UltraVNCとは?仕組み・RDPとの違い・導入手順・セキュリティリスクを初心者向けに解説|サイバーセキュリティ.com

UltraVNCとは?仕組み・RDPとの違い・導入手順・セキュリティリスクを初心者向けに解説



「UltraVNCって何?」「Windows標準のリモートデスクトップと何が違うの?」——そんな疑問をお持ちではないでしょうか。UltraVNCとは無料で使えるオープンソースのリモートデスクトップツールで、ネットワーク経由で離れた場所のPCを操作できます。本記事では仕組み・RDPとの違い・インストール手順・セキュリティリスクまで初心者向けに解説します。

先に結論を言うと
UltraVNCはWindows専用の無料リモートデスクトップツールで、接続された側の画面がそのまま維持される「画面共有型」である点がRDPとの最大の違いです。サポート業務や表示モニターのメンテナンスに特に向いていますが、標準では通信が暗号化されないため、セキュリティ設定が必須です——これがポイントです。

UltraVNCとは

UltraVNCの意味と概要

UltraVNC(ウルトラブイエヌシー)とは、Windows環境においてネットワーク経由で遠隔地にある別のPCのデスクトップ画面を表示・操作できる、無料のオープンソースリモートデスクトップソフトウェアです。UltraVNC Teamによって開発・メンテナンスされており、GNU General Public Licenseのもとで無料・商用利用ともに無料で利用できます。

VNC(Virtual Network Computing)技術を基盤としており、RFB(Remote Frame Buffer)プロトコルで画面情報をネットワーク越しに転送します。2026年6月時点の最新バージョンはv1.8.2.4で、Windows 7〜11およびWindows Server 2008 R2〜2025に対応しています。

UltraVNCの仕組み

サーバーとクライアントの2コンポーネント構成

UltraVNCは「VNCサーバー」と「VNCクライアント(ビューアー)」の2つのソフトウェアで構成されています。

VNCサーバー:接続を受け付ける側(操作される側)のPCにインストールします。画面情報を転送し、マウス・キーボード操作を受け取ります。

VNCクライアント(ビューアー):接続する側(操作する側)のPCにインストールします。サーバーの画面を表示し、操作をサーバーへ送信します。

接続の流れ

UltraVNCの接続は以下3つの通信で成り立っています。

①接続要求・パスワード認証:クライアント側がサーバー側のIPアドレスとパスワードを入力して接続要求を送信します。認証OKであれば接続が確立されます。

②画面情報の送信:サーバー側のデスクトップ画面がリアルタイムでクライアント側に転送されます。クライアント側にはサーバーの画面がそのまま表示されます。

③マウス・キーボード操作の送信:クライアント側での操作がサーバー側にリアルタイムで送信され、そのまま反映されます。通信にはデフォルトでポート番号5900を使用します。

UltraVNCとWindows RDP(リモートデスクトップ)の違い

UltraVNCとRDPの違い(比較表)

比較項目 UltraVNC RDP
費用 無料 Windows Pro以上で無料
接続後の相手画面 そのまま表示され続ける ログアウト状態になる
暗号化 標準では非暗号化(プラグインが必要) 標準で暗号化済み
対応OS Windows専用 Windows中心(Macクライアントも可)
通信ポート 5900 3389
複数同時接続 可能 Homeは不可

UltraVNCが向いているシーン・RDPが向いているシーン

UltraVNCが向いているシーン:接続しても相手側がログアウト状態にならないため、デジタルサイネージや店舗の表示モニターをリモートでメンテナンスして接続後も元の表示に戻したい場合、サポート担当者がユーザーの画面を一緒に見ながら操作するサポート業務などに最適です。

RDPが向いているシーン:通信が標準で暗号化されているためセキュリティ重視の企業内リモートワーク、Windows標準機能だけで完結させたい場合、自分専用PCへの外出先からのアクセスに適しています。

UltraVNCの主な機能と特徴

  • ファイル転送機能:接続中に両PC間でファイルを転送できる
  • チャット機能:接続中にリアルタイムでテキストチャットができる
  • 暗号化(DSMプラグイン):プラグイン追加で通信を暗号化できる
  • Mirror Driver:Windows専用ドライバーで描画を大幅高速化できる
  • マルチモニター対応:複数モニターの切り替え・同時操作ができる

他のVNCツールとの比較

UltraVNC以外にもVNCツールはいくつか存在します。代表的なものを比較します。

比較項目 UltraVNC RealVNC TightVNC TigerVNC
費用 無料 無料〜有料 無料 無料
対応OS Windows専用 Windows・Mac・Linux Windows・Linux Windows・Linux
暗号化 プラグイン必要 標準で暗号化(有料版) なし TLS対応
ファイル転送 あり あり(有料版) あり なし
チャット機能 あり なし なし なし
Mirror Driver あり(高速描画) なし なし なし
開発状況 活発 活発 更新停止気味 活発

Windows環境での高速描画・チャット・ファイル転送を無料で使いたい場合はUltraVNCが最適です。マルチOS対応が必要な場合はTigerVNCやRealVNCを検討しましょう。

UltraVNCのメリット・デメリット

メリット

  • 完全無料・商用利用も可能
  • 接続後も相手側の画面がそのまま維持される(RDPにない特徴)
  • Mirror Driverによる高速描画で低帯域でも快適
  • ファイル転送・チャットなど付加機能が豊富

デメリット

  • 標準では通信が暗号化されない(暗号化プラグインの導入が必須)
  • Windows専用(macOS・LinuxのサーバーPC側は不可)
  • ポートフォワーディングなど設定にやや知識が必要

UltraVNCのインストール・設定手順

ダウンロード方法

窓の杜(https://forest.watch.impress.co.jp)でUltraVNCを検索し、32bit版または64bit版をダウンロードします。

サーバー側(接続される側)のインストール手順

  1. インストーラーを実行してEnglishを選択→「I accept the agreement」を選択してNextをクリック
  2. インストールオプションで以下3つにチェックを入れてNext→Installをクリック
    • Register UltraVNC Server as a system service
    • Start or restart UltraVNC service
    • Associate UltraVNC Viewer with .vnc file extension
  3. 「Show latest versions」のチェックを外してFinishをクリック

パスワード設定(必須):タスクトレイの青い目のアイコンを右クリック→「Settings」→「Security」タブ→「VNC Password」の「CHANGE」→パスワードを入力して「SAVE」

クライアント側(接続する側)のインストール手順

  1. 同じインストーラーを実行し「UltraVNC Viewer」のみチェックを入れる
  2. 「Associate UltraVNC Viewer with .vnc file extension」にチェックが入っていることを確認してインストール

日本語キーボード設定:タスクバーの目のアイコン→「Options」→「Input」タブ→「Japanese keyboard」にチェック→「Save」

接続方法

タスクバーの目のアイコンをクリック→サーバー側のIPアドレスを入力→「Connect」→パスワードを入力→接続完了

UltraVNCのセキュリティリスクと対策

標準では通信が暗号化されない

UltraVNCの最大のリスクは標準状態では通信が暗号化されない点です。インターネット経由で使用すると画面情報・操作内容が第三者に盗聴される可能性があります。外部ネットワーク経由での使用にはDSMプラグインによる暗号化設定が必須です。

サイバー攻撃者による悪用事例

UltraVNCのようなVNCツールはITサポートに正規利用される一方で、サイバー攻撃者にも悪用されます。システムへの侵入後に内部を横移動する「ラテラルムーブメント」にしばしば利用される傾向があります。ロシア系APTグループ「Gamaredon」や北朝鮮系APT「Lazarus」が攻撃の過程でUltraVNCを利用してターゲットホストを侵害したことが確認されています。正規ツールのためセキュリティソフトに検知されにくい点が攻撃者に悪用される理由の一つです。

安全に使うための対策

  • 強固なパスワードを設定する(12文字以上・英数字記号混合)
  • DSMプラグインで通信を暗号化する
  • ファイアウォールで接続元IPアドレスを制限する
  • VPNと組み合わせて通信経路を暗号化する
  • 使用しない時はVNCサーバーを停止する

UltraVNCの主な利用用途

企業のサポートデスク・ヘルプデスク

最も一般的な用途です。サポート担当者がユーザーのPC画面を直接操作しながらトラブルシューティングや設定変更を行えるため、電話での説明よりも迅速かつ正確なサポートが可能です。ユーザー側の画面がそのまま見える点が特に有効で、「何が起きているか」をリアルタイムで確認しながら対応できます。

デジタルサイネージ・表示モニターのメンテナンス

UltraVNCならではの用途です。接続後も相手側の画面がそのまま維持されるため、店舗やイベント会場の表示モニターをリモートでメンテナンスした後、接続を切ると元の表示に戻ります。この用途ではRDPは使えないためUltraVNCが特に有効です。

リモートワーク・教育・研修

自宅から会社のPCに接続して業務を継続したり、講師が受講者のPC画面をリモートで操作してサポートしたりする場面でも活用されています。遠隔地の受講者への実習サポートにも有効です。

よくある質問(FAQ)

UltraVNCは商用利用できる?

できます。GNU GPLのもとで公開されており、商用利用にもライセンス費用は発生しません。改変して配布する場合のみソースコード公開義務が生じます。

Macからでも接続できる?

クライアント(操作する側)としてMacを使うことは可能です。macOSの「Finder」→「サーバーへ接続」機能でVNCサーバーに接続できます。ただしMacをサーバー側(操作される側)としてUltraVNCで接続することはできません。

ポート番号はいくつ?

デフォルトはTCPポート5900です。インターネット越しに使う場合はルーターでポート5900のポートフォワーディング設定が必要です。セキュリティ目的でポート番号を変更することも可能です。

まとめ

UltraVNCとは無料のオープンソースリモートデスクトップツールで、Windows環境での遠隔操作に特化しています。接続後も相手側の画面がそのまま維持される点がRDPとの最大の違いで、サポートデスクや表示モニターのメンテナンスに特に有効です。

ファイル転送・チャット・Mirror Driverによる高速描画など機能が充実していますが、標準では通信が非暗号化のためDSMプラグインやVPNと組み合わせてセキュリティ設定を必ず行いましょう。

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