないでください。
広告ブロッカーを使用する
ブラウザに広告ブロッカーを導入することで、偽のアップデート通知や不審なダウンロード広告を表示しにくくできます。ただし、広告ブロッカーだけですべての脅威を防げるわけではないため、URL確認や公式サイト利用も併せて行いましょう。
Windows セキュリティを常に有効にする
「設定」→「Windows セキュリティ」→「ウイルスと脅威の防止」で、リアルタイム保護が有効になっていることを確認します。Windows セキュリティは多くのPUP・アドウェア・マルウェアの検出に役立ちます。
ブラウザの設定を定期的に確認する
定期的にブラウザのホームページ・検索エンジン・拡張機能を確認し、身に覚えのない変更がないかチェックします。見覚えのない拡張機能がある場合は削除してください。
PC App Storeに関連する被害・注意事例2選
事例①:偽警告からサポート詐欺に誘導されるケース
PC App StoreのようなPUPやアドウェアにより、ブラウザ上に不審な広告や偽のセキュリティ警告が表示されることがあります。サイバーセキュリティ.comの記事でも、「Microsoftの警告」「ウイルスに感染しています」「今すぐ電話してください」といった表示は、サポート詐欺の一種であることが少なくないと説明されています。
こうした偽警告は、利用者の不安をあおり、表示された電話番号へ連絡させたり、遠隔操作ソフトや不要なセキュリティソフトをインストールさせたりする手口につながります。PC App Storeを削除するだけでなく、ブラウザの通知設定・拡張機能・検索エンジン設定を確認し、偽警告の原因となる設定をリセットすることが重要です。
参考:マイクロソフト詐欺の消し方と対処法:偽警告を安全に閉じるためのポイント|サイバーセキュリティ.com
事例②:悪質アプリのインストールによる個人情報漏洩・遠隔操作リスク
PC App Storeのような不要なソフトが入り込む環境では、別の悪質アプリや不審なツールも同時にインストールされている可能性があります。サイバーセキュリティ.comの記事でも、悪質なアプリにはマルウェアが含まれるものがあり、金銭的被害、遠隔操作、個人情報漏洩など深刻な被害につながると説明されています。
PC App Storeを削除した後も、インストール日が近い不審なアプリ、見覚えのないブラウザ拡張機能、勝手に追加された通知許可、AppDataやProgramData内の残存ファイルを確認する必要があります。通常のアンインストールだけで安心せず、マルウェアスキャンとブラウザリセットまで行うことが重要です。
参考:悪質アプリをインストールしてしまったら?リスクや対処法を解説|サイバーセキュリティ.com
よくある質問(FAQ)
Q. PC App Storeはウイルスですか?
PC App Storeは、厳密には自己増殖するウイルスではなく、PUP(望ましくないプログラム)やアドウェアとして扱われることが多いソフトです。ただし、広告表示、ブラウザ設定の変更、別の不審なソフトへの誘導など、セキュリティ上のリスクがあるため、見つけた場合は削除をおすすめします。
Q. PC App Storeを「アプリと機能」から削除できません
通常のアンインストールが失敗する場合は、セーフモードで起動してから削除を試してください。それでも削除できない場合は、Windows セキュリティのフルスキャンやMicrosoft Defender オフラインスキャン、信頼できるマルウェア除去ツールを利用してください。
Q. PC App Storeを削除したのにブラウザが元に戻りません
PC App Storeを削除しても、ブラウザのホームページ・検索エンジン・拡張機能・通知設定は自動的に元に戻らないことがあります。Chrome、Edge、Firefoxの設定をリセットし、不審な拡張機能や通知許可を削除してください。
Q. PC App Storeをインストールした覚えがありません。なぜ入ったの?
フリーソフトのインストーラーに同梱されていた可能性があります。「推奨インストール」「高速インストール」を選ぶと、追加ソフトが一緒にインストールされる場合があります。今後は「カスタムインストール」を選び、追加ソフトのチェックを外してください。
Q. スマホにもPC App Storeはインストールされますか?
PC App Storeは主にWindowsを対象としたソフトです。ただし、スマートフォンにも別のPUP・アドウェア・悪質アプリは存在します。スマホでも公式ストア以外からアプリをインストールしないこと、不審な警告画面からアプリを入れないことが重要です。
まとめ
PC App Storeは、マイクロソフトのMicrosoft StoreやAppleのApp Storeとは無関係の望ましくないプログラム(PUP)です。フリーソフトへのバンドル、不審なダウンロードサイト、偽のアップデート通知などをきっかけにインストールされ、広告表示、ブラウザ設定の変更、別の不審なソフトへの誘導などの問題を引き起こすことがあります。
削除する際は、インターネット接続の一時遮断、通常のアンインストール、セーフモードでの確認、残存ファイルの削除、マルウェアスキャン、ブラウザリセットを順に行います。レジストリ編集は上級者向けのため、不安な場合は手動で削除せず、セキュリティソフトでの自動検出を優先してください。
再感染を防ぐには、フリーソフトのインストール時に「カスタムインストール」を選ぶこと、公式サイトからのみダウンロードすること、偽警告を信用しないこと、Windows セキュリティを有効にしておくことが重要です。「次へ」を連打してインストールしない習慣が、PUPやアドウェアを防ぐ最も基本的な対策です。


























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Windows 10・11に搭載されている正規のアプリストアは「Microsoft Store」です。「PC App Store」はこれとは無関係のサードパーティ製ソフトです。名称が似ているため、正規のストアアプリと勘違いしないよう注意してください。