東急ハンズが運営する手作り品の通信販売サイトである「ハンズ・ギャラリー マーケット」に対して不正アクセスが発生し、861人の顧客の個人情報が流出してしまいました。
同社によると、さらに10名程度の一部の顧客のクレジットカード情報が悪用を試みられた形跡がある(実際にはカード会社により防がれたため被害はなし)とのことです。
事件の経緯
同社によると、今回の不正アクセスによる情報漏えい事件の経緯は以下のようになっています。
2016年9月9日 | 一部のクレジットカード会社から情報漏えいの可能性があるとの連絡を受ける |
2016年9月30日 | 調査の結果、以下の通り同社が運営する通販サイト「ハンズ・ギャラリー マーケット」からの情報漏えいが発生したと発表 |
事件の原因(問題点)
同社によると今回の情報漏えい事件は、第三者による不正アクセスによるものです。
第三者が不正に同社通販サイトに侵入することで、個人情報を取得したのが原因です。
漏洩した情報は何か
同社によると今回の不正アクセスで漏えいした情報は、同社が運営する通販サイトである「ハンズ・ギャラリー マーケット」で商品を購入した861人分の個人情報(住所・氏名・電話番号・購入情報)とのことです。
また、その内529人についてはクレジットカードの番号や有効期限といった情報までが漏洩し、悪意を持った第三者に不正利用された恐れもあるとのことです。
事件後の対応はどうだったのか
同社では今回の情報漏えい事件の発生を受けて以下のような対応を行なっています。
- 通販サイト「ハンズ・ギャラリー マーケット」「東急ハンズネットストア」「アートメーター」のサービスを停止
- 社内に対策本部を設置
- 第三者機関による調査を開始
これらの対応は一部クレジットカード会社からの情報漏えいの可能性についての連絡を受けて以降、非常に速やかに行われています。
またこれ以降に実際に調査を行なった上で、以下の対応を順次実施しているとのことです。
- 情報漏えいの可能性があるユーザーへのお詫びの文書とメールの送付
- 不審な請求がある場合はカード会社に連絡するようユーザーへの注意喚起
- 通販システムのセキュリティ対策と監視レベルの向上
- 停止しているサービスの順次再開
まとめ(筆者所感)
東急ハンズの今回の通販Webサイト「ハンズ・ギャラリー マーケット」における
不正アクセスによる情報漏洩は、529件におよぶクレジットカードの情報を含め861件の利用者の個人情報が外部に流出しただけでなく、10名程度のクレジットカードの情報が不正に利用されるなどといった大きな問題なりました。
迅速な対応は高評価
同社がこの情報漏えいに伴って行なった対応は非常に迅速なものと言えます。
9月9日に情報漏洩の可能性が発覚してすぐに外部からの不正アクセスの可能性があるサービスを停止しています。
サービスの停止はこれ以上の被害の拡大を防ぐことができますが、直接的な売上の低下に直結します。売上の低下より被害の拡大を防ぐ方針を明確にした同社の対応は大変評価できると思います。
また、その後の調査結果の公表とお詫び対応など、行うべき対応をできる限り迅速かつ真摯に行なっている姿勢が見て取れます。
明確な方針設定も
加えて、もう一つ評価すべきは、さらなる対策として「セキュリティ対策と監視レベルの向上」を行う方針を明らかにしていくことです。
今回の事象に対して一時的なその場しのぎのものではなく、発生を教訓としてさらに一歩踏み込んだ根本的な対策をしようとしている同社の姿勢は高く評価できます。
今回の事象の発生の対応については、他社についても学ぶべきところが多いように思います。