会計検査院はこのほど、厚生労働省が委託した個人情報を含むデータ入力の委託業務について、業務未完了分の代金合計1,685万円を複数の委託先企業に支払っていたと明らかにしました。
支払先企業は、違法な外部委託の影響を受け解散決議が決定した「SAY企画」など合計4社。厚生労働省は不適切処理を謝罪するとともに、影響を受けた委託業務の実態解明を進めているとのことです。
中国企業に無断再委託
厚生労働省がSAY企画に委託した業務の中には、日本年金機構が保有する「扶養親族等申告書」の入力業務約528万人分が含まれていました。
ところがSAY企画は人員の確保に苦慮し、予定されていた約800人の人員を大幅に下回る130人前後のスタッフで業務を開始。納期に間に合わせるため、厚労省との間で無断再委託が禁止されていたにもかかわらず、中国大連に位置する外資企業に無断再委託したというものです。
業務遂行力に乏しかったSAY企画
厚労省は第三者委員会の調査を踏まえた報告書にて、SAY企画の業務遂行能力の低さを指摘しています。
SAY企画は予定されていた人員を確保できなかったばかりか、ベリファイ入力(二重チェック業務)を実施しないまま納品していた点などを列挙。またこうした企業に対して不適切会計をしたことについて、大臣官房会計課監査指導室などは謝罪を表明しています。
参照厚労省でずさんなデータ入力委託、個人情報漏洩の懸念/日本経済新聞