独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は11月2日、「不正アクセスによる個人情報漏えい等の被害にあわれた方の相談受付強化について」とするプレス発表を公開した。「情報セキュリティ安心相談窓口」を強化し、自分の情報が漏えいして不安に感じている人からの相談を受け付けるとしている。
10月16日に開設した企業・組織向けの窓口に続き、個人ユーザー向けの相談体制も拡充した形だ。
概要
IPAは、相次ぐ不正アクセスによる個人情報漏えいの発生を受け、「情報セキュリティ安心相談窓口」を強化した。この窓口では、二次被害を防ぐために対処すべき内容や、日頃の対策などについてのアドバイスや各種情報を提供する。
「情報セキュリティ安心相談窓口」は、IPAが国民向けに開設している窓口である。一般的な情報セキュリティに関する技術的な相談を受け付け、アドバイスを行う。電話、メール、郵便、FAX、チャットボットで相談を受け付けている。
IPAの発表と関連報道によると、時系列は次のとおり。
10月9日、IPAは注意喚起「不正アクセスによる漏えい等の事案を踏まえ、速やかに実施すべき対策等について」を公表した。
10月16日、IPAは企業や組織向けに「不正アクセス特別相談窓口」を開設した。
10月27日、IPAは「自分の個人情報等が漏えいした際の「対処」と「日頃の対策」」を公開した。IPAによると、安心相談窓口には、情報漏えいの対象となった一般ユーザーから「連絡がきたがどう対応すればよいか」といった相談が数多く寄せられている。
11月2日15時14分、IPAは相談窓口の強化を発表した。
背景について、IPAは次のように説明している。国内の幅広いサービスで、ウェブシステムに係る脆弱性の悪用やサプライチェーンを通じた侵害など、不正アクセスによる情報漏えい事案の公表が相次いでいる。
被害・影響の範囲
今回の発表は、特定の事案の被害公表ではなく、相談体制の強化に関するものである。個別の事案名や漏えい件数は、発表では示されていない。
IPAは、特に大量の個人情報を取り扱うオンラインサービスやアカウントサービス等のシステムが不正侵入され、個人情報を含むデータが窃取される事案が複数判明しているとしている。
二次被害の有無や被害全体の件数は、公表されていない。
企業・団体の対応
窓口の対象は全国の個人ユーザー(消費者)である。相談方法は電話とE-mailで、電話の受付時間は平日10時から17時まで。電話番号は03-5978-7509、メールアドレスはanshin@ipa.go.jpである。
相談では、ウイルスや不正アクセスへの対処、フィッシング詐欺への対応、情報漏えい時の二次被害のリスクを下げるための対処などについて助言を受けられる。不正アクセスの有無にかかわらず、全員が日頃から心がけるべき対策についてのアドバイスも提供する。
従来は主にウイルスや不正アクセスに関する相談が想定されていた。今回はそれらに加え、漏えい被害者の不安に応じる相談も明確に位置づけた。
IPAは消費生活センターなどの関係行政機関の相談窓口とも連携を強化し、被害にあわれた方に的確な対応を実施するとしている。
編集部コメント(読者企業が取るべき対策)
今回の発表は、漏えいの影響が事業者の内部対応だけで終わらないことを示している。顧客から問い合わせが寄せられる前提で、事前に準備しておく必要がある。事案の公表後に案内できる窓口と、説明できる内容を整えておきたい。
顧客向け案内の整備
漏えいが起きた場合に顧客へ何を伝えるかを、事前に文書化しておく。漏えいした項目、とるべき行動、問い合わせ先を一つにまとめて案内する。
外部相談窓口の把握
企業・組織向けの「不正アクセス特別相談窓口」と、個人向けの「情報セキュリティ安心相談窓口」の両方を把握しておく。社内の対応手順に、相談先として明記する。
フィッシング対策の周知
漏えいの公表後は、事案に便乗した詐欺の連絡が増えるおそれがある。自社が送る連絡の手段と内容を事前に顧客へ示し、不審な連絡との見分け方を案内する。
脆弱性とサプライチェーンの点検
IPAは、脆弱性の悪用やサプライチェーンを通じた侵害を、背景として挙げている。公開しているウェブシステムの更新状況と、委託先や連携先の権限を点検する。
問い合わせ対応の体制づくり
漏えい公表後は、顧客からの問い合わせが短期間に集中しやすい。想定問答を用意し、対応担当者と受付時間を決めておく。
なお、相次ぐ個別事案の詳細や被害の全体像は、今回の発表では示されておらず、現在調査中とされている。今後の続報に注意されたい。





























![中小企業の情報瀬キィリティ相談窓口[30分無料]](/wp-content/uploads/2023/07/bnr_footer04.png)


