スニーカーボット|サイバーセキュリティ.com

スニーカーボット

スニーカーボットとは、オンライン上で販売されるスニーカーや限定商品などを自動的に購入するためのプログラムやツールのことを指します。

人気商品は短時間で売り切れることが多いため、スニーカーボットを使うと、通常の購入手続きよりも高速に商品を確保でき、特に限定版スニーカーや人気ブランドのリリース時に利用されます。こうしたボットは、自動で購入フォームの入力や購入ボタンのクリックを行うことで、商品が入手しにくい状況を回避し、短時間での購入を可能にしています。

スニーカーボットの仕組み

スニーカーボットは、主に以下のようなプロセスを通じて、迅速かつ自動で商品を購入します。

  1. 商品ページの監視:ボットは、事前に指定されたオンラインストアのURLや特定の商品ページを監視し、販売開始をリアルタイムで検出します。
  2. 購入手続きの自動化:販売が始まると、商品をカートに追加し、購入者情報(名前、住所、クレジットカード情報など)を自動で入力し、購入手続きを行います。
  3. CAPTCHA突破機能:多くのオンラインストアでは、ボット対策としてCAPTCHAが設置されていますが、一部のスニーカーボットにはCAPTCHAを自動でクリアする機能が備わっています。
  4. 複数アカウントの操作:スニーカーボットは、プロキシサーバーを使って複数のIPアドレスを利用し、複数アカウントで同時に購入を試みることができるため、購入成功の可能性を高めます。

スニーカーボットの利用目的

1. 限定商品の購入

スニーカーボットは、人気のスニーカーや限定版の商品、コンサートチケットなど、希少性の高い商品を購入するために使用されます。こうした商品は通常すぐに売り切れるため、ボットの速度が有利に働きます。

2. 転売目的

一部のスニーカーボット利用者は、ボットで手に入れた限定品を高値で転売することを目的としています。転売による利益を狙うユーザーが、複数のボットを駆使して大量購入し、プレミア価格での販売を行うことが増えています。

3. 個人収集の効率化

スニーカーコレクターや愛好家も、どうしても入手したいアイテムを確実に手に入れるためにボットを利用するケースがあります。希少品を収集しやすくなるため、正規ユーザーでもボットの使用を選ぶ場合があります。

スニーカーボットの種類

1. スタンダードボット

基本的なスニーカーボットで、指定されたURLや商品ページを監視し、商品を自動的にカートに入れるといったシンプルな機能が中心です。スピードは高くないものの、一般的なオンラインストアでの利用に適しています。

2. 高機能ボット

CAPTCHA突破機能やプロキシ機能を持ち、複数のオンラインストアや商品ページを同時に監視し、複数のアカウントで購入を試みる高機能なボットです。高性能なだけに高額で提供されることが多く、専門の知識が必要なケースもあります。

3. クラウドベースのボット

クラウド上で動作するスニーカーボットで、利用者が自身のデバイスにインストールする必要がなく、手軽に利用できるボットです。設定やメンテナンスが簡単な反面、機能はやや制限されることがあります。

スニーカーボットのメリットとデメリット

メリット

  1. 購入成功率の向上:スニーカーボットは、人間の手動操作に比べて圧倒的に素早く購入手続きを行えるため、人気商品を入手できる可能性が高まります。
  2. 作業の自動化:購入手続きを自動化できるため、販売開始時にPCやスマホの前で待機する必要がなくなります。
  3. 複数アカウントによる同時購入:プロキシを使うことで、同時に複数の商品を購入しやすくなり、特に転売目的の購入者には有利に働きます。

デメリット

  1. 高額なコスト:高機能のスニーカーボットは有料で、さらにプロキシサービスも必要になるため、かなりのコストがかかります。
  2. 違法・不正リスク:一部のオンラインストアでは、ボット利用が利用規約で禁止されており、アカウントの停止や購入の取り消しといったリスクがあります。
  3. 他の購入者への悪影響:スニーカーボットの利用が広まることで、通常の購入者が商品を入手しにくくなる問題が発生しており、社会問題としても注目されています。

オンラインストアのボット対策

スニーカーボットの使用を制限するため、多くのオンラインストアでは以下のような対策が講じられています。

  • CAPTCHA認証:CAPTCHAによってボットを検出し、購入手続きの自動化を妨害します。
  • 購入制限:IPアドレスやクッキーを使用して、1人あたりの購入数を制限し、ボットを使った大量購入を防ぎます。
  • プロキシ検出:プロキシを使用した不正なアクセスを検出するための対策が取られており、不正な購入行為を抑制します。
  • ボット検出ソフトウェア:AIを利用したボット検出ソフトウェアを導入し、異常なアクセスパターンや高速アクセスを検知してアクセスをブロックする方法も一般的です。

まとめ

スニーカーボットは、人気商品や限定スニーカーを迅速に購入するための自動化ツールとして有用ですが、正規の購入者にとっては不利を生じさせる側面もあり、転売市場の拡大や公平性の問題が課題となっています。オンラインストアもボット対策を強化し、正当な購入環境を保つために努力していますが、ボットと対策のいたちごっこが続いているのが現状です。


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