金融庁が金融機関対象セキュリティ演習デルタウォール9を発表、参加機関も約170先に増加|サイバーセキュリティ.com

金融庁が金融機関対象セキュリティ演習デルタウォール9を発表、参加機関も約170先に増加



画像:金融庁より引用

金融庁は2024年10月8日、増大の一途を辿るサイバー攻撃の脅威に対応するため、主に金融機関を対象としたサイバーセキュリティ演習「Delta Wall Ⅸ(デルタウォール9)」の開催を発表しました。

デルタウォールとは、金融庁が主催する、金融業界全体を対象にしたサイバーセキュリティ演習です。組織的インシデント対策のカギを握る「自助」、「共助」、「公助」という3つのアプローチ(Delta)に防御(Wall)の視点を加え名づけられたもので、主として金融機関におけるインシデント発生時の対応力向上や業務継続能力の強化を目的としています。

デルタウォールは実践重視のセキュリティー対策イベントですが、演習の中核を握るのは、同時多発的に発生するサイバー攻撃やテレワーク時に発生したインシデントなど、実践的かつ脅威度が高いテーマに即した演習スキームです。与えられるシナリオは業態によって異なり、例えば証券会社ではオンラインサービスが停止した事態を想定、生命保険会社の業務システムが停止した事態等を想定したシナリオを提示。各機関は与えられたシナリオに従い、演習スキームを通じて「自助」、「共助」、「公助」の考え方に基づいた組織内外の連携を確認することで、インシデント対応能力の向上を図ります。(なお、銀行のシナリオは非開示)

金融機関は経済的なインフラとして欠かせない存在であると同時に、業務妨害、重要情報の窃取、金銭被害等多数のサイバー犯罪の標的となる組織です。特に近年は攻撃の激化や高度化が著しく、各政府機関やセキュリティ機関が注意を促しています。こうした事情も影響してか、デルタウォールの参加企業も第1回開催時(約70先)から約2.5倍増加。第9回となる今回の開催では約170の機関が参加を決定しています。

なお、デルタウォール9の開催は2024年10月9日~2024年10月21日の期間です。各機関が対応能力の向上に向け取り組むものと見られます。

参照「金融業界横断的なサイバーセキュリティ演習(Delta Wall Ⅸ)」について


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