前回のサマータイム制度導入問題に関してのコラムに、結構な反響をいただきました。ありがとうございます。正常な危機意識を持っていらっしゃる方が多いことに少し安心します。

今回は、9/2(日)に緊急開催された、一般財団法人情報法制研究所の「サマータイム導入におけるITインフラへの影響に関するシンポジウム」参加レポートを書かせていただきたいと思います。

シンポジウム開催の発端

このシンポジウムは、立命館大学の上原哲太郎先生が中心となって緊急開催されました。上原先生はサマータイム導入問題が出た際、すぐに反論を挙げたところ、相当な反響が出て、まるで"サマータイム専門家"のように扱われたため、これはIT業界全体を巻き込んで議論しなきゃいけないと考えられて、シンポジウムを準備されたとのことでした。

参照2020年にあわせたサマータイム実施は不可能である/立命館大学情報理工学部 上原哲太郎(2018.8.10版)

確かに、少しでもシステムを齧っていれば、鼻で笑っちゃうくらいのバカな議論だからと言って、それが一般に知られていないというのは問題です。きちんとIT業界からも、論理的な反論を正式にすべきでしょう。

とはいえ、"ポッと出"の発案ですから、すぐに全ての問題を網羅できる方がいるわけもない。そこで「シンポジウムを開いて、広く問題点を共有しよう」という趣旨です。

シンポジウムで挙げられた様々な懸念点

申込期間が5日間しか無かったにも関わらず、170を超える申し込みがあったことが関心の高さを伺わせます。そして、シンポジウムでは様々な懸念点が出て来ました。

  • 夜間パッチ処理が間に合わなくなるのではないか
  • 組み込みシステムをどう修正するのか
  • 日時をIDに使っているシステムはID重複の恐れがある
  • 2時間という異例の時間差に対し、海外のシステムが対応できるのか
  • 戸籍情報のように、日時分まで“法律で”要求されるものは、法改正が必要なのではないか
  • 地震計・火山観測装置など、現地に行って一つ一つ直す必要があるだろう
  • 古い電話のシステムなどは果たして修正できるのか

等々...まだまだありましたが、どれ一つとっても頭抱えたくなる問題ですね。

それでも、シンポジウムに集まった方のみから出た意見です。もっと山ほど気づいてない問題があるでしょう。その影響調査をしているだけで2020年になってしまいます。過去サマータイムが議論されたときの資料も出されていましたが、航空関係では、“海外との調整”で2年ということだったらしいです。(笑)それだけでも、もう無理じゃないですか。

政策決定プロセスにおける問題

元内閣府副大臣の福田峰之氏と日本IT団体連盟の別所直哉氏からは、政策決定プロセスの問題についての話がありました。

現在の日本の政治では、"エビデンスを基に動く"のではなく、"エピソードを基に動いている"ため、出来るか出来ないかが検討されにくい傾向にあるとのこと。

...これを聞いて、呆れかえりましたね。前回書いた懸念の、達成までのプロセスを考えず丸投げするダメリーダー以前ってことじゃないですか。プロセスを考えるどころか、事実関係を確認もしないで目標立ててるんですね。そういえば、高度プロフェッショナル制度の際も"データ操作"していましたかね。

まあ、これを批判する福田氏自身、本来公的機関の事務効率化に貢献するはずだった「マイナンバー制度」に「マイナンバーカード」なんてものを突っ込んでメチャクチャにした実績がありますので、個人的には思うところはあるのですが...

後は、政府のCTO(Chief Technical Officer)がいない、ということ。政府自身も"誰にきいていいかわからない"ということなんですね。これでは、どうしようもありません。

私たちのやるべきこととは

このような状態で国策が動いているということは、戦慄すべきことだとは思いますが、嘆くだけでは始まりません。我々、少しでも技術を齧っている人間は、継続して声を挙げて行く必要があるでしょう。立場のある方は、発信すべき場所で発信し、個人でも周囲の人に伝えていく。

サマータイム制度導入の是非を問うアンケートでも、徐々に反対派が増えてきていると聞きます。端から「できるわけないのは当たり前」で終わらせるのではなく、「当たり前と思わない人もいる」ことをちゃんと受け止めて、コミュニケートの量を増やすことが必要なのではないかと感じました。

流れはかなり変わってきているようですが、まだオリンピックに向けてのサマータイム導入提案は取り下げられていません。(それどころか2019ラグビーワールドカップに合わせろと主張する人もいるらしい)

継続して批判(「反対」とは言いません。不可能なのであって、賛成・反対の次元ではありませんから)の声を挙げていくことが、状況を理解している一人一人に求められているのでしょう。

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