8億人が関わった「データプライバシーデー」1月28日は個人情報を考えるきっかけに【一般社団法人日本プライバシー認証機構】|サイバーセキュリティ.com

8億人が関わった「データプライバシーデー」1月28日は個人情報を考えるきっかけに【一般社団法人日本プライバシー認証機構】



取材に対応いただいた小﨑信氏は2019年2月現在退職されております。

どうも、サイバ課長サイよー。

2003年に公布、2005年に全面施行された個人情報保護法。2015年に改正され、2017年に全面施行されたサイね。徐々に日本も個人情報に対する機運が高まっているサイよ。

データプライバシーデージャパン

さて、皆さんは1月28日が”個人情報保護について考える日”だということを知っているサイか?この日は「データプライバシーデー」と呼ばれ、データの守秘や保護に関する意識向上などを広めるための国際的な取り組みサイよ。

日本におけるデータプライバシーデーへの働きかけはどうなっているサイかね。なにやら一般社団法人日本プライバシー認証機構(JPAC)が運営しているそう。同団体の小﨑信氏(2019年2月現在退職)に詳しく伺うサイね。

ごめんくだサーイ!

2016年から本格始動したデータプライバシーデージャパン

データプライバシーデーができたきっかけを教えてくだサイ。

小﨑信氏(以下、小﨑)※2019年2月現在退職
データプライバシーデーの活動は、2007年の秋にアメリカとカナダで始まりました。当時はフェイスブックが全米に広まった時期で、SNSに参加する若者が増大していました。そこで、ティーンエージャー向けの教育活動としてスタートしたのがデータプライバシーデーです。

10代の若者たちが急速に個人情報を公開したサイね。

JPAC 小崎信氏

小﨑
そうですね。そもそもフェイスブックは、大学の学生同士が交流を図るためのコミュニケーションツールでした。それが次第に各大学へ広まり、高校生や一般にも開放されるようになりました。つまり、世界中の誰もが登録できて、誰もが個人情報を閲覧できる環境になったのです。

ところがこのフェイスブックは流行するにつれて悪用されるようにもなり、ストーカー行為などの問題も発生しました。これらの問題の発生を受け、データプライバシーデーは、「どのくらい情報を公開するとプライバシーに関わるのか」を考えるきっかけになればいいという思いからできたものです。

なるほど。日本での動きはいつ頃からサイか。

小﨑
日本では、2010年に「データプライバシーデージャパン」を発足させました。こちらも若者への教育が目的で、本格的に始動したのは2016年からです。この年の1月28日のデータプライバシーデーの活動は、世界で約8億人もの人々が関わり、インターネットなどを通してアクションを起こすほどになっていました。今後は日本でも、たくさんの人が関わるイベントにしていきたいですね。

データプライバシーデージャパンの事業内容は?

小﨑
まずはデータプライバシーデージャパンのホームページを立ち上げ、情報を発信しています。同時に賛同企業も募っており、2018年11月現在の賛同企業は6社。認知活動を展開し、多くの企業にご賛同いただけるように努めています。


サイトデータプライバシーデージャパン

データプライバシーデー当日は、セミナーやイベントを実施。2017年は、プライバシー保護のあり方について基本的な考え方を共有し、IoT社会の到来に向けたプライバシー保護のあるべき姿を考える「ジャパンプライバシープロテクションセミナー」を開催しました。

2018年は、消費者向けと企業向けにプライバシーポリシーについて、2種類のホワイトペーパーを作成。消費者はどこを重点的に読めば良いのかなどをコラムで発信し、企業側へは何を強く訴求すべきかなどをまとめたホワイトペーパーをダウンロードしてもらうようにしました。

プライバシー意識の低い日本人は狙われやすい?

日本もすっかりスマホやSNSが浸透しているサイね。

小﨑
日本も10代がスマホを持つ時代です。しかし、欧米に比べてプライバシー保護への啓発活動は遅れているのが実情です。アメリカでは、1990年代からECサービスが流行していました。

従って、システム開発の段階からプライバシー保護を考える「プライバシーバイデザイン(Privacy by Design)」が当たり前です。アメリカの10代の多くは、ネット上のリスクを承知しています。この意識が日本ではまだ根付いていない。そしてこの問題はもちろん、若者に限った話ではありません。

確かにサイトのプライバシーポリシーなどを見ている人は少ないかも知れないサイよ。

小﨑
はい。最近では、インターネットを使った個人間の物品や金銭の取引も手軽にできるようになりました。しかしそういったweb上の空間は悪意を持った人々も利用しています。そういった人々は元来親切な日本人の、特に若者をターゲットにする傾向があります。例えばアイドルのライブ限定アイテムなどを売ると約束し、金銭を騙し取るといったトラブルもあります。

SNSにおける日本人と外国人のトラブルもありそうサイね。

小﨑
外国人の異性に憧れを持つ若い人は多いと思います。しかし、日本と海外では文化も感覚も違います。むやみに個人情報を公開してしまうことはリスクを伴うので、注意が必要。「家の近くで撮った」といって写真を公開するだけでも、個人の行動範囲が分かってしまいます。

若者を守るための企画を

今後のデータプライバシーデージャパンの展望は?

小﨑
やはり若者への認知活動が課題です。データプライバシーデーのイベントを若者向けに企画することも検討しています。

具体案はあるサイか?

小﨑
まだ検討段階ですが、若者が参加しやすいようにゲームを取り入れたり、携帯電話会社などと協力して、携帯端末を販売する際に、注意喚起を促したりするといった案があります。教育機関と共同で、スピーチコンテストといったイベントを開催するのも良いと思います。

今後の日本を担う若者に、しっかりプライバシー保護意識が浸透することを願っているサイよ。ありがとうございました!

最後に

プライバシーへの意識は本来、親が子どもに伝えなければならないサイ。でも、プライバシー問題が浮上したのは20年前ほどから。つまり、親もプライバシー保護の教育を受けていないから、教えることが難しいサイね。

データプライバシーデーが浸透して、これから親になる若者がしっかり意識を高めて、次の世代に繋げてもらいたいサイよ。

組織情報

組織名 一般社団法人日本プライバシー認証機構
Japan Privacy Accreditation Council(JPAC)
所在地 東京都千代田区永田町2-4-11フレンドビル
経営理念 プライバシー保護に関する認証・教育・研修を通じて、消費者と事業者の間の信頼構築に貢献し、我が国の個人情報保護の推進に寄与する。
代表理事 星野克美(多摩大学名誉教授)

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