東京地裁は2020年6月9日、神奈川県庁で使用されていた個人情報を含むハードディスクがネットオークションで転売された事件について、犯人の51歳の男性に窃盗罪として懲役2年、執行猶予5年の判決を下しました。
同事件は2019年12月、神奈川県が使用するHDD機器などの処分を別の企業から再受託していたブロードリンク社から発生した事件です。起訴された男性は同社の従業員で処分業務を担っていましたが、金銭的な目的から本来処分するはずであったHDDなど複数の記憶媒体を持ち帰り、転売していたというもの。
内部データは一応消去されていましたが、男性から盗品と知らず購買したユーザーが「データが復元できる」と指摘したため、流出が発覚したものです。
反復継続的に転売、合計1,900万円の利益
事件発覚後の捜査により、犯人の男性はこれまで、神奈川県庁のHDD以外にも合計約7,900点の処分対象機器を転売していたことがわかっています。また、犯行は数年にわたって反復継続的に行われたばかりか被害総額は1,900万円を計上していたという事件です。
裁判所は判決にて、「記憶媒体の内部情報が漏洩し、神奈川県庁やほかの処分依頼者に大きな不安を与えた」と男性の行為が与えた影響の大きさを指摘。一方で、被告が転売で得た利益約1,900万円を企業側に返還している点を考慮して、執行猶予が相当との判断を下しました。
参照神奈川県庁HDD流出、元社員に懲役2年の猶予付き判決/Yahoo!ニュース