「強固過ぎて使いにくい」18億円投じた政府のセキュリティシステムが廃止|サイバーセキュリティ.com

「強固過ぎて使いにくい」18億円投じた政府のセキュリティシステムが廃止



会計検査院はこのほど、18億円をかけて開発された国による情報管理システム「セキュアゾーン」が、運用から2年間一度も使われずに廃止となったと調査記録で明らかにしました。

情報によりますと、国は2015年4月に起きた日本年金機構からの大量情報流出事案を受けて、同システムの開発に着手。ところが、セキュアゾーンは現場で「使いにくい」とあまり好ましい反応が得られておらず、また維持費もかかり続けるため、今回の廃止が決まりました。

「使いにくい」と不満の声

セキュアゾーンは、政府の各省庁が共有するネットワーク内にて、強固な安全領域を構築するシステムです。

具体的には、セキュアゾーンにより保護されたデータは、外部インターネット環境からは遮断され、各府省庁の専用回線でのみ閲覧できるという仕組み。外部からの漏えいを強く意識したものと考えられます。

しかし、現場の反応は芳しくありませんでした。というのも、セキュアゾーンに置かれたデータは、閲覧可能な専用回線でもダウンロードは行えず、データの訂正などには職員が設置場所まで直接足を運ばなければならないという厄介な仕様。さらに使用する際、負担金が生じる可能性もあり、各省庁は同システムを不要と判断。こうした流れを受け、使用されないまま廃止が決まったものと考えられます。

なお、総務省は調査中であることを理由に、「コメントできない」との立場を取っています。

参照「18億円の国のサイバー攻撃防止機能 未使用で廃止 使い勝手悪く/NHK NEWS WEB」


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