12月16日、韓国のメディア企業「朝鮮日報」は、今年から頻発しているサイバー攻撃について、北朝鮮によるサイバー攻撃であると報道しました。
同紙によると、一連のサイバー攻撃はいずれもビットコインをターゲットにした不正アクセス。約3万6,000人分の個人情報が漏洩、900億ウォン相当の被害金額が乗じたとのことです。
求人応募を装ったハニートラップ
朝鮮日報によると、一連のサイバー攻撃はいずれも仮想通貨取引所への「求人応募」に偽装した手口。担当者が思わず悪性コードを踏んでしまいたくなるかのような「美人」の応募者を装うことで、不正アクセスの成功率を高めたものと見られています。
こうしたハニートラップは北朝鮮が最も得意とする部分。日本企業を対象とした被害は確認されていないものの、仮想通貨の認知度と需要傾向によっては、今後警戒が必要となるかもしれません。
北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」
なお、今回のサイバー攻撃の主犯格は、北朝鮮のハッカー集団「ラザルス」の可能性が高いと見られています。
一連のサイバー攻撃に用いられた悪性コードは、かつて米国ソニーピクチャーズやバングラデシュ中央銀行を襲撃したコードといくつかの点で類似。ハニートラップの件と合わせて考慮すると、北朝鮮の組織的な犯行と断定して差支えないでしょう。
<参照>
「美人の写真」をエサにビットコイン奪取。北朝鮮ハッカー部隊のハニートラップ/デイリーNKジャパン 編集長 高英起
仮想通貨狙い、サイバー攻撃=韓国で90億円被害も―北朝鮮/時事通信