日本にも拠点を持つサイバーセキュリティ企業のファイア・アイ株式会社は2020年3月、中国・北朝鮮・ロシアなどの複数のハッカー集団が、新型コロナウイルスに便乗した形のサイバー攻撃を進めていると明らかにしました。
同社はその事例として、中国ハッカー集団のうち「TEMP.Hex」を指摘。同集団はコロナウイルスに関連した政府要人や専門家らの提言を引用したおとり用の情報を制作し、ベトナム・フィリピン・台湾などのエリアに拡散していたとのことです。
金銭や認証情報の流出に、マルウェア拡散など懸念される
ファイアアイは一連のサイバー攻撃については、スピアフィッシング型と位置づけ、警告を発しています。また、攻撃の目的については、金銭や認証情報の摂取のほか、銀行情報を狙ったトロイ型の攻撃や、その拡散を意図するものもあるとのこと。
なお、スピアフィッシングとは、特定のユーザーにターゲットを絞り込み、サイバー攻撃をしかける手法で、例えば、「特定の小売店に対して、実際に取引関係にある卸業者を装った請求書送付案内を装った電子メールを送付する」などが挙げられます。
ファイアアイはコロナウイルスの感染にしても同様の警告がみられると指摘しており、例えば韓国のNPO法人に対して韓国語で「コロナウイルス対応」と記したメールが確認されたとしています。
参照新型コロナウイルスに便乗した“スピアフィッシング”、中国やロシアなどの攻撃グループが仕掛ける/Yahoo!ニュース