「F5攻撃」「F5アタック」という言葉を、ネットの掲示板やSNSで見かけたことがある人も多いかもしれません。名前のインパクトから「危険なハッキング技術」のように思われがちですが、実態はかなり原始的なものです。
この記事では、F5攻撃とは何か、本当に効果があるのか、そして法律上の扱いやサーバー側の防御策までを、専門知識がなくても理解できるように整理します。
先に結論を言うと、F5攻撃とはブラウザの更新(リロード)を何度も繰り返して、サーバーに負荷をかけようとする行為のことです。現代のWebインフラに対しては効果が薄く、さらに状況によっては犯罪として処罰される可能性がある——これがポイントです。
この記事の目次
F5攻撃(F5アタック)とは
F5攻撃とは、Webページの再読み込みショートカットである キーボードの「F5」キーを連打し、短時間に大量のアクセス(リクエスト)をサーバーに送る行為を指す俗称です。「F5アタック」とも呼ばれます。

多くのブラウザで F5 キーはページの更新(リロード)に割り当てられています。ページを更新するたびに、ブラウザはサーバーへ「もう一度ページの内容をください」とリクエストを送ります。これを高速で繰り返すと、サーバーは大量のリクエストを処理することになり、負荷が高まる——という発想に基づいています。
技術的には、後述する DoS攻撃(サービス妨害攻撃) のもっとも単純で原始的な形と位置づけられます。日本のネット文化の中で古くから使われてきた言葉で、掲示板などで「みんなでF5を押そう」と呼びかけられるような、手作業ベースの行為を指すことが多いのが特徴です。
DoS攻撃・DDoS攻撃との関係
F5攻撃を理解するうえで、関連する2つの用語を整理しておきましょう。
- DoS攻撃(Denial of Service):1台の端末から大量のリクエストを送り、サーバーをパンクさせてサービスを妨害する攻撃。
- DDoS攻撃(Distributed Denial of Service):多数の端末から一斉に行う、分散型のDoS攻撃。
F5攻撃は、基本的に「個人が手作業で行うDoS攻撃」のイメージに近いものです。一方で、掲示板などで多数の人が同時に呼びかけ合って行えば、結果的にDDoSに近い状況になることもあります。ただし、組織的・自動的に行われる本格的なDDoS攻撃と比べると、規模も技術レベルもはるかに小さいものです。
参考DoS攻撃・DDoS攻撃とは?攻撃の目的や種類、事例、対策方法を解説
F5攻撃は本当に効果があるのか

結論から言えば、現代の一般的なWebサイトに対しては、ほとんど効果がありません。 理由は、今のWebインフラが大量のアクセスに耐えられるよう設計されているためです。
- キャッシュの仕組み:同じページへのアクセスは、保存済みのデータ(キャッシュ)を返すことで、サーバー本体への負荷を抑えられます。
- CDNの利用:世界中に分散したサーバー(CDN)がアクセスを肩代わりするため、1人の連打程度では揺るぎません。
- 処理能力の向上:そもそも現代のサーバーは、人間が手で押す程度の更新回数を難なく処理できます。
そのため、個人がF5キーを連打したところで、サーバーが落ちるようなことはまず起こりません。効果があるとすれば、もともと処理能力の低い小規模なサーバーや、適切な対策がされていない環境に限られます。
【重要】F5攻撃は違法になる可能性がある
「効果が薄いなら問題ないのでは」と思うかもしれませんが、ここは誤解してはいけません。効果の有無にかかわらず、意図的にサーバーへ負荷をかけて業務を妨害しようとする行為は、犯罪に問われる可能性があります。
日本では、こうした行為が以下のような罪に該当しうると考えられています。
- 業務妨害罪(偽計業務妨害・威力業務妨害):相手の業務を妨害する行為を処罰するもの。
- 電子計算機損壊等業務妨害罪:コンピューターやデータに関する業務を妨害する行為を処罰するもの。
過去には、Webサイトへの過剰なアクセスをめぐって摘発・逮捕に至った事例もあります。「いたずら」「みんなでやれば大丈夫」といった軽い気持ちであっても、立派な犯罪行為になりうる、という点はしっかり押さえておく必要があります。
なお、ここでは攻撃の具体的な手法を解説する目的はありません。この記事は、仕組みを正しく理解し、防御やリスク回避に役立てることを目的としています。
サーバー・サイト運営者側の防御策
ここからは、Webサイトを運営する側にとって役立つ、負荷の高いアクセスへの対策を紹介します。F5攻撃のような単純なものだけでなく、より本格的なDoS/DDoS攻撃への備えとしても基本となる考え方です。
レートリミット(アクセス回数の制限)
同じ利用者(IPアドレスなど)から、一定時間内に過剰なアクセスがあった場合に制限をかける仕組みです。短時間の連打のような不自然なアクセスを抑えられます。
同じIPアドレスからの連続アクセスを遮断する
同一IPアドレスからの連続アクセスを遮断するには、サーバでの設定が必要になります。
サーバのシステムなどに詳しい方は下記を参考にしてください。
F5アタックは攻撃元が1つの単純な攻撃です。攻撃元のIPを特定できた場合はそのIPアドレスからのアクセスを遮断する対策を講じます。例えば、「.htaccess」を利用した下記のような方法が効果的です。WebサイトのTOPのディレクトリに、下記のような記述を行なった.htaccessファイルをアップロードしましょう。
# アクセス制限する order allow,deny allow from all deny from qqq01.aaa.ne.jp # qqq01.aaa.ne.jp を拒否 deny from .aaa.co.jp # ???.aaa.co.jp を拒否 deny from 111.222. # 111.222.???.??? を拒否
こうすることで悪さをしそうなIPアドレスを遮断できます。
CDNの導入
コンテンツ配信ネットワーク(CDN)を使うと、アクセスが分散され、元のサーバーへの負荷が大きく軽減されます。多くのCDNサービスは、攻撃的なアクセスを検知・遮断する機能も備えています。
WAF(Webアプリケーションファイアウォール)
Webサイトへの通信を監視し、不正なアクセスや攻撃的なパターンを検知してブロックする仕組みです。
キャッシュの活用
ページをキャッシュしておくことで、アクセスのたびにサーバーが重い処理を行う必要がなくなり、負荷を抑えられます。
監視とログの確認
アクセスログを監視し、異常な急増を早期に検知できる体制を整えておくことも重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. F5攻撃とDDoS攻撃は同じものですか?
厳密には異なります。F5攻撃は主に個人が手作業で行う原始的なもので、DDoS攻撃は多数の端末から組織的・自動的に行われる大規模なものです。
Q. F5を連打すると相手にバレますか?
サーバーはアクセス元の情報(IPアドレスなど)を記録しています。不自然なアクセスはログに残り、検知・特定の対象になります。
Q. うっかり更新を繰り返してしまっても罪になりますか?
罪に問われるかどうかは「業務を妨害する意図があったか」などが重要な要素になります。通常の利用で何度かページを更新する程度の行為とは、明確に異なります。
まとめ
F5攻撃(F5アタック)とは、ブラウザの更新を繰り返してサーバーに負荷をかけようとする、もっとも原始的なDoS的行為です。
現代のWebインフラに対しては効果が薄い一方で、意図的に行えば業務妨害罪などに問われる可能性があります。
サイト運営者にとっては、レートリミットやCDN、WAFといった基本的な対策で十分に備えられる相手だと言えます。仕組みを正しく理解し、攻撃する側ではなく、守る側の知識として役立てていきましょう。

























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昔ながらのF5攻撃は、ブラウザの更新ボタンやF5キーを手で何度も押して、サーバーに大量のリクエストを送るものでした。仕組み自体は今も存在しますが、すでに述べたとおり、人が手動で連打するレベルでは、CDN・WAF・レート制限などで防がれやすくなっています。
いま問題になっているのは、人の手ではなく、ボットや専用ツールを使って大量のアクセスを自動送信するタイプです。機械的に膨大なHTTPリクエストを送りつけることで、手動の連打とは比べものにならない規模の負荷をかけてきます。
セキュリティ企業の調査でも、近年DDoS攻撃の件数は大きく増加しており、こうしたWebサイト宛ての大量リクエスト(HTTP DDoS攻撃)も継続的に観測されています(例:Cloudflareが公表している2025年のDDoS関連レポートなど)。
つまり、「F5攻撃」という古い呼び方の行為は、現在では HTTPリクエストを大量送信する自動化されたDDoS攻撃 へと姿を変えて残っている、と理解するのが実態に近いと言えます。手動の連打を心配するより、自動化された大量アクセスにどう備えるかが、現在の論点です。