Interactshは、セキュリティリサーチャーやペネトレーションテスター向けに設計されたツールで、リモートのサーバーが外部とどのように通信するかを観察するためのインタラクション収集プラットフォームです。特に、リモートコード実行(RCE)、サーバーサイドリクエストフォージェリ(SSRF)、クロスサイトスクリプティング(XSS)などの脆弱性を検出する際に役立ちます。
このツールは、セキュリティ調査での手動および自動テストの一部として活用され、外部サービスとの通信(DNSリクエスト、HTTPリクエスト、SMTPなど)の確認や詳細なログの収集を可能にします。
主な機能
- DNS、HTTP、SMTPリクエストの監視
- 特定のエンドポイントへのリクエストをトラッキングし、通信の詳細を記録。
- リアルタイム通知
- 収集されたインタラクションに基づいて、即座に通知を受け取れる。
- サーバーレスアーキテクチャ
- クラウドベースで動作し、ユーザーが独自のサーバーを管理する必要がない。
- 統合性
- 他のセキュリティツール(例: Nuclei、Burp Suite)と統合して利用可能。
- 使いやすいCLI
- コマンドラインインターフェースで簡単にセットアップと運用が可能。
仕組み
Interactshは、以下のプロセスで動作します。
- ユニークなエンドポイント生成
- Interactshが動的に生成する一意のエンドポイントをテスト対象のリクエスト内で使用。
- エンドポイントへのリクエスト発生
- テスト対象のサーバーやアプリケーションが外部にリクエストを送信。
- リクエストの記録
- Interactshがその通信を受け取り、リクエストの詳細をログに記録。
- ログの提供
- ログデータをリアルタイムでユーザーに提供。
使用例
1. SSRFテスト
- テスト対象のアプリケーションにInteractshのエンドポイントを埋め込み。
- 外部通信が行われた場合、Interactshでその通信をキャプチャし、SSRFの存在を確認。
2. RCEの検証
- 特定のペイロードにInteractshのエンドポイントを挿入。
- コマンドが成功してリモート通信が行われた場合に、脆弱性が証明される。
3. XSSの実行検証
- 悪意のあるスクリプトの中でInteractshエンドポイントを呼び出し。
- 実行結果として送信されたリクエストを確認。
メリット
- リアルタイム監視
- すぐに結果を確認できるため、効率的なテストが可能。
- 高い柔軟性
- DNS、HTTP、SMTPなど、さまざまなプロトコルに対応。
- 簡単なセットアップ
- 専門的な知識がなくてもCLIで操作可能。
- 統合可能性
- 他のツールやスクリプトに容易に組み込める。
注意点
- 悪用の防止
- 強力なツールであるため、合法的なセキュリティテストのみに使用することが求められる。
- データ漏洩リスク
- テスト中に収集されたデータが意図しない形で公開されるリスクに注意。
- ネットワークの許可
- 一部の企業ネットワークでは外部通信が制限されている場合があり、ツールの利用が制限される可能性。
他のツールとの比較
特徴 | Interactsh | Burp Collaborator | RequestBin |
---|---|---|---|
リアルタイム通知 | 可能 | 可能 | なし |
複数プロトコル対応 | DNS, HTTP, SMTP | DNS, HTTP | HTTPのみ |
サーバーレス設計 | あり | なし | なし |
使いやすさ | 高い | 中程度 | 高い |
まとめ
Interactshは、サイバーセキュリティ分野における強力なテストツールとして、多くの脆弱性検出の場面で活用されています。リアルタイムでの通信記録やさまざまなプロトコル対応により、効率的なテストが可能になります。ただし、使用する際は倫理的な指針に従い、適切な許可を得た上で運用することが重要です。セキュリティテストを行うユーザーにとって、Interactshは欠かせないツールとなるでしょう。