糖尿病患者向け医療機器に脆弱性-不正なインスリン投与が可能に|サイバーセキュリティ.com

糖尿病患者向け医療機器に脆弱性-不正なインスリン投与が可能に



ニュースの概要

米Johnson&Johnsonの子会社であるAnimasが製造する糖尿病患者のインスリン投与や血糖値管理を行うインスリンポンプ「Animas OneTouch Ping」に複数の脆弱性があることがわかった。

同製品は、独自の無線通信機能を備えており、メーターによる遠隔制御機能を実現しているが、その通信内容は暗号化しておらず、遠隔の第三者から取得されるなどの脆弱性があるという。

この脆弱性を発見したセキュリティ企業のRapid7によれば、第三者がメーターを偽装し、不正にインスリンの投与を行うことが可能で、利用者が操作をキャンセルしないと低血糖を引き起こすおそれがあるという。

その後の対応

米Johnson&Johnsonでは、患者や医療関係者に通知するものの、通信内容には個人を特定できるような情報は含まれておらず、脆弱性に対応する予定はないという。また、無線通信機能を切ることで脆弱性の影響は受けないとしている。

考察

回避策の説明もきちんとされており、早急な機器の変更などは必要なさそうだが、個人を特定される情報は無いといえども、データを取得されたり、遠隔操作ができるという事実があるのは気になるところだ。医療関係者にも情報は共有されているようなので、まずは担当の医療機関で相談してみると良いだろう。

関連リンク
Rapid7によるセキュリティブログ(※英文)
JVNによる脆弱性報告

 


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