スピム(SPIM)とは、インスタントメッセージング(IM)やチャットアプリ上で送られてくるスパムメッセージを指します。「スパム(Spam)」と「インスタントメッセージ(Instant Messaging)」を組み合わせた造語で、主にSNSやメッセージングアプリを通じて、一方的に広告や詐欺メッセージを大量に送信する行為です。
SPIMは、従来のメールスパムと同様に、ユーザーが望んでいないメッセージを一方的に送り付けるため、迷惑行為として扱われます。また、SPIMメッセージには詐欺リンクやマルウェアが仕込まれているケースも多く、セキュリティ上のリスクを伴います。
SPIMの特徴
1. 即時性とリアルタイム性
SPIMはインスタントメッセージとして送られるため、ユーザーに通知が即座に届きやすく、開封される確率が高くなります。この即時性を悪用し、不意打ちでメッセージを開かせてリンクをクリックさせるといった手法がとられます。
2. 個人との関係性を偽装
SPIMでは、ユーザーの友人や知人、フォロワーを装ってメッセージが送信される場合があり、ユーザーが不審に思わずメッセージを開封してしまうケースが多くあります。これにより、リンクをクリックしたり、個人情報を入力させたりする詐欺につながることが多いです。
3. マルウェアやフィッシングリンクを含む
SPIMには、悪意のあるリンクや添付ファイルが含まれていることが多く、ユーザーがリンクをクリックすると、フィッシングサイトに誘導されたり、マルウェアがデバイスに感染するリスクがあります。
SPIMの目的
1. 製品・サービスの宣伝
SPIMの多くは、商品やサービスの広告宣伝を目的としています。低コストで広範囲に宣伝できるため、特定のサービスへの誘導を行うために使われます。
2. 金銭詐欺
金融詐欺の一環として、ユーザーを偽サイトに誘導し、クレジットカード情報や個人情報を盗む目的でSPIMが行われます。
3. マルウェアの拡散
SPIMメッセージには、マルウェアやウイルスを含むリンクが埋め込まれていることが多く、ユーザーがリンクをクリックすることでデバイスが感染します。
4. フォロワーやアカウントの乗っ取り
フォロワー数やアクセス数を増やす目的で、SNSアカウントへの誘導や、アカウント情報を盗む目的でSPIMが使われることがあります。ユーザーがリンクをクリックしてログイン情報を入力すると、アカウントが乗っ取られる危険性があります。
SPIMの対策
1. セキュリティ設定の見直し
SNSやメッセージングアプリの設定で、メッセージの受信許可範囲を制限することで、SPIMを受信しにくくすることができます。特に知らないアカウントからのメッセージ受信を制限する設定が有効です。
2. 不審なリンクをクリックしない
SPIMには、フィッシングサイトやマルウェアが仕込まれたリンクが含まれているため、送信者が不明なメッセージや不審なリンクはクリックしないことが重要です。
3. 二要素認証の導入
二要素認証(2FA)を設定することで、アカウントが不正アクセスされるリスクを減らすことができます。特に、SPIMによってアカウント情報を盗まれる危険性があるため、SNSやメッセージングアプリのアカウントには二要素認証を設定しておくことが推奨されます。
4. セキュリティソフトの利用
セキュリティソフトをインストールし、SPIMによるマルウェア感染を防止します。セキュリティソフトは、スパムやフィッシングの兆候を検知して警告を出す機能があるため、未然にリスクを回避するのに役立ちます。
5. 定期的なパスワード変更
SPIMに関連した不正アクセスを防ぐため、パスワードを定期的に変更し、使いまわしを避けることが推奨されます。特に、長く使っているSNSアカウントのパスワードは、推測されにくいものに設定し直すとよいでしょう。
まとめ
SPIM(スピム)は、インスタントメッセージやSNSを通じて一方的に送られるスパムメッセージのことで、広告や詐欺、マルウェア拡散を目的としています。従来のスパムメールと同様に、不特定多数に向けて送信される迷惑行為であるため、受信者にとってはリスクや不快感を伴います。セキュリティ設定や二要素認証の導入、リンクの安全性確認などを徹底することで、SPIMから身を守ることが可能です。オンライン活動において、不要なメッセージや不審なリンクをクリックしないといった基本的な対策が、トラブルを避けるためには不可欠です。