画像:McAfeeより
米国McAfee(マカフィー)が、同社の調査組織「McAfee Labs」が編集した脅威レポートを発表しました。
同社発表はサイバー攻撃全般に渡っており膨大な情報量であるため、ここで全てをまとめることはできませんが、今回の発表で特に際立っていた脅威は、「Faceliker」の存在です。
第2四半期中に報告されたマルウェアの8.9%を占める
「Faceliker」の脅威は既に当サイトでもご紹介しましたが、改めて簡単に説明しますと、Facebookの「いいね」を不正に出力するマルウェアです。
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「Faceliker」に感染すると本人の意思とは関係ないコンテンツに対して、感染者のアカウント名義でいいねをつけてしまうので、攻撃者の意のままに情報操作が行われるという仕組みです。
今回米国McAfeeの発表によると、第2四半期中に報告されたマルウェア5200万件のうち、約8.9%がこの「Faceliker」の亜種と報告されています。
不正アクセスを利用した新たなビジネスモデル
「Faceliker」は他のマルウェアと異なり、情報の収奪等を行うものではありません。早い話が意図的に人気コンテンツや人気ストリームを生み出すために悪用されており、攻撃者はサイバー攻撃を通じて、巨額の「広告費」を稼ぐことができる点が特徴です。
もちろんこれは不正に得た利益であり、社会通念上許容されるものではありません。しかし、これまでになかったサイバー攻撃の温床となる可能性は否定できず、「Faceliker」によるビジネスモデルの確立は、新たな脅威を生み出す危険を有しています。
〈参照〉McAfee