アイパーツ株式会社は2019年5月18日、同社のオンラインショップ「アイパーツ」にて、会員ログインシステムの一時廃止を発表しました。
廃止の理由は、情報流出懸念への対応問題。現状、予算を投じ堅牢なシステムを構築しても、不正アクセスに対する懸念をゼロにすることは難しく、「改良することが最良の選択ではない」と判断したとのことです。
顧客安全性を優先
今回のアイパーツ社の決定は、顧客の安全性と利便性を天秤にかけ、セキュリティ上の観点から、安全性を取った形です。
同社は会員システムの廃止と同時に、保有している顧客データを抹消すると説明しており、これにより、顧客側は今後、購入の度に情報入力の手間を強いられます。反面、同社は顧客情報を放棄しており、不正アクセスによる情報流出リスクは、確実に減少するものと見られています。
中小企業を標的にした攻撃も増加か
昨今、中小企業を標的にしたサイバー攻撃に対する懸念が増えています。特に大企業と比べセキュリティの甘い下請け企業や販売会社を攻撃し、芋づる式に大企業へのアプローチを狙う「サプライチェーン攻撃」や、東京オリンピックの影響によるサイバー攻撃の激化現象は、中小企業にとって脅威です。
顧客データの放棄は企業にとって大きな痛手ですが、今後同社のような決定を下す中小企業が増加するかもしれません。