2015年7月15日にWindows Server 2003のサポートが終了します。サポート終了後は新たな脆弱性等が発見されてもマイクロソフトからは修正パッチ等の提供はなくなります。
サポート終了による影響
昨年2014年4月9日のWindows XPのサポート終了時には、企業の多くでクライアントPCのOSとしてWindows XPが広く使い続けられていたことにより、メディア等で大きく取り上げられたので、記憶に新しいところでしょう。
このXPのサポート終了時にも問題になったことが、この新たな脆弱性に対する対応が無くなることでした。これにより、新たな脆弱性を活用した攻撃を防ぐ手段が無くなり、
- サーバが不正に乗っ取られる
- 情報を不正アクセスにより取得される
等の問題が発生する可能性があります。
今回Windows Server 2003はWindows XPのように一般の利用者が使うものではなく、企業などのサーバに使用されているOSのため、あまりニュースにはなっていません。しかし、利用者の端末PCのOSと違い、サーバに利用されるOSのため、ひとたびサーバが脆弱性により問題を抱えると、そのサーバを利用する端末全てに影響を及ぼします。したがって、ある意味では端末PC以上に深刻な問題であるとも言えます。
企業の対応状況
現在の企業での対応状況については、2014年末現在、国内で稼働する物理サーバの8.8%(21万台)が依然としてWindows Server 2003で動いています。
移行が進んでいない原因としては以下が挙げられます。
- 経営層が移行の必要性を理解しないなどで、予算が確保されない
予算を承認する社内の経営層が、Windows Server 2003からの移行を行うことがなぜ必要なのかを理解していない。 - 移行に関する社内の人手不足
- 既存社内アプリケーション等の移行が出来ていない
既存の社内アプリケーションがWindows Server 2003で動いており、それらも移行に伴ってリプレースする必要がある。
このような現状は、特に従業員250人以下の中小企業で深刻になっています。
このような原因でWindows Server2003からの移行を計画がなく、検討をしていない企業も少なからずあります。こういった現状に対して一つ言えることは、サポートが終了し、脆弱性の問題を抱えた環境を使用し続けることはIT部門だけの問題ではないということです。
企業が持つべき意識
ひとたび、企業の基幹業務のサーバが脆弱性等の被害を受けると、その業務全体が停止するなど事業に与える影響は非常に大きなものとなります。また、脆弱性の問題により個人情報等の漏洩が発生した場合においても、企業の信頼の失墜に繋がり、事業に与える影響は同様に非常に大きなものとなります。
このようにOSやアプリケーションなどといったソフトウェアのサポートが終了した状態で、そのままにしておくことは企業の事業を行うにあたっての非常に大きなリスクとなります。このことを経営層含めてしっかりと認識、理解した上で対応を進めていく必要があります。