インフラエンジニアの仕事はきつい or 将来有望?現役に志望動機を聞いてみた|サイバーセキュリティ.com

インフラエンジニアの仕事はきつい or 将来有望?現役に志望動機を聞いてみた



正常に稼働していて当たり前にされる・・

感謝などされない・・

IT基盤の設計・構築・保守を行うというインフラエンジニアは、完全な裏方仕事と言われます。

このため、エンジニアを目指したい職種未経験者や学生に対し、現役のインフラエンジニアエンジニアからは、「インフラエンジニアだけはやめとけ!」というアドバイスがあることも少なくありません。

本記事では、「インフラエンジニアはきつい?将来性はあるのか?」という疑問に対し、理由を加えながら回答します。

「インフラエンジニアエンジニアだけはやめておけ」と言われる理由4つ

エンジニアになるなら、インフラエンジニアだけは避けるべきと言われている理由を、現役エンジニアからのコメントを元に4つ紹介します。

責任が重い割りに評価されない

ITインフラを維持するためにインフラエンジニアが身を粉にして働いているにも関わらず、「ITインフラは勝手に正常稼働するもの」と勘違いしているユーザは少なくありません。

それにも関わらず、万が一障害が発生して、サーバがダウンした場合、その被害は甚大であるため、インフラエンジニアの肩には重い責任がのしかかっています。

責任が重い割りに誰からも評価されないという事実が、インフラエンジニアの苦悩の種となっているようです。

常に勉強 膨大な専門用語に辟易

新しい技術が次々に誕生するITの世界。インフラエンジニアに限らずIT系のエンジニアは、日々の勉強やスキルアップが欠かせません。

インフラエンジニアが駆使する専門用語は、Linux・ストレージ・クラスター構成・ネットワークカードなど、日常生活では使うことがない用語ばかりです。

特に、顧客企業のインフラ構築の場合は、顧客の前で用語が分からないと言うことすら許されない雰囲気の中、作業を進めなくてはいけないことが苦痛という人もいます。

夜勤や急な休日出勤がある

IT基盤であるインフラの監視や管理は、365日24時間体制で行われる必要があります。このため、2交代制や3交代制のシフトで、昼夜問わずインフラエンジニアが待機している状態を維持している企業もあります。

また、ひとたび障害が発生すれば、休日であっても呼び出され、調査や復旧作業を行わざるを得ないこともあります。

深夜勤務が入った場合は、生活のリズムが乱れがちな上、急な休日出勤によりオンとオフの切り替えが難しくなることから、インフラエンジニアは辛い職種だと判断する人もいます。

狭く孤立したサーバ室での作業が苦痛

インフラエンジニアは、コンピュータ・ルータ・スイッチなどの機器をLANケーブルで接続して、ネットワーク基盤を構築するなど物理的な機器を扱っての作業が多くなりがちです。このような作業を行う場所は、多くの場合、サーバ室やデータセンターのような、人ではなく機器にとって快適な環境です。

サーバ室などは、機器が熱暴走しないよう室温が低めに設定されていたり、常に“ブーン”という機械音がしているなど、人にとってはストレスになる環境となります。

このため、体力的にきついと漏らすインフラエンジニアもいます。

それでも僕がインフラエンジニアになりたかった理由<志望動機>

「インフラエンジニアだけはやめとけ!」などという現役エンジニアは、なぜインフラエンジニアに志望したのでしょうか?

現役のインフラエンジニアが就職したときの志望理由を見てみましょう。

希少価値がある

IPA「IT人材白書2020」では、IT企業におけるIT人材の構成比を公開しています。

IT人材 IT人材の割合
プロジェクトマネージャー 19.6%
システムアーキテクト 7.3%
インフラ系技術者 8.9%
アプリ系技術者 38.0%
運用系サービス技術者 9.2%
データ分析やAI等、新規事業を担う技術者 1.3%

アプリ開発技術者やプロジェクトマネージャーなどの人材と比較し、インフラエンジニア・技術者の割合は少なく、エンジニア職の中でも希少価値が高い職種と言えます。

インフラエンジニアは、オンリーワンを目指したいタイプの人には向いている職種です。

年収が高い

国税庁が公開した、「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」によると、日本国内において、全給与所得者の年収平均は441万円となっています。

厚生労働省が公開している「職業情報提供サイト(日本版O-NET)」によると、インフラエンジニア(基盤システム系のシステムエンジニア)の平均年収は690万円でした。

別の調査を見ると、ハローワークの求人票を集計した、インフラエンジニアの賃金に関するデータでは、月額平均32.1万円。これを月収の4ヶ月分がボーナス支給されると想定して、年収に換算すると513.6万円となります。

いずれにしても、インフラエンジニアは全給与所得者の平均から見ると、年収が高い職種であることは間違いなく、年収に惹かれてインフラエンジニアを目指す人も多くいます。

一般の人が見ることができない部分を知る面白さがある

サーバやネットワークの構築など、一般の目には触れない部分を知ることができる面白さがあるところに惹かれてインフラエンジニアになった人もいます。

普段見ているWebサイトの裏側で起こっているシステムに関する知識が得られたり、一般の人からは見えないサーバを操れる体験ができるのは、インフラエンジニアだからこそです。

正社員として採用される確率が高い

各企業は「コンプライアンス(compliance)=法令遵守」を重視しています。よって、企業の機密情報を守るため、サーバやネットワークといった情報基盤の整備を担う人材は、正社員で固めたいと考える企業が多くなります。

エンジニアとして正社員を希望する人であれば、インフラエンジニアは狙い目です。

インフラエンジニアの将来性 IoT/組込み分野でも活躍の場

近年、自動車・医療機器・家電など、さまざまな機器にシステムが組み込まれるようになり、組込み技術およびIoT(Internet of Things)に関する技術や知識を持つエンジニアの育成が急務となっています。

インフラの設計・整備は、既存の技術の組み合わせなどと言われますが、組込みやIoTのような新しい分野でもインフラ基盤がなくなるわけではありません。

IPA「組込み/IoT に関する動向調査調査報告書」では、IoTや組込みソフトウェアの関連企業に対し、現時点で最も重要と考える技術についてアンケート調査しています。結果は次のとおりです。

  現時点で最も重視する技術 割合
第1位 設計・実装技術 11.8%
第2位 無線通信・ネットワーク技術 10.6%
第3位 IoTシステム構築技術 9.7%
第4位 要求獲得・要件定義技術 8.5%
第5位 センサ技術 8.0%
第6位 AI技術 7.9%
第7位 デバイス技術 6.9%
第8位 システムズエンジニアリング技術 6.6%

ネットワーク技術やデバイス技術など、インフラエンジニアの専門分野である技術が組込み・IoT関連企業でも重視されていることが分かります。

インフラエンジニアは、引き続き需要がある、将来性のある職種のひとつと言っても過言ではありません。

まとめ

インフラエンジニアは勧めないというアドバイスは真実なのか、「インフラエンジニアはきつい?将来性はあるのか?」という疑問に回答してきました。

インフラエンジニアは、完全に裏方の仕事で、目立たない職種ですが、社会に役立っていると直接感じられる、やりがいのある仕事であることは間違いありません。

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