インターネット上には有益なWebサイトだけでなく、マルウェアに感染したり、情報漏洩をさせたりする有害なWebサイトも多数存在します。これらの有害なWebサイトへのアクセスをブロックするためにはフィルタリングソフトの導入が効果的です。この記事ではフィルタリングソフトの概要と、企業規模別のおすすめのフィルタリングソフトについてご紹介します。
この記事の目次
フィルタリングソフトとは
フィルタリングソフトとは、不正なWebサイトや有害なWebサイトへアクセスを識別して、アクセスを未然に防ぐためのソフトです。アクセスするとパソコンにマルウェアが感染したり、情報漏洩を引き起こしたりするWebサイトへのアクセスを防ぐために使われることが多かったフィルタリングソフトですが、最近では仕事中に業務に無関係なWebサイトを閲覧することを防ぐためにも使われるようになっています。
フィルタリングソフトの必要性
フィルタリングソフトはセキュリティ対策を強化するために使われるのが一般的です。例えば受信したメールに不正なURLが記載されていたとき、うっかりそのURLをクリックしてしまっても、フィルタリングソフトが導入してあればアクセスをブロックできます。
フィルタリングソフトを使うと、逆に社内の人間から外部への情報漏洩を防ぐことも可能です。例えば社内のパソコンからSNSへのアクセスをブロックすれば、SNSへの投稿により情報漏洩を防げますし、許可していないクラウドストレージへの重要なファイルのアップロードなどもブロックできます。
セキュリティ対策の強化と、情報漏洩を防ぐという2つの目的のために、フィルタリングソフトは効果を発揮します。
フィルタリングソフトの活用方法
セキュリティ対策の強化と情報漏洩防止のほかにも、フィルタリングソフトにより業務の効率化も図れます。例えば、仕事中に業務に無関係なWebサイトへのアクセスをブロックすれば、社員は業務に集中できるため、生産性が向上するでしょう。
また家庭内で子供がパソコンを使っているとき、未成年にとって有害なWebサイトや刺激的なWebサイトへのアクセスも制御できます。特に未成年はネットトラブルの被害者になりがちなので、保護者の方が上手にフィルタリングソフトを導入したいところです。
フィルタリングソフト大企業向け
まずは大企業向けのフィルタリングソフトを3つご紹介します。
i-FILTER ブラウザー&クラウド
i-FILTER ブラウザー&クラウドは、デジタルアーツ株式会社が販売しているWebアクセスを制御できるソフトウェアです。どのようなブラウザーを使っていてもWebアクセス制御が可能な「MultiAgent」機能と、セキュリティレベルが高い情報漏洩対策専用のブラウザーである「SecureBrowser」の2つを組み合わせて利用できます。またクラウドサービスとして提供されているため、自社内でのサーバーの構築が不要です。部署ごとや役職ごとの設定や、掲示板やSNSへの投稿のブロックなど、目的に応じた柔軟なフィルタリング設定が可能です。
フィルタリングソフト中小企業向け3選
次に中小企業向けのフィルタリングソフトを3つご紹介します。
InterSafe WebFilter
サイトhttps://www.alsi.co.jp/security/is/
InterSafe WebFilterは、アルプスシステムインテグレーション株式会社が提供しているフィルタリングソフトです。URLデータベースに基づいてWebサイトへのアクセスを制御します。アクセス制御のパターンは、許可・規制・書き込み規制・パスワード入力・一時解除から設定できます。アクセスログを保管して活用することで社内の内部統制に役立てることも可能です。
USEN GATE02
サイトhttps://www.gate02.ne.jp/service_security/swgateway/
USEN GATE02は、株式会社USEN ICT Solutionsが提供しているセキュリティソシューションです。USEN GATE02は複数の機能を持ちますが、そのうちの一つであるセキュアWebゲートウェイサービスがフィルタリングソフトとしての機能を持ちます。URLのフィルタリングにはデジタルアーツ社の「i-FILTER」を採用しており、社員ごとのニーズに合わせた運用が可能です。不正なWebサイトへのアクセスブロックの記録をログファイルとして保存してレポートする機能や、規制対象サイトを分類したカテゴリを選択するだけで、簡単にフィルタリングポリシーの設定が可能です。
CYREN URLフィルタリング
サイトhttps://www.jsecurity.co.jp/cyren
CYREN URLフィルタリングは、株式会社JSecurityが提供している情報セキュリティSDKの機能のうちの一つです。毎日250億件以上のトランザクションを処理することで得られたデータソースを活用しており、それらはデータベースに集積され、継続的な追跡により正確に分類されます。
フィルタリングソフトを選ぶ際の注意点
フィルタリングソフトを選ぶ際の注意点をご説明します。
性能
フィルタリングソフトはパソコンやスマートフォンからのWebサイトへのアクセスを制御することが主な機能です。フィルタリングソフトを自社に導入する際には、性能や機能について十分検討しましょう。例えばフィルタリングルールの設定方法や内容については注意が必要です。
有害なWebサイトへのアクセスがブロックできなかったり、逆に業務で必要なWebサイトへのアクセスをブロックしたりしてしまうなどの不具合は、フィルタリングソフト導入時によく発生します。フィルタリングソフトの自社への導入は、全社的に一括して導入するのではなく、必要性の高い部署から段階的に導入して、フィルタリングソフトとしての性能が十分であるかよく検証しましょう。
動作の軽さ
フィルタリングソフトの導入により、Webサイトの閲覧が遅くなるなどの影響が発生する可能性があります。例えばフィルタリングルールを管理しているサーバーに対して、多数のクライアントが同時にアクセスすることで、一時的に動作が重くなることが考えられます。企業内でフィルタリングソフトを導入する際には、フィルタリングソフトの動作の軽さが、運用状況によってどれほどの影響を受けるのか事前によく検討する必要があります。
価格・インストール台数
フィルタリングソフトを導入する際には、価格やインストール台数についても考慮すべきです。大規模な企業への導入に関しては、通常のライセンス体系とは異なる料金プランが用意されていることが多いため、まずはフィルタリングソフトの提供会社へ問い合わせると良いでしょう。
具体的に運用可能か
実際にフィルタリングソフトを導入したとして、具体的に運用可能かどうかについても要検討です。フィルタリングソフトの導入後に導入前に想定していたように運用できているかどうかは定期的にチェックしましょう。うまく運用できていない場合は、フィルタリングルールやソフトの設定の見直しを検討しましょう。
市販されているフィルタリングソフトを導入する場合、完全に自社の環境に適合させるような設定は困難ですが、ソフトの販売元に相談することで、うまく自社で運用できるような設定方法が得られることがあります。
まとめ
おすすめのフィルタリングソフト6つを、ソフトの選択時の注意点とあわせてご紹介しました。
インターネット上にある有害なWebサイトへのアクセスをブロックし、マルウェアの感染や情報漏洩を防止するための対策として、フィルタリングソフトの導入は高い効果を発揮します。フィルタリングソフトはさまざまですが、自社に導入する際には、それぞれのソフトの特徴をよく確認しましょう。機能や性能に加えて、費用についても要検討です。自社にふさわしいフィルタリングソフトを導入して、セキュリティを高めましょう。