情報窃取型マルウェア|サイバーセキュリティ.com

情報窃取型マルウェア

情報窃取型マルウェアとは、感染したコンピュータやデバイスからユーザーの個人情報や機密データを盗むことを目的とした悪意あるソフトウェアです。この種のマルウェアは、インターネットバンキングのログイン情報、クレジットカード情報、SNSアカウントの認証情報、企業の機密データなどを標的にすることが多く、感染した端末に深刻な被害をもたらします。情報窃取型マルウェアは、スパイウェアやキーロガー、フィッシング型トロイの木馬など、多様な手法やタイプが存在します。

情報窃取型マルウェアの特徴

情報窃取型マルウェアは、感染した端末内のデータを密かに収集し、外部のサーバーに送信する機能を持ちます。多くの場合、ユーザーに気づかれないようバックグラウンドで動作し、特定のアプリケーションが起動されたときや、一定の時間間隔でデータを収集することが特徴です。また、暗号化された通信を使用して情報を送信することで、セキュリティ対策を回避するよう設計されているものもあります。

情報窃取型マルウェアの種類

1. スパイウェア

スパイウェアは、ユーザーの行動を監視し、閲覧履歴やキーストローク(キーボード入力)などを収集するマルウェアです。多くの場合、広告企業や悪意ある第三者が個人データを収集するために使用します。

2. キーロガー

キーロガーは、キーボードの入力内容を記録することで、ユーザーのパスワードやクレジットカード情報などを盗む手法です。銀行やオンラインショッピングサイトなど、ユーザーが入力した機密情報を狙うため、特に金融業界やeコマース分野での被害が懸念されています。

3. フィッシング型トロイの木馬

フィッシング型トロイの木馬は、ユーザーが信頼するアプリケーションを装い、個人情報を入力させることで情報を窃取します。たとえば、銀行の公式アプリに見せかけた偽のアプリを使って、ログイン情報を盗む手口が一般的です。

4. クリップボードハイジャッカー

クリップボードハイジャッカーは、ユーザーがコピー・ペースト操作をした内容を監視し、例えば暗号通貨のウォレットアドレスを別のアドレスに差し替えるなどして、ユーザーの資産を奪う手口に利用されます。

情報窃取型マルウェアの感染経路

情報窃取型マルウェアの主な感染経路は以下の通りです:

  • メール添付ファイル:悪意のあるファイルが添付されたメールを開くことで感染します。フィッシングメールに偽装され、信頼できる送信者を装ったものが多く、気づかないまま感染するケースが多発しています。
  • 偽のソフトウェアやアプリ:信頼できないサイトからのアプリケーションやプラグインのダウンロードによって感染することがあります。
  • ウェブサイトの脆弱性:セキュリティが弱いウェブサイトにアクセスすることで、ブラウザ経由でマルウェアがダウンロードされることがあります。
  • USBメモリなどの外部デバイス:感染したUSBデバイスを使用することで、端末にマルウェアが侵入することもあります。

情報窃取型マルウェアの被害と影響

情報窃取型マルウェアの被害には、以下のような影響が考えられます。

  • 金銭的損失:盗まれたクレジットカード情報やインターネットバンキングの認証情報が不正使用され、金銭的な被害が発生することがあります。
  • 個人情報の漏洩:SNSやメールアカウントなどの認証情報が盗まれ、不正アクセスや詐欺に利用される可能性があります。
  • 企業機密情報の流出:企業の端末が感染した場合、機密情報が漏洩し、信用失墜や競争力の低下といったビジネス上のリスクを伴います。

情報窃取型マルウェアの対策

1. セキュリティソフトの導入

最新のセキュリティソフトをインストールし、リアルタイムでの保護機能を有効にしておくことが重要です。多くのセキュリティソフトは、情報窃取型マルウェアに対する専用の検出機能も備えています。

2. 定期的なOSおよびアプリケーションのアップデート

システムやアプリケーションを最新のバージョンに更新し、脆弱性を悪用されるリスクを低減させることが大切です。特に、ブラウザやメールアプリなど、インターネットに接続するアプリは優先的にアップデートするべきです。

3. 不審なメールやリンクの回避

不審なメールやリンクには注意し、添付ファイルやリンクを不用意に開かないようにします。送信者に覚えがない場合や、メールの内容が疑わしい場合は、別の手段で送信者に確認することが推奨されます。

4. 二要素認証の導入

重要なアカウントでは、二要素認証(2FA)を設定し、IDやパスワードの他に認証手段を追加することで、不正ログインのリスクを軽減します。

まとめ

情報窃取型マルウェアは、個人や企業の重要なデータを狙い、被害が深刻化するリスクがあります。最新のセキュリティ対策や予防策を導入し、慎重なオンライン行動を取ることで、感染リスクを最小限に抑え、サイバー攻撃から情報資産を保護することが重要です。


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