「家庭用ゲーム機には、情報漏洩のリスクがある」と聞くと、皆さんはどう思いますか?「そんなはずはない」と思われる方もいるかもしれません。しかし、「家庭用ゲーム機もインターネットに繋がっている」というと、お気づきになられるのではないでしょうか。
家庭用ゲーム機もPCやスマートフォンなどと同じようにインターネット経由で攻撃を受けたり、情報がネットワーク経由で流出したりしてしまう危険性があるのです。
今回は、家庭用ゲーム機に潜む情報漏洩の危険性について考えてみたいと思います。
家庭用ゲーム機が狙われた事例
よく知られたところでは、2011年に発生したソニーの家庭用ゲーム機Play Station3 (PS3)のネットワークである「Play Station Network (PSN)」が不正アクセスをされて、多くの個人情報が外部に流出してしまったという事例があります。
これもインターネットで接続されているがために発生しているという怖さがあります。今や、家庭用ゲーム機も小さなコンピュータです。不正アクセスやウィルス等の脅威は避けて通ることが出来ません。
現代の家庭用ゲーム機が抱えるリスク
家庭用ゲーム機の場合に、情報流出が発生してしまう原因は主に以下のようなものであると考えられます。
- ネットワークを介した不正アクセス
- 通信内容の盗聴
- コンピュータウィルス
かつてのゲーム機のようにネットワークにはつながらず、「スタンドアロン」で遊ぶのが当然だった頃はネットワーク経由での脅威など考える必要はありませんでした。
しかし現在は、オンラインゲームなどインターネットに接続して遊ぶことが前提のものもたくさんあります。その分、攻撃を受けてしまう可能性は高まっているのです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
1 ネットワークを介した不正アクセス
まず1で掲げた「ネットワークを介した不正アクセス」が起こる可能性があります。先ほど紹介したPSNの事例はPS3のネットワークについての話でしたが、似たようなケースが今後起こらないとも限りません。
2 通信内容の盗聴
また、モバイル型のゲーム機ではDSやNintendo Switchなど無線LAN経由でインターネット接続が当たり前のように使えます。そのため、外出先などのWi-Fiスポットなどでインターネットに接続して遊ぶこともあるでしょう。
しかし、Wi-Fiスポットの中には通信の暗号化など十分なセキュリティ対策が施されていないケースもあります。こういった場合は、2の「通信内容の盗聴」が発生し外部に情報が漏れてしまう場合があります。
3 コンピューターウィルス
最後に3の「コンピュータウィルス」です。
皆さんの中には「ゲーム機なのにコンピュータウィルス?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。基本的にはほとんど事例はありませんが、過去にはDSやプレイステーションポータブル(PSP)でトロイの木馬型ウィルスが見つかったこともあります。
したがって、ウィルス感染する可能性はあるということを認識しておきましょう。
家庭用ゲーム機におけるセキュリティ対策
では、こういった問題についてどのように対応すれば良いのでしょうか。
ゲーム機の情報漏洩の危険性は、先ほど紹介した通りインターネット経由によるものがほとんどです。特に気をつけるべきは外部のW-Fiスポットです。
皆さんは自宅でインターネットに接続する際はWi-Fiを使用していてもある程度セキュリティ対策はしっかりとされていると思います。以前ではそうでもありませんでしたが、現在はWi-Fiルーターを購入するとデフォルトでセキュリティレベルがある程度高い状態に設定されています。
しかし、Wi-Fiスポットの中にはセキュリティ対策がほとんどなされていない、あるいはなされていないケースもしばしばみられます。こういったWi-Fiスポットに接続していると、別のコンピュータから情報が自由に閲覧できたり、通信内容が暗号化されていないためすべて解読することが出来たりといったような問題が発生する可能性があります。
このようなリスクを低減するためには、以下のような対策が有効です。
- Wi-Fiスポットはパスワードなしなどセキュリティ対策が不十分なものは利用しない
- ブラウザを利用する際には不用意に怪しいサイトを閲覧しない
最後に
家庭用ゲーム機に関しては、お子様のみが使用しているケースも多いかと思います。その場合、保護者が知らない間に不正アクセスや情報の搾取が行われていることも十分考えられますので、注意が必要です。
家庭用ゲーム機をインターネットに接続して利用する際は、今回ご紹介した対策を意識し、安全に使うことを心がけましょう。
<参考>
ゲーム機の注意点/国民のための情報セキュリティサイト(総務省)