大手ITサービス企業のSCSK株式会社は2021年3月24日、ネット証券会社「松井証券株式会社」の顧客口座から不正に現金を引き出した疑いで、同社に所属するシステムエンジニアの男性従業員を懲戒解雇したと明らかにしました。
SCSK株式会社によると、同社は松井証券の証券取引システムの開発や保守管理について委託を受け、男性従業員に担当させていました。
ところが、この男性従業員は2019年2月頃、業務上の立場を利用し松井証券のシステムから顧客15名の取引口座に関係するログインIDやパスワードなどを窃取していた疑いが発覚。さらに男性従業員はこれらの情報を利用して顧客の証券を売却するなどして、顧客の口座から合計約2億円の現金を引き出した疑いがもたれているとのことです。
不正送金は身に覚えがないと供述
SCSK株式会社によると懲戒解雇された男性元従業員は現在、電子計算機使用詐欺などの疑いで警察に逮捕されています。
男性元従業員は容疑について「拾ったキャッシュカードで現金を下ろした」などと供述する一方で、「不正送金は身に覚えがない」と供述しているとのこと。
ただし情報によると、元従業員が業務に使用していたパソコンからは松井証券の顧客210名のログインIDなどの情報が見つかったほか、証券口座名義人と同じ名前で不正送金先の銀行口座を開設していた形跡も見つかっているとのこと。警察は計画的な犯行とみて、捜査を進めるものと見られます。