587番ポート|サイバーセキュリティ.com

587番ポート

587番ポートとは、電子メールの送信に使用される通信プロトコルであるSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)の標準ポートの一つです。このポートは主に認証付きのメール送信に利用され、安全かつ信頼性の高い通信を実現するための重要な役割を担っています。

メールサーバー間の通信にはポート25番が利用されることもありますが、587番ポートはクライアント(ユーザーのメールアプリやメールソフト)からメールを送信する際の推奨ポートとして広く採用されています。このポートはスパム対策やセキュリティ向上の観点から多くのISPやメールサービスプロバイダーで設定されており、SSL/TLSを用いた暗号化通信をサポートすることで、安全なメール送信を可能にします。

587番ポートの特徴

認証付き送信をサポート

587番ポートは、SMTP AUTH(SMTP認証)を必須とする設計になっています。これにより、不正利用を防ぎ、送信者が正規のユーザーであることを確認します。SMTP AUTHを使用することで、スパムや迷惑メールの送信を抑制することができます。

暗号化通信に対応

587番ポートは、STARTTLSコマンドを使用して通信を暗号化する機能を持っています。これにより、通信経路でのメール内容の盗聴や改ざんのリスクを軽減します。メールサーバーとのやり取りを暗号化することは、現在のインターネット環境において欠かせないセキュリティ対策です。

587番ポートのメリット

スパム対策が強化される

認証が必要なため、不正な送信者が利用することは難しくなります。これにより、スパムメールの大量送信が抑制され、メール送信の健全性が保たれます。

利用が広く推奨されている

多くのメールサービスプロバイダーが、ポート587番を使用する設定を推奨しています。この標準化により、ユーザーが迷わずに安全な設定を行うことができます。

セキュリティの向上

暗号化通信をサポートしているため、メールの内容が第三者に漏洩するリスクが低くなります。個人情報や機密情報の送信が必要な場合も安心して利用できます。

587番ポートと他のポートとの違い

ポート25番との違い

  • ポート25番はメールサーバー間の通信に使用されますが、スパムメール送信者が悪用するケースが多いため、ISPによってブロックされることがあります。
  • ポート587番は、クライアントからメールを送信する際に使用されるため、認証付きの送信を基本とし、スパム対策が強化されています。

ポート465番との違い

  • ポート465番は、かつてSMTPS(SMTP over SSL)専用ポートとして使用されていましたが、現在では非推奨とされています。
  • ポート587番は、STARTTLSによる暗号化をサポートしており、セキュリティと互換性の両方を備えた現行標準です。

587番ポートの設定方法

一般的なメールクライアントでの設定

  1. メールアプリケーションの設定画面を開く。
  2. 送信(SMTP)サーバーの設定に進む。
  3. ポート番号を「587」に設定。
  4. STARTTLSを有効にする。
  5. SMTP認証をオンにし、ユーザー名とパスワードを入力。

サーバー側の設定例

  • サーバーソフトウェアによって設定方法は異なりますが、一般的に以下の手順で設定できます。
    • SMTPサービスの設定ファイルを編集。
    • ポート587番をリッスンするように指定。
    • 認証とSTARTTLSを有効化。

まとめ

587番ポートは、安全なメール送信を実現するために不可欠なポートです。認証付きの送信や暗号化通信をサポートしているため、スパム対策やセキュリティ面で優れた特徴を持っています。特に現在のインターネット環境では、メールの送信設定においてこのポートを選択することが推奨されており、適切に設定することでメール通信の安全性を確保できます。


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