画像:平成30年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について/警察庁より
警察庁は2019年3月7日、サイバー犯罪の発生傾向などをまとめた「平成30年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」を発表しました。
これによると、2018年中に検挙したサイバー犯罪の件数は合計9,040件と過去最多を記録。メールを利用した標的型攻撃(6,740件/年)やポートスキャン行為(2,752.8件/日)など、企業にとって無視できない攻撃も依然と高い水準を維持しています。
各インシデントにおいて高い水準を維持
警察庁は総数の発表にあわせて、個別法令違反の犯罪検挙数も公表しています。
これによると、2018年は不正アクセス禁止法など複数の法令において2017年に次ぐ水準(過去5年)を維持。サイバー空間をめぐる犯罪が、以前高い水準を維持している様子を示しています。
詳細は下記の通りです。
法令名 | 検挙数 |
---|---|
不正アクセス禁止法違反 | 564件 |
不正指令電磁的記録に関する罪及びコンピュータ・電磁的記録対象犯罪 | 349件 |
児童買春・児童ポルノ法違反 | 2,057件 |
詐欺 | 972件 |
著作権法違反 | 691件 |
その他 | 4,407件 |
サイバー犯罪の多くは「管理の甘さ」を狙ったもの
今回発表の資料はサイバー犯罪の増加を指摘する一方で、その多くが「パスワード設定・管理の甘さにつけ込む手口」である可能性を示しています。
資料では不正アクセス禁止法違反容疑のうち、識別符号窃用型(IDやパスワードを悪用したもの)において、502件のうち278件の事案が「パスワード設定・管理の甘さにつけ込む手口」に該当すると説明。
被害を受けた利用者の多くが、情報管理体制になんらかの甘さを抱えていると示唆しています。
参照平成30年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について/警察庁