画像:宇陀市立病院より
宇陀市立病院は2018年10月23日、同院が使用している電子カルテシステムに障害が発生したことを明らかにしました。
障害は電子カルテシステムがランサムウェアに感染したことにより生じたとのこと。同院は2018年10月18日までに復旧・再稼働を進めたものの、システム管理会社のミスにより、患者情報1,133件のうち、診療記録など一部データが閲覧できない状態になりました。
調査会社の報告によると、記事発表時点で患者情報の流出等の二次被害は発生していないとしています。
導入後1か月以内にウイルス感染
宇陀市立病院によると、障害は2018年10月16日に職員が電子カルテシステムを使用できない状態にあると気付いたことにより発覚。
院側はシステムを2018年10月1月に導入したばかりであり、すぐにシステム会社に連絡。システム会社の担当者が調査を進めたところ、サーバー画面にランサムウェア感染を示すメッセージが表示されたとのことです。
なおシステム会社はランサムウェア感染について、同社の不備により最新のウイルス対策ソフトインストールされていなかったと説明しています。
システム会社のミスで一部データが復旧できず
宇陀市立病院はランサムウェアにより身代金を要求されましたが、これを拒否。システム管理会社とともに、サーバーを再セットアップすることで対応を進めました。
ところがシステム管理会社のミスにより、バックアップに必要な磁気テープが装填されていなかったことが発覚。結果としてデータの一部が復元できない状態になり、患者情報は失われてしまったとのことです。
なお同院は障害復旧対応中、紙カルテでの業務を遂行。システム会社に対して専門機関への調査依頼などを指示し、暗号化されたデータの解析を進めているとのことです。
参照電子カルテシステムの障害発生について(お詫び)/宇陀市立病院
参照宇陀市立病院がランサムウエア被害、テープ未挿入でデータ復元できず/日経 xTECH