セクストーション|サイバーセキュリティ.com

セクストーション

セクストーション(Sextortion)とは、性的な内容の画像や動画、個人情報などを利用して、金銭やその他の要求を強要するオンライン詐欺の一種です。「セクストーション」は「セックス(Sex)」と「恐喝(Extortion)」を組み合わせた造語で、主にSNSやメール、出会い系サイトなどを通じて発生します。被害者が送信した、または流出した性的なコンテンツをもとに恐喝が行われるため、被害者は強い精神的ダメージを受けるケースが多いのが特徴です。

セクストーションの手口

1. ロマンス詐欺型

詐欺師が被害者と偽りの恋愛関係を築き、信頼を得てから被害者に性的な画像や動画を送らせます。その後、被害者に対して、その内容を公開しない代わりに金銭を要求します。

2. ハッキング型

被害者のデバイスやアカウントがハッキングされ、保存されている写真や動画、メッセージが不正に入手されます。犯人は「閲覧したコンテンツを公開する」と脅迫し、被害者に金銭を支払わせようとします。

3. 偽のセキュリティ警告型

詐欺師が「あなたのデバイスをハッキングし、性的なコンテンツを取得した」と偽りのメールを送りつけ、ビットコインやギフトカードなどの送金を要求します。この場合、実際には被害者のデバイスにアクセスしていないにもかかわらず、不安を煽って金銭を得ようとします。

4. SNSやチャットアプリを利用した手口

SNSやチャットアプリで、性的な内容のメッセージや画像を被害者から引き出し、その後公開しない代わりに金銭を要求します。特に若年層がターゲットになるケースが多いです。

セクストーションの予防策

1. 個人情報の保護

SNSやオンラインアプリに投稿する情報には注意を払い、個人情報やプライベートなコンテンツを共有しないようにします。知らない相手とは不用意にやり取りしないことが大切です。

2. 二要素認証の導入

SNSやメールアカウントには二要素認証(2FA)を設定し、ハッキングリスクを軽減します。複雑なパスワードと併用することで、セキュリティを強化できます。

3. 最新のセキュリティソフトを使用

デバイスには最新のセキュリティソフトをインストールし、定期的にアップデートすることで、ウイルスや不正アクセスを防ぎます。

4. 知らない人とのやり取りに注意

SNSやチャットアプリで不審なメッセージや知らない相手からの接触には警戒し、相手の信頼性が確認できない限り、個人的な写真や動画を送らないようにします。

5. 不審なメールやメッセージの無視

「デバイスをハッキングした」といった脅迫メールが届いた場合、無視するのが最善です。内容が事実でない場合がほとんどで、返答や支払いは行わないようにしましょう。

セクストーションに遭った場合の対処法

1. 冷静に対応する

恐喝に屈して金銭を支払わないようにします。一度支払ってしまうと、さらに多くの金銭が要求される可能性があります。

2. 証拠の保存

やり取りの記録やメッセージのスクリーンショットなど、証拠を保存します。必要に応じて警察や専門機関に相談できるよう、証拠を確保しておくことが大切です。

3. 警察や専門機関に相談する

セクストーションの被害に遭った場合、警察や消費者センター、ネットの相談窓口に相談し、指示を仰ぎます。特に被害が拡大する前に迅速に相談することが重要です。

4. アカウントやパスワードの変更

詐欺にあったと感じた場合、SNSやメールのパスワードを変更し、さらにセキュリティを強化します。不正アクセスが疑われるアカウントは速やかに変更しましょう。

セクストーションの被害拡大を防ぐために

セクストーションは、被害者に強い精神的負担をもたらすため、特に若年層への教育と啓発が必要です。オンラインでのやり取りには常に注意を払い、信頼できる相手以外にはプライベートな内容を送らないことが推奨されます。また、教育機関や企業も含め、サイバー犯罪に対する啓発活動を実施することで、予防効果が期待できます。

まとめ

セクストーションは、個人のプライベート情報や性的なコンテンツを利用して金銭を脅し取る悪質なサイバー犯罪です。巧妙な手口で被害者の恐怖心を煽り、金銭を要求するため、被害に遭わないための予防策を講じ、冷静な対処が求められます。インターネット上での個人情報管理や、SNSでの交流相手に対する警戒を徹底することで、被害の予防につながります。また、もし被害に遭った場合には、一人で抱え込まず、警察や相談機関に助けを求めることが重要です。


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