東京都町田市にある株式会社ワイ・イー・シーは、ハードディスクにまつわる様々なセキュリティサービスを手がける会社で、今年で27年目を迎えます。

「デュプリケータ」と呼ばれるハードディスク複製装置の製造・販売やソリューションサービスを事業の柱とし、国内シェアはなんと70%!いったい、どのようなサービスを提供しているのでしょうか?

記念すべき企業インタビュー第1回は、同社の仁部(にんべ)泰副社長、小野健太郎マネージャーにお話を伺いました。

PCや携帯を使った犯罪・事件解決の要、デュプリケータ

角田優剛(弊社代表・以下、角田)
御社の沿革とデュプリケータについて詳しくお聞かせください。

仁部副社長

仁部副社長は明るくフランクな方でした

仁部泰副社長(以下、仁部)
元々は当社のデュプリケータを各メーカー様の生産ラインに組み込んでいただいていたのが始まりです。例えばカーナビ。定期的におこなわれる地図更新にも、データをコピーするこのデュプリケータが活躍します。
その他、パソコンメーカー様のハードディスク検査装置や、フィルムレスが進む映画配給会社様のデータ保存媒体としても多くご活用いただいています。

小野健太郎マネージャー(以下、小野)
デュプリケータのもう一つの役割は、「デジタル・フォレンジック捜査」に役立つということです。これは法執行機関などの調査機関が事件の際、犯人のモバイル端末やパソコンといった情報通信機器内にあるデータを証拠として保全したり、情報収集や分析をおこなったりする捜査のこと。
弊社では1998年から某法執行機関本部から依頼を受け、いまではソフトを合わせて約5,000台が導入されているんです。

仁部この機器を開発した当初、日本はデジタル・フォレンジックという概念はほぼなかった。ただ、弊社はデジタル・フォレンジック先進国であるアメリカに支店を構えていたこともあり、重要性を理解していたので日本政府機関に提案させていただきました。

角田犯罪捜査の一助にもなっているんですね。具体的にはどのように?

仁部近年、携帯電話やパソコンを使った犯罪が増えましたよね。そんな中、デュプリケータを使えば、データを破損させることなくメールの履歴やアクセス情報を洗い出すことができます。それを証拠として提出できるんです。

小野現場のニーズや捜査に活用される特性も理解しなければならないので、弊社は北海道から沖縄まで47都道府県の捜査官に意見をヒアリングして回りました。現場の生の声を聞くことで、様々な要望が分かりました。押収されるハードディスクは種類が多く、どんなものにも対応可能な差し込み口にしたり、スマートフォンにもアプローチできるものにしたりと、カスタマイズを繰り返してきたことも弊社の強みですね。

株式会社ワイ・イー・シー

インタビューの様子

民間企業にもデジタル・フォレンジックの動きが

仁部ここ3〜4年で民間企業でもデジタル・フォレンジック捜査が活用されることも多くなりました。日本年金機構で発生した標的型攻撃による125万件の個人情報漏えい事件や、ベネッセコーポレーションによる3,500万件の個人情報漏えい事件。これらが話題になり、内部統制の重要性が一層叫ばれています。実際、弊社のサービスを依頼する民間企業も増えています。

角田民間企業だとそれが明るみに出ると不祥事になりますよね?そういう意味では御社がやっているようなサービスの提供は難しいのでは?

小野健太郎マネージャー

小野マネージャーの説明は熱い情熱が伝わってきます

小野おっしゃる通りです。民間企業はサイバー空間において、外部からウイルスなどのセキュリティには投資していました。ただ、内部のセキュリティに関してはあまりしていないんです。私は「防災訓練は年に1回する。であれば、内部の情報セキュリティも定期的にチェックすべき」と提案しています。いまや一般的な企業では、飲食業界でもなければ火を使用するよりも圧倒的にパソコンやモバイル端末を扱うことが多いですよね。そうなるとしっかりとした社内の体制づくりは重要な課題になってきます。

仁部日本は性善説がまだまだ浸透していて「うちの会社に限って、内部の情報を漏らす社員はいない」と思いたがる。でも情報漏えいの8割は内部からなんです。弊社への依頼は、退職者の調査が多い。同業で起業する人が顧客データや製造コストなどの「知財」を持って行ってしまうんですね。

角田民間企業において、データ流出などの不正は発覚前と発覚後、どちらが多いのでしょう?

仁部どちらかというと発覚後が多いですね。特に上場企業などは株価にも影響が出てきます。不正発覚後の取り組みが非常に重要になってきます。もちろん、デジタル・フォレンジックという考えは、不正発覚後だけでなくそれを抑止するリスクアセスメントの強化でもあると考えています。

小野いままで弊社のサービスは、日系企業より外資系会社からの依頼が多かったですね。でも、これからはデジタル・フォレンジックの重要性をもっと多くの日本企業に気づいてもらいたい。不正が発覚してから動くことももちろん大事ですが、それを防ぐために内部セキュリティをしっかりすることも大切。それは社員を疑うことではなく、むしろ社員を守ることにつながると思います。

人材派遣から教育までを絡めたソリューション事業も

角田御社はそれを事前に防ぐためにソリューション事業も展開していますよね。具体的な試みを教えてください。

仁部まず、大前提に企業の経営層を巻き込んだ取り組みが必須になります。企業の現状を知るために「情報セキュリティ現状評価サービス」を推奨し、個人情報などの取り扱いをISMS、ISOに沿ったPDCAサイクルが運用されているかを調査し、アドバイザリー業務を実施していきます。

小野具体的には「初動フォレンジックソリューション」を導入しています。判例実績のある「証拠保全機器」の納入や、フォレンジック専門外の人でも「ウェブ閲覧履歴」や「メール送受信情報」、「不正アクセス履歴」などが簡易解析できるソフトウェアの提供などです。

角田人材を派遣したりしているのですか?

小野はい。「何を守りたいのか」「何を準備しておけば良いのか」「適切なリソースは」といった課題や疑問を、経営者を含めた全社員に意識付けすることこそ、内部不正防止の第一歩です。企業が適切なルーティンでデジタル・フォレンジックが実施できるように、「フォレンジッカー」と呼ばれるスタッフを派遣しています。初期コンサルティングサービスやデジタル・フォレンジック専門員の教育までをおこなっているんです。

仁部企業の経営層やセキュリティ担当者にヒアリングをすると、「そういった対応をする該当者がいない」「セキュリティ強化のための候補人材がいない」という人材不足に関する問題点が挙がります。フォレンジックの知識がないと使い切れないものばかりですから。フォレンジックエンジニアやフォレンジッカーの教育は、現在は法執行機関も投資をしている分野です。これを民間企業に推奨していくことも、当社の使命だと思っています。

「ニッチ」から「当たり前」に

株式会社ワイ・イー・シー様 エントランス

同社のエントランスにはサービスを解説するパネルが

日本のセキュリティ業界の中で、デジタル・フォレンジックという考えはまだまだニッチなもの。日本ではガイドラインが整備されたところですが、アメリカでは様々な情報が電子化されていることに伴い、連邦民事訴訟規則に電子データの証拠開示手続きをおこなう規定を追加させた「e-ディスカバリー法」が誕生しています。

株式会社ワイ・イー・シーは、「近い将来、日本もこれがスタンダードになる」という考えから、カスタマイズを重ねながらも、よりよいサービスを提供し続けています。同社は「不正が発覚した証拠を突き止めることも大事だけれど、調べてみて何もなかったという方が良い。デジタル・フォレンジックを浸透させ、そういうクリーンな世の中にしていきたい。そしてデュプリケータのマーケットで世界一を目指していく」と、お話してくださいました。

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右から仁部副社長、小野マネージャー、弊社代表の角田

企業情報

会社名 株式会社ワイ・イー・シー
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本社所在地 〒194-0004
東京都町田市鶴間543-9
設立年月 平成4年1月10日
資本金 25,000,000円
事業内容 1.多様なストレージデバイスで取り扱うデータのコピー・消去・解析・検査ツール
2.各種メディアに適応する解析・分析ツール、ならびに専用ツール
3.多様なストレージデバイスで取り扱うデータの復旧・消去・コピー・検査サービス
4.個別カスタム仕様に適合する実験、評価、生産のための設備・治工具
5.多彩な市場ニーズにジャストフィットする提案型商品・部品
代表者名 代表取締役 仁部 浩一
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1.はじめに


2.近年の個人情報漏洩の状況


3. 内部要因による情報漏洩
3-1.被害実例
3−2.内部犯行による被害統計情報
3-3.内部犯行による情報漏洩が増え続ける3つの原因
3-4.内部犯行を減らすための対策


4. 外部要因による情報漏洩
4−1.近年の個人情報漏洩の状況
4−2.実際の近年のサイバー攻撃による企業の被害実例
4−3.サイバー攻撃の統計情報
4-4.サイバー攻撃がふえ続ける5つの原因
4-5.急増する日本の企業のWEBサイト改ざんへの対策
4-6.サイバー攻撃の種類を把握しよう
4-7.日本におけるサイバー攻撃に対する国の対応と今後
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