RDDoS攻撃|サイバーセキュリティ.com

RDDoS攻撃

RDDoS攻撃(Ransom Distributed Denial of Service)とは、分散型サービス拒否(DDoS)攻撃と身代金要求を組み合わせたサイバー攻撃の一種です。攻撃者は標的となる組織のネットワークに大規模なDDoS攻撃を仕掛け、そのサービスやシステムを一時的に機能不全に陥らせるとともに、攻撃を止める見返りとして金銭を要求します。通常、ビットコインなどの仮想通貨での支払いを求められるケースが多いです。RDDoS攻撃は企業のサービス停止やユーザーに対する影響が大きいため、迅速な対応が求められる深刻な脅威です。

この攻撃は、単なるDDoS攻撃とは異なり、金銭的な要求が伴うため、攻撃対象の企業や団体に対して大きな圧力をかけることを目的としています。特に、サービス提供の停止や顧客への影響を恐れる企業に対して、身代金の支払いを強いる手法として悪用されており、サイバー犯罪者の間で拡大しています。

RDDoS攻撃の特徴

1. 大規模なDDoS攻撃を伴う威力

RDDoS攻撃では、複数のコンピュータやIoTデバイスがボットネットとして利用され、ターゲットに対して膨大なトラフィックを送り込むことでサービスを一時停止させることが目的です。この結果、Webサイトの閲覧やオンラインサービスの利用が不能になることがあります。攻撃者は、このサービス停止を盾に身代金の支払いを求めます。

2. 身代金要求と脅迫

攻撃者は、標的となる組織に対し、DDoS攻撃を止めるための身代金を要求する脅迫メッセージを送ります。この脅迫文には、身代金の支払期限が記載されていることが多く、支払いを拒否する場合には攻撃を強化する、再度攻撃を行うといった追加の脅威を示すケースもあります。

3. 匿名性と仮想通貨の利用

RDDoS攻撃は、匿名性を重視して行われることが多く、攻撃者は主にビットコインや他の暗号通貨での支払いを要求します。これにより、攻撃者の追跡が難しくなり、被害者に対してさらなる圧力をかけることが可能です。

RDDoS攻撃の影響

RDDoS攻撃が行われると、ターゲットとなった企業のWebサイトやサービスがダウンし、業務の停滞や顧客への影響が生じるため、企業にとって大きな損失となります。特に金融機関やeコマースサイト、ゲーム業界など、サービスが停止することによってユーザー体験が著しく損なわれる業種では、大きな経済的損害を被ることがあります。さらに、攻撃を受けると信頼性やブランドイメージの低下につながる可能性があり、長期的な影響も無視できません。

RDDoS攻撃への対策

1. DDoS対策サービスの導入

専用のDDoS対策サービスを利用することで、大量のトラフィックを軽減し、サービスの停止を防ぐことができます。クラウドベースのDDoSプロテクションを導入することにより、攻撃の規模が大きくても迅速に対処できる体制を構築することが可能です。

2. トラフィック監視と異常検知

通常のトラフィックと異常なトラフィックを早期に検知するために、ネットワークのモニタリングを行い、異常なアクセスを迅速に遮断する体制を整えることが必要です。ネットワークトラフィックの可視化により、攻撃の兆候を察知することができます。

3. セキュリティ対策の強化と従業員の教育

セキュリティ対策を強化するだけでなく、従業員への教育を行い、不審な通信や攻撃に気づいた際の対応策を徹底することも重要です。特に、攻撃を受けた際の対応フローや、脅迫メッセージを受け取った際の手順をあらかじめ決めておくことが有効です。

4. 身代金の支払いについて

一般的には、身代金の支払いは推奨されません。支払った場合、新たな攻撃を招く可能性が高いためです。また、攻撃者の収益を助長することにつながり、同様の攻撃が他のターゲットに向けて実行される可能性が高まります。攻撃を受けた際は、専門のセキュリティ会社や法執行機関に相談することが重要です。

まとめ

RDDoS攻撃(Ransom Distributed Denial of Service)は、サービスを一時的に停止させるDDoS攻撃と身代金の要求を組み合わせた攻撃手法です。企業やサービス提供者にとっては深刻な脅威であり、迅速な対応が求められます。専用のDDoS対策サービスやトラフィック監視を導入し、セキュリティ体制を強化することで、被害を未然に防ぐための対策が必要です。攻撃を受けた際には冷静に対応し、法的措置を含めた対策を講じることが望まれます。


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