家庭用のUTMとは?家庭のネットワークを守るUTM製品紹介|サイバーセキュリティ.com

家庭用のUTMとは?家庭のネットワークを守るUTM製品紹介



テレワーク・在宅勤務も浸透し、家庭内だからといってセキュリティ対策を怠るということは許されない時代が到来しています。
主に企業向けの機器として進化を続けてきたUTMですが、家庭用のUTMも存在するのでしょうか。

本記事では、家庭向けUTM導入のメリット・デメリットに加え、無理なく導入できるUTM製品も紹介します。

UTM(統合脅威管理)とは

「UTM(Unified Threat Management:統合脅威管理)」は、ネットワークに関連するセキュリティ機能を統合して、1つのハードウェアに組み込んだ端末です。

従来、セキュリティ対策ソフトウェア・侵入防止システム(IPS)・ファイアウォールなどは個別の製品として販売されてきました。これら単体製品として提供されてきたセキュリティ機能を統合し、1つのパッケージとして扱えるようにしたものがUTMです。

UTMは、社内ネットワークと外部ネットワークとの間に立って、不正なアクセスから社内ネットワークを守る役割をします。

UTMは家庭にも必要?

UTMは内部ネットワークをまるごと守るという製品のため、これまでは社内ネットワークを防御したい企業で導入されてきました。

UTMは、企業よりもはるかに規模の小さい家庭という単位でも、必要なものでしょうか?

結論から言えば、現在、家庭用のUTM導入は進んでいませんが、今後は需要が高まると予想されます。

実際、2020年初旬の新型コロナウイルス対策で、テレワーク・在宅勤務をする人が急激に増えました。

テレワーク・在宅勤務では、家庭内でのセキュリティ対策を怠ると、自社の不利益に直結してしまいます。

このような背景からも、家庭用UTMの導入が進んでいくことが予想されています。

家庭用のUTM製品とは

現在、家庭用として販売されているUTMはごくわずかです。下記に紹介させていただきます。

Sophos Firewall Home Edition

サイトSophos Firewall Home Edition
「Sophos Firewall Home Edition」は、Sophos ファイアウォールのソフトウェア部分のみを家庭用として提供しているもので、個人で用意したハードウェアにインストールします。

VPN機能・ネットワークセキュリティ・Webセキュリティ・メールセキュリティ・Webアプリケーションセキュリティと機能は充実しています。

無料で使用できますが、ソフトウェアのみであるため、2つ以上のNIC(ネットワークインターフェイス)を持つハードウェアを個人で準備する必要があります。ハードウェアの確保と設定が難しい点で、敷居が高いと感じる人も多いようです。

ウイルスバスター for Home Network

サイトウイルスバスター for Home Network/Trend Micro
UTMではありませんがUTMと同じく、家庭内のネットワーク全体を保護するというアプローチの製品が「ウイルスバスター for Home Network」です。

「ウイルスバスター for Home Network」は小さなボックス型をしており、設置は家庭で使用中のWi-Fiルータに挿すのみです。

初年度は、本体代と年間サービス費用がかかり年額9,900円となっています。次年度以降は年間サービス費用のみとなり年額6,600円です。

機能は、外部からの不正なアクセスを遮断し、危険なサイトへのアクセスをブロックするのみです。

PC向けではなく、セキュリティソフトをインストールできないスマート家電などのセキュリティレベルを底上げする用途のサービスですが、手軽に導入できるため検討の余地はありそうです。

家庭用UTMを利用するメリット・デメリット

家庭用のUTMを導入するメリットとデメリットを説明します。

家庭でUTMを導入するメリット

今後、テレワーク・在宅勤務はますます浸透しそうです。家庭内で会社のデータ資産を扱うことになるため、個人宅単位でもよりインターネットセキュリティを強化する必要がでてきました。

家庭用のUTMを導入するメリットは、PCやモバイル機器にインストールするセキュリティソフトに加え、家庭内ネットワークの入り口にUTMを設置することで、二重のセキュリティ対策ができることです。

また、パソコンやスマホだけではなく、家庭内ではテレビ・ゲーム機器・スマート家電などインターネットに接続するモノがあふれています。

このような機器や家電にはセキュリティソフトをインストールできないため、UTMなどを活用して家庭内ネットワークの入り口で守りきるしかありません。

家庭でUTMを導入するデメリット

デメリットは、インターネットと内部ネットワークの間にUTMを挟むため、アクセスが若干遅延することです。

また、UTMの管理という手間はかかります。

家庭内のネットワークに繋がる機器の数や使用用途などを加味して、UTMを導入すべきか検討しましょう。

まとめ

家庭用UTM導入のメリット・デメリットおよび、家庭単位で無理なく導入できるUTM製品を紹介しました。

PCやスマホなどセキュリティソフトウェアをインストールできる端末以外にも、スマート家電やゲーム機器など家庭内でインターネットに接続する機器は増える一方です。

端末や機器を単独で防御するのではなく、家庭内ネットワーク全体を守るアプローチが浸透しています。

無理なく導入・管理できるUTM製品も増えつつあるため、UTMを検討する好機といえます。


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