サイバー攻撃で「DDoS攻撃」という言葉がよく出てきます。DDoS攻撃による被害を受けるケースは近年特に多くなっていますが、このDDoS攻撃とはいったいどのようなものなのでしょうか。
この記事の目次
DoS攻撃(Denial of Service attack)とは
まずDoS攻撃(Denial of Service attack)とは、ネットワーク上に存在するコンピュータが特定のコンピュータやネットワーク機器に連続した大量のアクセス許可を送ることで、通信容量を超えさせてシステムをダウンさせてしまうものです。
DDoS攻撃(Distributed Denial of Service attack)とは
そしてDDoS攻撃(Distributed Denial of Service attack)とは、それをさらに発展させたもので、ネットワーク上に存在する多くのコンピュータから、特定のコンピュータやネットワーク機器に対して、一斉に攻撃がなされ、その結果システムがダウンしてしまうというものです。
DDoS攻撃もDoS攻撃も、最近になって出てきた攻撃手法ではなく、比較的古くからあるものです。しかし、攻撃手法としてのこれらの手法はサーバやネットワークを簡単にダウンできるため非常に脅威であり、被害の際の影響も広がる傾向があります。
このDDoS攻撃の手法としては、大きく分けて2つあります。
1. インターネット上の掲示板やSNSで攻撃を呼びかける
インターネットを介して不特定多数の人々に攻撃を呼びかけ、多数のコンピュータから特定のターゲットに対して同時に攻撃を行うというものです。
2. 多数のコンピュータに攻撃用のプログラムを仕掛ける
ウィルス感染などを通して多くのコンピュータに攻撃用のトロイの木馬などのプログラムを仕掛けます。そして攻撃のタイミングをプログラムにあらかじめ設定したり、遠隔で指示したりするなどして一斉に攻撃をしかけます。
なぜDDoS攻撃が問題なのか
これらDDoS攻撃によるアクセスは、通常の正常なアクセスとなかなか区別がつけにくいため、実際に攻撃があった際に通信の内容によって選択的に防御・排除することが非常に難しくなっています。また、多数のコンピュータから一斉に攻撃が行われるため、本当の黒幕となるコンピュータの特定も非常に難しくなっています。そのため、DDoS攻撃は攻撃されると、防御することが非常に難しいものとなっています。
加えて、攻撃用のツールは利用者が気づかないままに導入されてしまいますので、そうとは知らないまま自らが攻撃者になってしまうことにも繋がりかねません。
誰でも簡単に行えてしまうという事実
また、DDoS攻撃やDoS攻撃を行うことはそう難しいことではありません。
かつてはこういった攻撃を行うにはプログラミングやネットワークに関する高い技術や知識が必要でしたが、現在ではこれらの攻撃を行うためのツールはインターネット上に出回っており、それを手に入れれば特に高度なプログラミングの知識がなくても誰でも攻撃を行うことが可能になっています。
自らを守るには?自らが攻撃者とならないためには?
では、このDDoS攻撃から自らを守り、また自らが攻撃者とならないようにするためにはどういったところに気をつければ良いのでしょうか。
1. セキュリティ対策ソフトのインストール
セキュリティ対策ソフトを導入し、確実にウィルス定義ファイルを更新することで不正なソフトウェアのインストールや、不正な攻撃を検知することが可能になります。
2. ネットワークの侵入検知システム(IDS)の設置
ネットワーク侵入検知システム(IDS)の設置は、ネットワークインフラにおける対策となります。このIDSの設置により、外部から侵入されて不正なソフトウェアをインストールされるようなことを防ぐことが出来ます。
3. インストール済み不正ソフトウェアの検知ツールの使用
不正なソフトウェアがインストールされていないかどうか確認をすることが出来ます。これらの2つの対策は端末パソコン上での対策となります。
企業のIT管理者にとってはDDoS攻撃に対して、さらに自社のネットワークや自社内の端末に対して被害が起こらないように上記のような対策を施し、さらには自社から他への攻撃が行われないように自社ネットワーク上に不審なパケットが流れてないかなどの点に注意することが重要です。
おわりに
DDoS攻撃は誰にでも簡単に行え、また攻撃に対しての防御が非常に難しいものです。このDDoS攻撃からコンピュータやネットワークを守るために、しっかりとした対策を行っていきましょう。