M2M(Machine-to-Machine)とは?概要からIoTとの違いまで徹底解説

「M2M」は「IoT」と並んで注目されている技術の一つですが、IoTとの具体的な違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。M2MとIoTの考え方は似ていますが、その中身は異なるものです。

今回は、M2Mの概要やなぜ今注目されているのか、メリット・デメリット、実際の採用事例とあわせて、IoTとの違いについて解説していきます。

M2M(Machine-to-Machine)とは

M2Mは「Machine-to-Machine」の略称であり、"機械(モノ)同士が人間を介さずに直接データをやり取りする状態"を表します。機械同士が直接データをやり取りするため、作業の自動化・効率化が行えます。

M2Mによって機械同士が相互にデータをやり取りすることができれば、生産ライン上の不具合を検知して自動停止したり、複雑で危険な仕事を機械に任せたりすることが可能です。労働者不足が懸念される現在の日本社会においては、仕事の効率化・自動化は喫緊の課題であり、M2Mは非常に注目されている技術の一つとなっています。

M2Mの仕組み

M2Mは機械同士でデータをやり取りすることができるようにネットワーク接続をする必要があります。ここでいうネットワークとは、インターネット接続やLTE接続といった外部ネットワーク接続とは限りません。

物理的に機械同士を接続するローカルネットワークを構築することや、ローカルな無線ネットワーク環境でもM2Mは実現可能です。無線通信を行うM2Mは、Wireless M2Mと表現されます。

M2Mが広がる背景と今後の展望

現代の日本社会は、15~64歳の生産年齢人口の減少が問題視されています。国の調査機関が発表したデータによれば、2000年頃をピークに生産年齢人口は減り続けており、2035年頃には1968年の調査開始時の生産年齢人口を下回ることが予想されています。このことからも、M2Mによる作業の効率化・自動化は喫緊の課題であるといえるでしょう。

さらに、ICT技術の発展により、通信機器の小型化やネットワークインフラの発達が、M2Mの推進を後押ししています。あらゆる機械が容易にネットワーク接続できる環境が整えられ始めているのです。

「ユビキタス社会」の実現が期待される

今後の展望としては、あらゆるモノをインターネットへ接続するIoTとの融合も考えられており、国が進める「ユビキタス社会」の実現が期待されています。ユビキタス社会とは、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」ネットワークにつながることで、私たちの生活をより豊かにする社会の考え方です。

スマホやパソコンを使ってインターネットを利用することで、私たちの生活は便利で豊かになりましたが、M2Mはさらに多くの機械をネットワークに接続することで、より私たちの生活を豊かすることでしょう。

参照日本の将来推計人口(平成29年推計)/国立社会保障・人口問題研究所

M2Mのメリット

M2Mの実現によるメリットを大きく4つに分けて解説します。

高度な操作が可能となる

M2Mによって機械同士がデータをやり取りできるようになることで、精密な作業や複雑で煩雑な作業が人の手を介さずに実現できます。高度な操作を機械が自動判断して実施できるようになるのです。

たとえば、自動車の自動運転にもM2Mは用いられており、人の飛び出しなどを検知して、機械同士がデータをやり取りすることで、ブレーキ操作を行うように運転システムへ伝えます。人の手を介さずに、機械が高度な操作を実現できるのです。

ヒューマンエラーを防げる

あらゆる作業において人の手を介する場合は、ヒューマンエラーは避けられません。しかし、M2Mによって機械だけで作業できるようになれば、ヒューマンエラーを防げます。

センサーによって温度や湿度の管理や、電気異常などを検知し、トラブルを未然に防ぐことも可能です。操作ミスによる事故やトラブルの解決策としてもM2Mは期待されています。

人員削減

現代の日本社会においては、人手不足の現場も少なくありません。M2Mによって機械を自動制御することで、人員削減に繋がります。今までは単純な作業しか機械では行えませんでした。しかし、M2Mによって機械同士が相互にデータをやり取りすることで、高度な操作を実現できるため、人の手を介する必要がなくなり、人員削減に繋がるのです。

作業効率UP

あらゆる機械同士が相互にデータをやり取りするため、状況判断を人間よりも素早く行えます。たとえば、農業関連では、農作物を常時監視することで収穫時期の予測や病気の予防に役立てることが可能です。

農業だけに限らず、建築・医療などのさまざまな業界においても、あらゆるデータを収集し、次のアクションを起こすための情報提供や、アクションの実施を行えるため、作業効率がアップします。

M2Mのデメリット

私たちの生活を豊かにするM2Mですが、懸念点・デメリットも存在します。セキュリティ面のデメリットとあわせて、4つのデメリットについて見ていきましょう。

サイバー攻撃で制御不能となるリスク

M2Mは機械同士をネットワーク接続することで実現していますが、サイバー攻撃を受けると機械が制御不能となるリスクを抱えています。自動車の自動運転や工業用機械では、制御不能となることで多大な損害を被ることになるでしょう。

ほかにも、カメラなどのセンサー類では、さまざまな情報を収集しているため、情報漏えいに繋がる可能性も考えられます。

規格の標準化が必要

機械同士がデータをやり取りするためには、規格の標準化が必要不可欠です。たとえば、機械Aから機械Bに日本語でデータを送っているのに、機械Bが英語しか理解できないとデータのやり取りはできませんよね。

私たちが普段利用しているコンピュータネットワークでも、あらゆる規格の標準化がなされているため、通信が実現しています。今後のさまざまなM2M環境の実現のためには、規格の標準化が必要です。

機械同士の安定した接続が不可欠

高度な操作を機械同士で行うためには、安定した接続が必要となります。機械同士の接続が不安定だと、通信が途切れてしまいトラブルに繋がる可能性も考えられます。

今後新たに追加する機械は、ネットワーク接続を前提とした作りとなっているかもしれませんが、現存する機械との接続をどのように実現するのかは、今後の課題となるでしょう。

システム構築のコストが高い

機械同士を接続して制御するためには、高度なシステム構築が必要です。システム構築のためにはコストも掛かるため、必然的にコストは高くなってしまいます。

独自の生産体制で稼働している場合、M2M導入による新たなシステムを構築しなければならないため、導入に対する初期コストの高さは、デメリットといえるでしょう。

M2MとIoTの違い

M2MとIoTは考え方が似ている面もあり、具体的な違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。M2MとIoTの大きな違いは、「インターネットを介するか否か」だといえます。M2Mは、インターネットを介さずにローカルネットワークで構築する例もありますが、IoTは、カメラや温湿度センサーなどのあらゆるモノがインターネットを介して相互にデータ通信を行います。

機械同士のネットワークを実現するM2Mの世界を、さらに広範囲にするためにインターネットを介してネットワークを広げるものがIoTです。ローカルな環境で入手したデータをローカルで運用することもできますが、インターネットからビッグデータなどのあらゆるデータと組み合わせて運用することで、より高度で精密な作業が行えるようになります。

機械同士を接続するM2Mを、さらに拡張したものがIoTといえるでしょう。

M2Mが採用されている業界

M2Mはさまざまな業界で採用されていますが、具体的にはどのように利用されているのでしょうか。ここでは、2つのM2M事例を紹介します。

自動運転技術

自動車の自動運転技術にも、M2Mは採用されています。自動運転というとAIをイメージする方も多いと思いますが、AIは判断部分であり、M2Mはその判断を関連する機械へ伝えるための経路の確保といえるでしょう。

たとえば、人の飛び出しや前方を走る車の状態を把握し、運転システムからハンドル操作・ブレーキ/アクセル操作を行うことは、AIによる判断をM2Mによってそれぞれを制御する機械へと伝えることで実現しています。AIの発達によって自動運転は実用化が目前となっていますが、M2Mによる各機械の高度な制御によって支えられているのです。

住宅の電力自動制御

家庭においてもM2Mは利用されています。電力管理システムとして導入されているPanasonicの事例です。「Home Energy Management System(HEMS)」では、電気やガスなどの使用量を「見える化」したり、各機械をコントロールしたりすることで電力の自動制御を行っています。

たとえば、外出先から電気錠や窓センサーと連携して戸締まりを行ったり、使用電力の目標に合わせてエアコンなどを自動コントロールしたりすることが可能です。M2Mによって、家庭の各機械を接続してデータを相互にやり取りすることで実現しています。

まとめ

M2Mは、機械同士を接続して直接データをやり取りする状態です。IoTと並んで今後の日本社会においては、必要不可欠な技術であるといえるでしょう。M2Mには多くのメリットが存在しますが、サイバー攻撃によるセキュリティリスクなどのデメリット面も理解しておかなければなりません。

M2Mはさまざまな業界で採用されており、今後も採用例は増えていくことが予想されます。IoTとあわせて、今後の発展が期待される技術であることを覚えておきましょう。

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