情報漏洩は一旦発生してしまうと、企業の信用問題に関わるだけでなく、訴訟に発展するケースがあります。今回は、2002年に発生した少し古い事例ですが、東京ビューティセンター(TBC)で発生した情報漏洩事件の経緯とその影響について見ていきましょう。

事件の概要

情報漏洩から訴訟、判決に至るまでの経緯

同社によると、今回の不正アクセスによる情報漏えい事件の経緯は以下のようになっています。

2002年2月以前 外部レンタルサーバを利用してサイト運営。アクセス数の増加に伴ってサーバ移設が必要になった。
2002年3月〜4月 TBC専用サーバへの移設作業を実施。この際にアクセス権限が不十分で、データが外部から閲覧できるようになっていた。
2002年5月26日 問題が発覚し、データはサーバから削除されたが、その後以下の問題が発生。

  1. データの流出が明らかとなった
  2. 流出名簿の悪用と、迷惑メールの送付が確認された
  3. ファイル交換ソフト上で、誰でも閲覧・取得出来ることが確認された
2002年12月 原告10人で以下の内容で民事訴訟が起こされる。
個人情報の流出におけるプライバシーの侵害について、TBCの運営会社であるコミー(現在はTBCグループ)に一人当たり115万円の支払いを求める。
※この後二次・三次訴訟へと発展し、最終的に原告14人の集団訴訟となった。
2007年2月8日 東京地方裁判所から以下の内容で賠償命令が出され、TBCの運営会社であるコミー(現在はTBCグループ)に対して、以下の賠償金支払いが命じられた。

  1. 原告13名に1人当たり3万5000円(慰謝料3万円、弁護士費用5000円)
  2. 1名に2万2000円(慰謝料1万7000円、弁護士費用5000円)

事件の原因(問題点)

同社から情報が流出した原因は、Webサイトのサーバ移設の際に、個人情報を誤って適切なアクセス権限をしないままに公開領域に置いていたことにあります。そのため、自由に外部から閲覧できる状態になっていた個人情報が外に流出してしまったのです。

漏えいした情報は

同社の発表では、外部に流出した個人情報は、5万人分の住所や氏名、メールアドレスのほか、アンケートへの回答や関心を持ったエステのコース名といったものが含まれていました。

住所や氏名、メールアドレスといった個人情報に加えて、アンケートへの回答や関心を持ったエステのコース名は個人のプライバシーに関わる内容です。これが流出したことは非常に問題がありました。

事故後の対応は

流出が発覚後、同社は迅速にWebサーバから削除してアクセス出来ないようにしました。ただし、すでに流出してしまった情報については回収不可能となってしまいました。

筆者所感

5万人に及ぶ個人情報が流出してしまったこの事例については、外部委託先レンタルサーバから企業に委託して専用サーバへ移したというものです。その際に、アクセス権限などの適切な対策をしないままにしていたため、情報が流出してしまいました。

対応自体は「発覚後、速やかにデータを削除」するなど、迅速な対応がとられましたが、データ自体はすでに流出しファイル交換ソフトを介してさまざまなところに広まってしまっていました。また、TBCのサーバ移行を担当した委託先企業の作業ミスという側面もありますが、司法の判断では派遣元のTBCに対して賠償金の支払いが命令されています。

このインシデントには大きな意味合いが2つあると思います。

  1. 個人情報データの流出とインターネットを介した拡散の脅威
  2. 派遣元の責任の明確化

個人情報は一度流出してしまうと電子データとして再現なく複製され、瞬時に拡散してしまいます。兎にも角にも流出をさせないための細心の注意が必要です

もう一つは、実際に作業をした委託先企業ではなく、委託元のTBCの責任が問われたことです。これにより企業はより自らのこととして、情報漏洩の防止に努める意識が生まれたのではないでしょうか。

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